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ぺちっ… ぺちっ…

「…ん…いたい…椎凪…」

ナゼか眠ってる顔をペチペチと叩かれた。
そんなに強い力じゃないけど…何度も同じ場所を叩かれて… いたい。
でも…椎凪にそんな風に朝を起こされるなんて事今まで無くて…
一体どうしたのかとまだ眠りの中にいた意識を無理矢理起こした。

「……ん〜〜もうなに?なんでこんな起こし方すんのぉ?」

寝起きの目を擦りながら目を細めて椎凪の方を見ると……

「…ん!?」

目を 擦ってた手の動きが止まった。
「ん???」
これって…
「んん???」
なんで?
「んんん????」
どうして?

ベッドの上には2・3歳とおぼしき裸の男の子がチョコンと座ってた!!

「…君…誰?」
「…………」
男の子はジッとオレを見つめてる…
「君がオレの事起こしてたの?」
「…………」
ってこんな小さいんじゃ喋れないのかな??
「え?君本当に誰?椎凪が連れて来たの??」
オレはその子の事が気になりつつもベッドから降りて寝室を飛び出した。

「椎凪? 椎凪ぁ???」

オレはリビングに入って椎凪を呼んだけどいない…
キッチンにも…洗面所にも…浴室にも…
でも玄関には靴があるから外に出て行ったわけじゃないと思うけど…
「椎凪…何処に行っちゃったんだろ…… 祐輔の所かな?」
仕方なく寝室に戻るとさっきと変わらずに男の子がベッドの上にチョコンと座ってる。
「困ったな…ホント君誰?どこの子?… それに何でこの子裸……ん?」
キラリと…その子のお腹が光った…

「え?これって…」

手を伸ばしてそれを掴む…
キラリと光ったそれは 男の子の首にかかってる…ペンダント…
でも大人用の長さのチェーンはこの子には長くて…でも…これって…

「椎凪のペンダントじゃないか…なんで? なんで君がつけてるの?」

そんなオレの問い掛けにも黙ってオレを見つめてるだけ……
でも…良く見るとそんな顔に…微かな面影が残る……

「え?……ま…さか???え?うそ………」

オレは慌ててその子の身体に手を伸ばして抱きかかえて持ち上げた。
そのままベッドの上に立たせてお尻を 覗き込むと……

「うそ………あった……うそ…うそでしょ…?」

左の…お尻の端っこに……椎凪と…同じ場所に……

「ホクロがあるぅぅぅぅーーーー!!!!なんでぇ???」

オレはパニックで…うそだ…そんな事…絶対あるわけ……
もうどうしていいのか…… こんな事…こんな事……

「君……椎凪なのぉ????」




オレはリビングのソファに椎凪らしき子供を座らせてマジマジと眺めてる。
相変わらず彼は黙ったままで…でも怯えてるとかじゃなくて…至って普通。
流石に裸のままじゃと思ってタオルで包んだけど…このままじゃ…

「ホントに君…誰?」

もう何度も何度も繰り返し尋ねてる言葉…でもその言葉に返事は無い。
「どうしよう………」
あの後携帯がテーブルの上に乗ってた のに気が付いた。
と言う事は椎凪とは連絡がつかないって事で…
オレは不安な眼差しで彼を見つめた……彼もオレを見てる……
ジッとオレも彼を見つめてて ………

