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耀くんは時々オレにすごく甘える時がある…

「 んー椎凪… 」
「 耀くん。 」
そう言って何度も何度もオレにキスしてくれるんだ…
耀くんからキスして くれるなんてあんまりない…常にオレが耀くんにキスを求めるから。
「んー…」
オレに抱きついて胸元にキスをしてくれる…
軽いキスだからすっごくくすぐったい… 今は頬ずりに変わった…
「 んー…キモチいいー… 」
耀くんが安心しきった顔で目を閉じたままオレに頬を摺り寄せる。
絶対抵抗しちゃいけない。耀くんの 好きな様にさせてあげる…
今度はそのまま上に上がってオレの首筋と耳元にキスをしながら舌を這わせてる…
耀くんを片手で抱きかかえながら…少し感じ始めるオレ…

今まで女の子にそんな事されても感じる事なんて無かった…
耀くんにされるとこんなに自分が感じるなんて初めて知った…

どんどん耀くんはエスカレートする…
今度は反対の首筋と耳元にキスをし始めた…
チクリと首筋が疼いて…あ…キスマークを付けるつもりらしい…
ずっとオレの首筋に耀くんの唇と舌の感触が当たって… 暖かくて…柔らかい…
ちょっと満足したのかオレの事を上目ずかいに見つめてる…
オレも見つめ返す…照れた顔が可愛いったら…
それからオレの顔を両手で挟んでキスを してくれる…
「椎凪ぁ…オレの事好きぃ…?」
トロンとした甘ったるい声でオレに訊ねる…
「好きだよ…当たり前でしょ。」
「本当?」
「本当!」
「オレも大好き。好きだよ…椎凪…」
オレは返事の代わりにニッコリと微笑んであげる。

耀くんにも理由は解らない…でも無性にオレに甘えたくなるらしい…
オレは大歓迎だけどね…でもオレに抱いて欲しいわけじゃない…
今は背中に何度もキスをしてる…そこは胸元と一緒に耀くんの好きな場所だから…
耀くんはオレの身体で 遊ぶ…オレを感じさせたいとかそんなんじゃない…
自分の気が済むまで『オレ』で遊んでるだけなんだ…だからしばらくすると…
「椎凪…椎凪…」
そう言って オレに抱きついてオレの胸に顔を摺り寄せてくる…
だからオレは優しく頭を撫でてあげる…
「大好き…椎凪…大好きだよ…」
満足気な声でそう言ってくれる。
「愛してるよ…ずっと耀くんだけを…愛してる…」
だからオレも答えてあげる…
「…………zzz… 」
「あれ?寝ちゃったの?耀くん?」

いつの間にか静かになって…最後はいつも安心して寝ちゃうんだ…
無意識にいつも心に負担を 抱えてる耀くん…きっと知らないうちに無理してるんだ…

でもきっとこれで心のバランス取ってるんだよね…耀くん。