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「 ちゅ… 」

自分の身体からそんな音がする…

「うっ……はぁ…はぁ…」

うー…もうやだ…どうして…こんな事に…なってんの…
息が…弾んでる…なんで?ここ…どこ…?
それに手が…両方とも彼に握られてる…
この肌に触れるこの感触は…2人共…裸…?

え…うそ…裸?何で??

あ!…酔った頭で理解した…私…ベッドで彼と裸でいるんだ…


「あ…もう…ヒド…イ…こんなの…イヤ…」

そう言いながら…抵抗しようにも…力が入らない…
視線を下ろすと目の前に彼の頭がある…
彼が動く度に軽く髪の毛が私の身体に触れる…
くすぐったい…それにしても何だか柔らかそうな髪の毛…
って今はそんな事考えてる場合じゃ…

「ごめんね…でもオレチャンス逃さない性質 だから…くすっ。」

そう言って…きっと彼の…舌…だと思うんだけど…あったかいモノが私の胸の上を滑る…

「…あ…ン…」

勝手に声が出た…さらに酔いが回って…頭が ボーっとしてる…
眠りそうな意識を必死に繋ぎとめてる…

「初めてなのに…こんなの…ヒドイ…んっ!…」

また彼が私の身体の何処かに触れた…それだけなのになんでこんな声が出ちゃうの?
ぼやけた頭で文句は言えた…けど…私…こんな事初めてで……

「だってオレ君の全部の初めてになりたくて…それにちゃんと聞いたよ…抱いてもいいかって…」
「そーだけど…」

って…私…本当にOKした!?…OKしたの?
うそ…何で?記憶に無いよ…
男の人なんてイヤなのに…何かの間違い…誰か…ウソだって言って…

「これで君は…オレのもの…好きだよ…耀…」

耳元に囁かれた…囁かれて耳朶から背中にかけてゾクリとするものが走る…

「私は…ハァ…あなたの事なんか…好きじゃない…何とも思ってない!だから…やめ…て…あっ!」

彼が…私の首筋に歯を立てて吸い付いた…それだけで全身から力が抜けちゃう…も…やだ…

「しっ…もうお喋りは おしまい…これからが本番だから…喋ってると舌噛むよ。」

「え?…」

言われてる意味がわかんない…

「…はっ…!!…あっ!!」

力の入らない自分の足の間に彼がしっかりと滑り込んでた…
彼の身体がゆっくりと私を押し上げ始めて…ボーっとしてた 頭が一瞬だけはっきりした…

「……ちょっ…待っ……」

彼が握ってた私の手を更にギュッと握り締めた…
もう片方の彼の手はいつの間にか私の膝の下に入れられてて…軽く私の身体を持ち上げる…
それと同時に…自分の身体の中で何か感じ始めた…あ…うそ…これって……

「あっ!…やっ…いた…い…やめ…いやっ…こんなのいやっ!!」

仰け反りながらそうお願いしたのに… 彼はやめてくれない…

ゆっくりだけど動き出して…優しいけど深く深く私に入ってくる…

「んん…!!ああっ!! 」

彼の背中に思いっきり爪を立ててしがみ付いた… 片手はずっと彼が力強く握ってる…
だって…痛くて…違和感で…変な感じで……耐えられない!!

「 ……… 」

何かを言いかけて…強引に彼のキスで…口を塞がれた…

「…ふ……う…ンン!!!」

彼はずっとそんなキスを繰り返して…私の声を飲み込んでいく…

口を塞がれたまま押し上げられて彼の背中に廻した腕だけが必死に彼に抵抗する…
でも…そんな私の腕も彼に掴まれてベッドに押さえつけられて…
あっけなく全ての抵抗を塞がれた…

そんな抵抗出来ない私を…彼はずっと抱き続けて…離してくれなかった…

身体が勝手に揺れる…身体が勝手に彼を受け入れていく……

いつの間にか彼の背中を両手抱きしめてた気がする……

彼のキスを自分から受け入れてた気がする…

でもそれは夢の中での出来事の様だった………





「…ん…」

眩しくて…目が覚めた…
身体を起こして…あれ?何だっけ…
記憶が…昨夜どうしたんだっけ…?えーと…それにここ…何処?
そんな事を 考えていると…スルリと布団が身体から落ちた…裸の胸が…

ん?…ハダ…カ?裸…って

「 !! 」

彼の顔が浮かんだ…
そ…そうだ…酔いが回って… 倒れて…なんか…抵抗する間も無く…あの人と…うそ…

こんな…簡単に…初…体験…?男と?男の人と??男の…人と…!?

「お!目覚めた?おはよ。コーヒー飲む? それとも先にシャワー浴びる?」

恐る恐る声の方を向くと既にシャワーを浴びた彼が片手にコーヒーを持って立っていた。
そのままベッドに座る…私は慌てて布団で身体を隠した…

「こ…ここは?」
「オレんち。 昨夜の事…憶えてないの?」
「お…おぼろげに…」

出来れば全て忘れたい!!

「まあ…酔ってたしな…でも…すっごく良かったよ。酔ってたけど君もすごく 感じてたし。」

ニッコリ笑う彼…私は自分でも分かる…きっと顔が真っ赤だろうって…
良かったとか…感じてたとか…そんな感想いりませんからっ!!

「しっ…知りません!帰りますから…服!どこですか?シャワー浴びたらすぐ帰ります!!」

もう…自分でもわけ分かんなくなってる…

「今回の事は…私としては… は…本意じゃありませんので…忘れて下さい。
まぁ…ス…ストーカーのお礼と言う事で…」

って…払い過ぎだと思いうけど…
私は一気にそう言うとシャワーを 浴びようと掛け布団ごと立ち上がった。
ん?…その時…視界の端に…何か…

「  な っ !!! 」

シーツに…初めての…証拠が…っっ!!!

「 いやあああああっっ!!!! 」

「うおっ!」



私は一瞬で シーツを剥ぎ取ると…浴室に逃げる様に駆け込んだ…