「 いやぁぁぁぁ〜〜可愛いぃぃぃぃ〜〜〜〜 」

いろんな事に目を瞑ってもこの子……可愛い〜〜〜〜
オレは思わず抱き上げてそして 顔を近づけて覗き込んだ。

「椎凪なの?君…椎凪?」

「……………」

ちょっと長めのサラサラの髪に丸くて大きなクリクリの瞳…
ちょっとぷっくりしたほっぺに…小さくて桃色の唇………

そんな……そんな眼差しでオレを見つめないで………

オレはこんな小さな男の子にときめいてる 自分が情けなくて…
でも自然と顔がほころんでニッコリと笑い掛けてた。




「椎凪がいなくなった?」
「うん…」

結局自分一人 じゃどうする事も出来ずに祐輔の所に駆け込んだ。
もしかしたらと言う期待はものの見事に打ち砕かれて
祐輔の所には椎凪はいなかった…

「でね…その代わりこの子がいたんだ…ベッドに…
しかも椎凪のペンダントつけて裸で…」
「はあ?」
祐輔がタオルに包まれた彼を覗き込んだ。
「耀はこのガキの事知らねーのか?」
「うん…会った事無い…」
「喋んねーの?」
「うん…小さいからかな…でも泣きもしないんだ…」
「ふーん…」
祐輔はオレに抱っこされてる彼を穴が開くほど眺めてる。

「何だか椎凪に似てねーか?」

「え?」
やっぱり祐輔もそう思うの?
「なあ…耀…」
「ん?」
祐輔が真面目な顔でオレを見た。
「……?…何?」

「……コイツ…椎凪の子供なんじゃじゃねーの?」



「ほんとに椎凪さんが いなくなったの?」
「うん…」

祐輔の部屋に時間差で来てくれた慎二さんが心配そうな顔で入って来た。
「で?代わりにこの子が?」
「うん…」
「…………あ!はい…子供用の服。」
「あ…ありがとう。」
相談しがてら彼の服を持って来て貰った…オレは良くわからなかったから…
「連絡も無し?」
「うん…携帯は家にあるし仕事は今日休みだし……」
「そう…一体どうしたんだろうね…何か心当たりは?」
「ううん…」
「この子も?」
「うん…」
「ちょっといい?」
慎二さんがオレから彼を抱き上げ様としたんだけど…
「………フゥ〜〜!!」
「あれ?」
「ん?」
オレの服にギュウっとしがみついて離れなかった。
「気に入られてるみたいだね耀君…」
「……え?」
「そいつ椎凪の奴に顔似てねーか?」
「え?」
祐輔がまたそんな事を言い出した。
でも確かに椎凪に似てる…
「そう言われれば…」
彼を覗き込んでた慎二さんまでもがそんな事を言う。

「…まさかさぁ……椎凪さんの隠し子?…とか?」

「ええっっ!!!!」

ついにハッキリ言われちゃったぁ…………

「ゴメンね耀君… 変な事言って…でもそれで耀くんに顔合わせられなくて…雲隠れ?」
「耀に子供預けてか?」
「そうなんだよね…子供を耀君に任せるって言うのが信じられない よね…」

もしこの子が椎凪の子供だったとしても椎凪が自分の子供を放って
1人で出て行くなんて事はしないって2人共わかってるんだよね…
変な所で2人に信用されてる椎凪……なんか複雑な気持ちのオレだった…

「……あの…さ…」
「ん?」
オレは遠慮がちに話し始めた。
だってそんな事… 馬鹿げてて…有り得ない事だから…でも…

「あのね…この子椎凪のペンダントしてたし…顔も椎凪に似てるでしょ?
それに…椎凪のお尻と同じ所に… ホクロもあるんだ……」

「え?」
「?」
「だから…その…もしかして…」
「もしかして?」

「椎…凪?」
オレは抱っこしてる彼を 指差してそう言ってみた。

「はあ?まさか!!」



「彼だね。」

「 え え っっ !!! 」

アッサリと肯定された!

