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「え?愛理とか?」
「はい。そう言う事になりましたのでご報告を…」
「そっか…そうかぁー!」

愛理さんと結婚を前提にお付き合いする事と近い内に結婚するだろうと言う事を
愛理さんの弟である彼には言っておかないとと思って早速彼に会いに来た。
お母さんにはいずれ近い内に会いに行くと伝えた。
彼はそんな必要無いと言ってたけどそう言う訳にもいかないから。

お父さんの借金は次の日あの連絡先に電話を掛けてちゃんと借りていたお金を返済した。
完済したと言う証書もしっかりと受け取り帰り際もう会う事もないだろうと笑いながら引き上げて行った。
金額は利息を入れて結構な額だったけど一応払えるだけの蓄えはあるし引き延ばしても良い事は無い…

彼はその事は知らないみたいだった…
きっと愛理さんがそうしたに違いない…1人で抱え込むつもりだったんだろう……

「俺あんたなら反対しないぜ。あんたならあいつを幸せにしてくれると思うしよ。」

「そう言ってもらえると嬉しいです。」
「いずれ結婚かぁ…結婚は俺の方が早かったけどよ。」
「彼女はお元気ですか?身体も?」
「おう!何もかも順調だぜ。俺はぎりぎり18で結婚出来たけど確か女は16だろ?良かったよな。」

「………え!?」

今…何か重要な事…言いませんでした?

「…え?あ…あの隆生君って…18…なんですか?」
「あん?ああ…こう見えても…な。見えねぇって良く言われんだけどさ…はは…」
そう言って照れ臭そうに笑った。

「………と言う事は……愛理さんも1…8…?」

「当たり前だろ?俺達双子なんだぜ?二卵性だけどよ。だから歳だって同じに決まってんだろ?」

「…………」

え え ーーーーーー っ っ ! ! !





「ただいま。」
「愛理さん!!」
「ただいま珱尓さん。」
「お帰りなさい!」
「…もうお帰りのキスは?」
「え!?ああ…ちゅっ!」
「ふふ ♪ ♪ 」

今朝から半ば強制的に始まった挨拶のキスもソコソコに愛理さんの腕を引っ張って
リビングのソファに座らせた。

帰って来るのをずっと待ってたんだから!!

「何よ。なんかいい加減なキスだった……」
「そんな事より…」
「そんな事?」

「愛理さんって18歳なんですか?」

「!!え…?」
「……??」

お互い相手の顔をじっと見つめ合ってた。


「どうしてそんな事聞くの?」
「今日隆生君と話をして彼が18歳だって分かったんです!!」
「……もう…隆生の奴…」

「愛理さん!!」

「……そうよ…あたしは18歳です!でも別に何の問題も無いでしょ?」

「………眩暈が……」

僕はソファに手を着いてがっくりとうなだれた。

「珱尓さん?どうしたの?」
愛理さんが不思議そうに僕に声を掛ける。

「……み…未成年に…手を出してしまった…しかも僕が初めてを奪ったに等しいし………」

もう大ショックだっっ!!!

「そんな未成年なんて気にする事無いわよ。今時…そんなの珍しくないんだから。」
「…何でそんな嘘ついたんですか?」
「……だって…やっぱり珱尓さんそうなるじゃない?」
「え?」

「あたしが18歳の未成年なんてわかったら珱尓さんあたしが初めてって以上に
あたしの事敬遠すると思ったから…それにハタチって言った方が何かと便利だったし。」
「………もう…愛理さんは…」
なんでそんなケロッとしてるんですか……
「大丈夫?珱尓さん?」
「もう隠してる事無いですよね?」
「もう無いわよ。身体だって隅々まで見せたし。」
「隅々なんて見て無いですよ。」

そんなやり取りの間に愛理さんが横向きで僕の膝に乗って来る。
僕は愛理さんの身体に腕を廻して抱き寄せる…

もうずっと前からそうしてるみたいに…


「じゃあ一緒にシャワー浴びようよ…珱尓さん。
あたしの身体の隅々まで見せてあげる…誰にも見せて無い…珱尓さんだけに…」

「……ありがたいんですが…僕には刺激が強すぎではないかと…」

「えーつまんない。一緒に入りたいっっ!!」

「ですから……」





「…あ…あ…アン……」

珱尓さんが背中からあたしを抱きしめてくれる…
抱きしめながら珱尓さんの2つの手はあたしの身体を優しく撫でてくれてる…

それこそ身体の隅々まで…

「あ…」

後ろ向きのまま腕を伸ばして珱尓さんの首に絡ませる…
だって感じちゃって自分じゃ立ってられない…

「ん…」

顔だけを珱尓さんに向けて舌を絡めるキスをした…
ホント珱尓さんがこんなに愛情表現をストレートにしてくれる人だったなんて意外!!
もっとこう言う事に消極的かと思ってたのに…

慣れてて…優しくて…意外にがっちりした身体つきで…何か思わず抱き着いちゃう…
そっか…同棲してた事もあるんだもんね…こう言う事慣れてるの当たり前か…

「…あたしの身体…変じゃない……?」
何だかすごく気になってそんな言葉が自分の口からこぼれる…
「!?…愛理さん…?」
「胸…小さいかな……もっと大きい方が男の人って嬉しい…?」
「何気にしてるんですか?愛理さんの身体はとっても綺麗で柔らかいです。」
「本当?」
「はい…」
「ん?柔らかいって太ってるって事?」
「違いますよ…女の子らしいって事です。」
「本当?」
「はい。」

そう言ってにっこり微笑まれるともうあたしはクラクラしちゃう…
しかも此処は浴室で2人共裸で……いやぁ〜ん!!夢みたい…




「……あ……ぁ…」

しっかりと珱尓さんの首に両手を絡ませて抱き着いてる…
だってそうしないと立ってられないくらい身体が変で…頭の中が痺れて真っ白だから…

背中には浴室の壁のタイルが当たって珱尓さんに押し上げられる度に擦れてちょっとだけ痛い…

「…ふ……あ…ぁ……」

でもそんな微かな痛みは何とも言えない快感で打ち消される…
男の人に抱かれるって…こう言う事なんだ…

ううん……珱尓さんに抱かれるって…こう言う事なのね…


「愛理……」

耳元で珱尓さんがあたしの名前を囁いてくれる…

「…ンア…ぁ…」

押し上げられる衝撃と珱尓さんの声と……身体の奥で感じる疼きでどうにかなっちゃいそう……

「…ン」

自分からキスをおねだりする…
密着してるシャワーで濡れた身体はいつもより滑らかにお互いの身体が滑る…

「…あ」

片脚をずっと珱尓さんの腕で抱え上げられてるから伸ばしてるもう片方の脚がちょっとキツイ…
背の高い珱尓さんに合わせて身体ごと持っていかれると爪先立ちで…脚がツっちゃいそう…

「あ…ちょっ…珱尓さん…待っ……んあっ!!」

そんな脚の痛みも忘れるほどの快感が身体の中を走っていく…

「あっ!…あっ!…ああっっ!!…やぁ……」

珱尓さんの背中と首にきつく抱き着いて弾けちゃいそうな身体を押さえる…
ぎゅっと瞑った瞼から…シャワーで濡れた滴なのか…自分の涙なのか…わからないけど…

頬を伝って…滴が流れた……