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     * 時期は耀が女の子に戻った後あたり。*





デュークと一線を越えてからたった1日…なのに…

「未理ぉ〜〜〜 ♪ ♪」
「うわっ!ちょっ…待ってって…」

デュークが…
私にじゃれついてくる………

「ふふ…未理 ♪ ♪」
「もう…子供みたいだよ…デューク……」

なんて最初は私も慕われるのが嬉しくて…
イチャイチャとベッドで…ソファで…浴室で……
求まられるままデュークの相手をしてた…

でも…流石に1週間も経つと…ちょっとキツイし…辛いし……

何より……鬱陶しいっっ!!!!

朝も……昼はまぁ私は仕事だけど…夜も…夜中も…明け方も……
デュークは私に構ってもらいたくて仕方ないらしい!!


「はぁ〜〜〜……」

「どうしたの?未理ちゃん?お疲れ?」
「え!?…あ…いえ…」
「デューク?」
「……はぁ…まあ…」

ランチタイムに珍しく私と橘さんと…祐輔さんに耀君で食べている。

「もう1週間だっけ?」
「はい……」
「何だ?もうデュークの相手疲れたのか?」
「!?…何でわかるんですか?」
「そりゃ…わかるよ…凄い疲れてるみたいだし。」
「あの……こんな事皆さんに言う事じゃ無いの分かってるんですけど…
デュークの事ご存知だから……聞いてもらっていいですか?」
「なに?」
橘さんが優しく微笑んでくれた。

「あの……その……デュークがもの凄く私にじゃれてくるんです。
前祐輔さんの所で一緒にいた時に子供みたいな所もあるって言うのは
わかってたんですけど……それが…限度越えてるんじゃないかって思えるほどで…
朝から晩まで私に構ってもらおうとするんですよ!!ずっと私の傍離れようとしないし…
それに…その……」

「朝から晩まで求められちゃう?」

「!!!!」

言い当てられて…私はビックリの顔真っ赤!!!

「……一緒にいるからかもしれないんですけど……半端じゃないんです!
キスなんか当たり前だし…隙見せるとあっという間にベッドに連れてかれちゃうし…
今まで付き合った事あるんですけど…そんな人誰もいなかった…
イヤとかじゃ無いんですけど……その…そこまで相手しきれないって言うか…
身体持たないって言うか……それに…」

「それに?」

「私とそう言う事が出来るのが嬉しいのか…デューク今までそう言う類の事…
誰とも出来なかったから…その行為が愉しいだけなのかなって…思えて……
……あっ!…ごめんなさい…お昼時に…こんな話…しかも一方的に……」

「別に気にしてないよ。未理ちゃん。」

「……だけどまるで誰かさんの話聞いてるみたいだよな?耀!」

「えっ!?……もう…何だよ祐輔は…何が言いたいんだよ…」

「確かに椎凪さんの事聞いてるみたいでしたね…くすっ!」
「もう…慎二さんまで……」

確かにまるでオレと椎凪の話しされてるのかと思っちゃった……

「え?どう言う事ですか?もしかして椎凪さんも?」

「椎凪さんとデュークは似てるんですよ。」
「似てる?」
「似てるんじゃねぇ…瓜二つだろ?なあ?耀…」

「…………」

否定できない所が…何とも……

「耀君も疲れるでしょ?いっつも纏わり付かれて…」
「え?オレ?…いや…オレ別に苦にならないから…ごめん…」
何故だか謝っちゃった…
「え?あ…あれが苦にならないの?」
私はびっくりで…
「うん…オレ椎凪みたいに言葉や態度にしてもらわないと…安心できないから……」
何だかモジモジしちゃう…ちょっと…は…恥ずかしい…

「それにオレも椎凪が望む事は…全部叶えてあげたいし…さ…」

更に真っ赤になってる…で…でも耀君ってスゴイかも……私は唯々感心するばかり…

「叶えすぎて過労で入院したしな。」
「え?!」
「あれは……」
「未理には耀の真似は無理だ。」
祐輔さんがタバコの煙りを吹かしながら納得した様に言う。
「未理の反応が普通なんだよ。」
「ヒドイ祐輔…じゃあオレって変なの?」
「変じゃねー耀は椎凪の為にいなきないけないんだ。他の誰にも代われねーからな…」
「それ褒めてるの?呆れてるの?」
「褒めてんだよ。」
「そうかな…?」

何だか納得してない耀君をしばらく見つめてしまった…でも私は耀君の様には思えなくて……

「それだけじゃないんじゃないの?」
「…!?慎二さん…」

「デュークの事が信じられない?」

「………そう言うわけじゃ…ただ本当に私の事好きなのか自信無くて……」

そう…デュークは毎日愉しそうだけど…
それは今まで出来なかった事が出来る様になったから愉しいだけなのかな…って…
私じゃな無くて…その行為自体が出来るから嬉しいんじゃないのかなって…思う様になった…

「じゃあ今度耀君の所に泊まるといいよ。」

「 「 え ? 」 」

耀君と2人驚きの声をあげた。
「デュークは僕が何とかするから。」
「でも…ねえ…耀君…」
きっと耀君も迷惑に思ってるだろうと思って確かめる意味で名前を呼んだ。
「オレは別に構わないけど…」
「でも…」

耀君の所に泊まる理由がわからないんですけど…?

「いいから。息抜きだと思って…ね?
椎凪さんの手料理もご馳走になるといいですよ。ね!耀君 ♪ 」

「うん ♪ 椎凪の料理美味しいよ ♪ 」

耀君が一瞬でとっても明るい顔になった。

慎二さんが急にそんな事を言い出したけど…きっと…何か理由があるんだ…
だからオレは慎二さんのそんな申し出を断らなかった。




「いらっしゃい。未理ちゃん!慎二君から聞いてるよ。ゆっくりしてってね。」

「はい…」


結局橘さんの言われるまま耀君と椎凪さんが暮らすマンションにやって来た。