「ほ…本当ですか?右京さん!?」
結局オレ達は右京さんの所に駆け込んだ。
そして今までの事を全部話したんだ。

「彼から感じる『モノ』は確かに 椎凪君と同じモノだ。」
「椎凪さんの子供とかじゃ無くてですか?」
「ああ。」
「…………!!!! 」
オレ達3人は絶句!!!
「そ…そんな事あるんですか?」
ショックで何も話せないオレに代わって慎二さんが質問してくれた。

「普通なら有り得ない事だろうね。
でも現実に彼は 子供の姿で此処にいる。突然変異か…或は…」

「或は?」

「呪われたか。」

「 呪われた!? 」

「 うわ〜〜〜椎凪ぁ〜〜 !!!」

「耀君!!」

今まで張り詰めていた気持ちの糸がプツンと切れて思わず泣き出しちゃった……

「とにかくしばらく様子を見る方がいいだろう。
元に戻らなくてもそのまま育てば見た目はまた彼になる。
愛情持って育てれば前よりは捻た性格にならずに育つかもしれないね。」

「………!!!!」

オレは目の前が真っ暗になった………



「椎凪……」

オレの目の前に小さな椎凪がいる…

「とりあえず当座に必要な物は 揃えたからね耀君。」
「うん…ありがとう…」
「しばらく僕の所に来てる?」
「ううん…大丈夫…とりあえず2人でやってみる…どうしてもダメな時は 頼っちゃうと思うけど…」
「それは構わないけどさ…でも…こんな事ってあるんだね……」
「……うん…」
「ったく…いつでもどんな時でも迷惑かける 男だな!テメェは!!!きゅっ!!」
「……ふきゃん!!」
「あ!祐輔!!椎凪イジメないでよっっ!!!」
そう言ってオレは椎凪を抱き上げた。

油断すると祐輔ってばすぐ椎凪を小突いてイジメるんだから…
今だって鼻をキュって摘んだし!!

「……うぅ〜〜〜」
「ほら!痛がってる!!」
「 鍛えてやってんだろ?このくらい椎凪なら平気だろ?」
「今は子供なの!!」
「きっとエロイ子供だぞ…コイツ。」

「 「 祐輔… 」 」

思わず慎二さんと一緒に呆れちゃった…
いくらなんでもそんな事あるわけないじゃん…



「フーフーもう熱くないかな?はい椎凪あ〜ん!!」
「パクン!もぐもぐ…」

「ひゃぁぁぁ〜〜〜可愛い〜〜」

もぐもぐと動いてる小さい口の動きの可愛い事…初めての2人の夕食。
料理の出来ないオレは慎二さんが用意してくれたレトルトを
温めて椎凪と食べる所だ。
ちょっとの間で椎凪は意外としっかりしてる事がわかった。
踏み台を用意してあげると自分でコップを出したり流しに置いたり
トイレもちゃんと1人で出来る。
着替えはちょっと危なっかしいけどホント手がかからない…
だからどこまで子供なのかわからない時がある。
ただオレの傍を離れない。
オレがちょっと動いただけですぐ後をついて来て足にしがみつく。
そして抱っこを おねだりする。

「 仕方ないなぁ〜〜 」

オレはそんな事を言うけどアッサリ言う事を聞いて抱っこしてあげ放題!
椎凪片手にあれもこれも こなしてる。



「ほら椎凪上向いて。」

今オレと椎凪はお風呂タイム。
こんな風に椎凪とお風呂に入るなんて思わなかった。
「気持ちイイ椎凪?」
「コクン」
初めて頷いた!!!
「ホント?じゃああったまって出ようね。」
椎凪と向かい合って湯舟に浸かると何気に椎凪の 視線が
オレの身体をジッと見てる様な…
祐輔があんな事言うから…オレは余計な事を考えちゃう。
「今の椎凪には刺激が強すぎるかな?はい。回れ右!」
椎凪を抱き直して後ろから覗くと何だか不満げな顔に見えたのは気のせいかな?

