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 「え?」

 何で急にそんな事聞くのかな?
 しかもなんの脈絡もなく…イキナリその質問ですか?

 夕ご飯の支度中…突然耀くんがオレに聞いた…

 「ねぇ?どのくらい?」

 首を傾げて…うー…そんな可愛い顔で聞かないでよ…こっ…これは…正直に答えるべき?
 いやっ!そんな事したら絶対耀くん引くよな… かと言って少なく言って信じるか?
 その前に耀くんにとって少ないって何人くらい?

 「椎凪って今までどのくらいの女の人相手にしたの?」

 急に何でこんな事…オレは慌てに慌て捲くった…
 マジで答えると100や200じゃきかないし…でもそんな事絶対言えねーっっ!!
 …2・30じゃ少ないか? 遊んでたの耀くん知ってるし…でも30でも多いって思われそうだし…
 ここはトボケるか?いやっ!それも何かヤバイ気が……

 などとあれこれブツブツとやってたら耀くんが…

 「答えられないほど沢山なんだね。わかったよ。」

 「 えっ?! 」 
 「ごめんね。変なこと聞いて…」
 そう言ってオレに背を向けてリビングに行っちゃったよ…
 え?うそっ?何かえらく誤解して納得しちゃった?

 えっ?ちょっと待ってよ…何気に呆れられてる?ええーっ!うそぉっっ!!!

 次の日…
 刑事課に入ってきたルイさんの 開口一番のセリフが…

 「おはようー!!椎凪!耀君に嫌われたぁ?」

 テメーの仕業かっ!!一瞬で理解したぞっ!!この疫病神女っ!!
 いつもいつもオレの邪魔しやがってっっ!! くそーっ怒りが爆発した!!

 「ちょっとルイさんっ!耀くんに何言ったんだよっ!余計な事言わなくていいからっ!」
 「えー?あたしは本当の事言っただけよ。凄い人数相手にしてたから聞いてみてって。」
 何だとォ…ふざけんなっ!!
 「それが余計なお世話なんだよっ!何でいつも邪魔すんだよ!!」
 「あんたに耀君渡さない為に決まってんでしょっ!!」
 「大体いつの間に耀くんのメルアド聞いてんの?まったくもーっ!!」
 「あのね…あたしだって刑事なのよ!メルアドくらい直ぐ調べられるわよっ!」
 「あー!オレに黙って耀くんに会いに行ったんだろーっ!?」
 「はぁ?何であんたに断らなくちゃいけないのよ!ばっかじゃないのっ!」
 もの凄い呆れた顔で突っ込まれた。
 「あーもースッゲームカつく!!」

 などと椎凪が小競り合いをしていた頃…

 「昨日聞いても答えてくれなかったんだ。」
 大学の教室で耀が祐輔に夕べの事を話していた。
 「そりゃあ耀には言えねぇだろうな。」
 祐輔が意味ありげに笑ってる…
 「えー…祐輔だって和海さんと付き合う前はいろんな人と付き合ってたじゃない。 別にその位ならさ…」
 「あいつの事だから1000人位いるんじゃねーの?」
 「 ええーっ!!そんなに? 」
 目を真ん丸くして驚きを隠せない耀で在りました。

 祐輔の言葉はすぐ信じる耀。

       一番の強敵が祐輔とはまだ気付いていない椎凪です。がんばれ!椎凪!