「ちょっと待っててね。椎凪…」

お風呂から上がってとりあえず椎凪に タオルを掛けると
オレは先に自分の身体を軽く拭いてバスタオルを身体に巻いて
椎凪の前に膝を着いて座った。
「ほらじっとして…」
ナゼかちょっと反抗的な 椎凪。
「もうどうしたの?何怒ってるのさ?」
「…………」
「ん?」
一瞬ジッとなった椎凪の手が素早く伸びるとオレの巻いてたバスタオルを引っ張った。
「あ!」
椎凪に屈んでたオレはパラリと前だけがはだけて巻いてたバスタオルが緩んだ。
際どい所で裸の胸は椎凪の目の前に晒される事は無くて…

「残念でした!もう椎凪はヤラシイぞ!!」

やっぱり偶然とは思えなくてそう言って椎凪の鼻の頭を人差し指でチョコンと突っついた。

「ヘフシュ!」

椎凪が小さなくしゃみを一つ。
「ふふ…可愛い。」


オレは子供の椎凪にデレデレで甘いったらありゃしない…

「あふっ……」
「あれ?椎凪オネム?」
この辺は子供なのかな…
「おいで…椎凪。」
両手を広げて差し出すともうつぶっちゃいそうな瞼でオレの所に歩いて来た。
抱き上げてホッペにちゅうをした。
「オレが抱っこして寝させてあげる。」
「ふあぁ…」
「ふふ…おやすみ…椎凪…」
ちょっと背中をトントンしたら あっという間に眠っちゃった。
オレに寄り掛かってるちっちゃい身体…
あったかくて柔らかくて…眠ってる椎凪の頭に頬擦りをした。

気持ちよかった。



「え?これが椎凪!?」
いつまでこのままかわからないから瑠惟さん達には話した方が良いと言う事で…
「どうしてまた…」
内藤さん 和海さんは不思議でまたまらないと言った顔で…
「普段の行いが悪いからよ…」
と瑠惟さん。
「…………」
青ざめた顔してるのは堂本さん… そうだよね…普通そう言う反応だよね…

「可愛いわねぇ〜〜椎凪ぁ〜お姉さんが可愛がってあげる ♪ ♪ ♪ 」
ニヤリと瑠惟さんが笑った。

「 ビ ク ン !!!! 」

明らかに椎凪の身体がビクリとなって危ない足どりで逃げた。
「やぁねぇ〜〜照れる事無いのに ♪ 」
子供なのに… 瑠惟さんの事わかるんだ?
「!!!」
「往生際が悪いぞ…チビ椎凪。」
逃げて来た椎凪を祐輔がヒョイと持ち上げてそのまま瑠惟さんに手渡した。
「あ!あ!あ!」
物凄い嫌がりよう…腕を突っぱねて何とか瑠惟さんから離れようとしてる…
ちょっと流石に今は助けてあげた方が…

「瑠惟さん!! 嫌がってるじゃないですかっっ!」

「!!」

そう言って堂本さんが瑠惟さんから椎凪を奪い取った!
「あ!何よ!堂本邪魔しないでよっっ!!」
「かわいそうですよ!無理矢理…ねぇ椎凪さん…?… ゴッッ!!! フ ゴッ!!」
覗き込んだ堂本さんの顎に椎凪の頭突きが決まった! 暴れてたから…

「……!!!」

椎凪はその隙に堂本さんの腕から逃げてオレに飛び付いた。
オレにぎゅうと強くしがみつく。
オレはそんな椎凪を 同じくらい強く抱きしめた。

「大丈夫?堂本さん?」
オレはうずくまってる堂本さんに声を掛けた。
「…あ…はい…大丈夫です…ハハハ… 可愛いですね…椎凪さん…」
「もう祐輔さんも瑠惟さんも椎凪さんからかうの止めて下さい。今は子供なんですよ。」
和海さんが珍しく2人を怒ってる…

「だってぇ〜〜子供でも椎凪からかうの面白いんだも〜〜〜ん ♪ ♪ ♪ 」

「瑠惟さん!!!」



「はあ…何だか疲れたね…椎凪。」

自分の家に戻ってソファに2人で座ってる。
椎凪はオレの膝の上だけど…

「何か食べようか…って言っても冷凍なんだけどさ。ごめんね椎凪オレ料理 出来なくて…」
「………」
椎凪は黙ってオレを見てる。

「………」
オレは流しに立ってボーとしてた…

『 耀くん ♪ オレ特製のお鍋出来たよ〜〜〜たくさん食べてね ♪ ♪ 』

『 耀くんのためにオレから愛を込めて新作ケーキのプレゼント! 』

「………椎凪…」
「………」
オレの足元に不思議そうな顔で見上げてる椎凪がいる…
「変だよね…椎凪はここにいるのにさ…」
しゃがんで 椎凪と同じ目線で話し掛けた。
「どうやったら元に戻れるのかな……椎凪…」
そう言いながら…オレは椎凪を抱きしめた…

「椎凪の…料理…食べたいよ… 椎凪…早く…オレのために料理作ってよ…」

子供の椎凪は黙ったまま……何も言ってはくれなかった…



「さて…椎凪寝るよ〜。」

椎凪を抱っこしてベッドに入る。
今のオレには子供の椎凪の温もりがただ一つの支えだ…
だからぎゅうと子供の椎凪を抱きしめる。
最初は子供の椎凪が 可愛いくて舞上がってたけど…
やっぱり…大人の椎凪に会いたい…

横になると椎凪のペンダントが見えた…今はオレか付けてるんだ…
オレはぎゆっと ペンダントを握った…

「……うっ…」

心細くて思わず涙が込み上げた。
「………」
握った手を子供の椎凪の手がそっと触れた…

「……!!!…あ…ごめん…ごめんね…椎凪…
オレがしっかりしなきゃいけないのに…ごめん…」

言いながら…それでも涙が止まらなくて…

「………よーくん…」

「!?…え…?」
今…小さな声が……椎凪が喋った?
「椎凪…今…」

「ちゅき…」

「え?」

「ちゅき…あいちてる…」

「………椎…凪…」
オレは胸がきゅ〜んって……

「オレも愛してるよ!椎凪!」

そう言って子供の椎凪を 思いっきり抱きしめた!!


「 オレも愛してるよ…耀くん。 」

「……え?」

パチリと目が覚めた。

「え?」
オレはわけが わかんない??

「おはようの挨拶が愛してるなんてうれしいな ♪ 」

ニコニコの椎凪の顔が目の前にある…もちろん大人の…

「椎凪?」
オレは抱きしめてた腕の力を抜いて椎凪の顔をマジマジと見る。
「おはよう。耀くん!チュツ ♪ 」
唇に軽く触れるキスされた…おはようのキスだ……
「椎凪…?本当に椎凪なの?か…身体?身体は?!」
オレはそう叫んで椎凪の身体を両手で触って確かめ始める…
「え?何?オレの身体がどうしたの?え?何? 朝からオレの身体欲しいの?」
「え?」
「いいよ…好きなだけオレの身体…耀くんにあげる ♪ 」
「え…?ちょっと…椎凪待っ……」

頭の中がゴチャゴチャとしてて上手く纏まらないうちに…
椎凪がオレのパジャマを脱がし始めた…

今までの事は全部夢だったのかな?
そうだよね…ここはいつものベッドの中で…大人の椎凪がいて…
オレを抱きしめてくれてる…それに…
ああ…良かった…こっちが本当だ…本当の椎凪だ……
オレは椎凪の首に腕を廻して抱き寄せた。

「耀くん?」

「……ううん…何でもないよ…椎凪…ただ…会いたかっただけ…」

「え?…どうしたの?ずっと一緒にいたじゃない…オレ達…?」

「そうだよね…そう…ずっと一緒だったよね…」

オレは自分から椎凪に顔を近付けて キスをおねだりした…
椎凪はそんなオレを察してくれて優しいキスをいっぱいしてくれる…


それに…さっきまでオレの首に掛けてたはずの椎凪の ペンダントが…

        いつもと同じ様に…オレの目の前で…椎凪の胸で揺れていた…