betubanasi part 5

 * 今回のお話は椎凪達が高校生のお話。
 椎凪と耀を一緒に通わせてあげたかったのと全員を一緒にいさせたかったので…
 このお話基本は本編のままですが多少 違いますのでご説明を…
 椎凪 : 高校三年生。(キツイか?)性格・過去設定は本編通り。本編程過去は引きずっていません。
 耀 : 高校一年生。トラウマ有り ですが既に右京によって治療済み。そのせいもあり本編より幼い性格設定になってます。
 今回は始めの方から耀は椎凪LOVEです。 祐輔 : 高校三年生。耀との関係は 本編通り。耀とはとても仲が良い。
 慎二 : 23歳。本編のままです。本編では椎凪より年下なので『さん』呼びなのですが今回は慎二の方が年上…
 でも違和感ありまくりなので本編通り『椎凪さん』と呼ばせてます。
 右京 : 28歳。本編のままです。既に耀の親代わり。なので耀の事は溺愛。
  本編とは違った椎凪と耀の恋愛話。どんな感じでしょうか?本編と被る所も多々ありますが…
 別話編なのでイラスト付き(あえて大人キャラ)  どんな事があっても2人は付き合う!これ基本です!! *
    


10


いつもの夕食…秋の気配も深まってお鍋の美味しい季節になった。
テーブルの上には携帯コンロの上で程よく煮込まれたお鍋が美味しそうに出来上がっている…
「ふふっ…椎凪風お鍋出来上がり。」
オレはその出来上がりに至って満足気に微笑んだ。

「ご飯出来たよー」

2階の部屋に向かって声を掛けた。
直ぐに部屋のドアが開いて一番に下りて来たのはやっぱり耀くん
「わーお鍋だぁ…美味しそうな匂い…」
ニコニコしながら席に着いた。
「耀くんたくさん 食べてね 」
「うん!」
よし0K!
「鍋?」
階段を下りて来た右京君が不服そうな声を出した。
「なんか最近多くないか?そう言う系…」
祐輔までも階段を下りながら不満そうな声を出す。
「確かこの前はおでんでその前はスキヤキ…」
席に着きながら右京君が更に続ける…
「この季節そう言うのが 美味しいんだよっ!人数多いんだから一石二鳥だろっ!!」
正論で対抗した…が…

「オレあんま鍋好きじゃねーんだよな。」

祐輔までもが席に着き ながら文句を言う。
「祐輔好き嫌い言わないっ!!」
一喝入れた。
まったくガキじゃあるまいし好き嫌いあり過ぎなんだよっ!!

「手抜きだね。」

右京君がボソリとでもしっかりとオレに聞える様に言う。
「右京君!手抜きじゃ無いからっ!!ちゃんとダシだって気を使って…」
思わずムキになって来た!
「まぁまぁ…」
慎二君が割って入る。

「我慢して食べましょうよ。折角作ってくれたんですから。」

「  !!  」

ヒドイっ!!慎二君… 我慢して食べるのかっっ!!
あーそうかいっ!わかったよっ!くそっ!!

ガ シ ャ ン !!

「あ…」
耀くんが短く声を出した。
「…………」
オレが思いっきり鍋の蓋を乱暴に閉めたから。

「 だったらテメーら食うんじゃねーーーーーっっ!! 」

頭来たっ!!フザケんなっっ!!
どんだけ手間隙かけて作ってると思ってんだっっ!!コンチクショウ!!
まぁ耀くんの為に一生懸命作ってるんだけど…
一応お前らにだって合わせて作ってやってる だろーがっ!!

「ふん…この位でキレてんじゃねーよ。」
祐輔がオレを呆れた眼差しで見つめながらほざいた。
「ほお…食うな?」
右京君までもが 呆れた様に口を開く。

「食事の支度でお金貰ってるクセに僕達に食べさせないなんて。職務放棄かい?」

横目で言われた…くーっっムカつくっ!!
まったく…あー言えばこう言うし…



5分後…
全員が鍋を囲み黙々と食べてる。
耀くんは満足気で ニコニコして食べて
くれてる。
他の3人も結局食べ始めた。

「お前ら…結局食べるんだったら
最初っから文句言わずに食えっっ!!」

そんな事が毎日の様に 繰り返される…
オレに反抗してそんなに楽しいか…?
貴様ら…





その日は前もって右京君がいない事は分っていた。
右京君は週の何日かは 自分の屋敷に戻る日がある。草g家の当主は忙しい身だそうだ。
耀くんの為になるべくこっちで過ごす様にしているらしいがやはりどうしても無理な時がある。
でもだからと言ってオレの生活のリズムが変わる訳じゃ無い…でもその日は違っていた。

「祐輔は?」
「ああ…学校の帰りそのまま深田先生の所に寄って行く って。」
夕飯時…慎二君が聞いて来た。
テーブルには3人で食事を取ってる。
「まあ泊まる事は無いですからね…でも祐輔も携帯活用してくれないですかね…
滅多に出ないし掛けてもこないし…まったく…」
「携帯嫌いだって言ってたからね。」
「ホント…」
慎二君が溜息をついた…きっとその事で苦労させられてる んだろう…
「 ♪ ♪ ♪ 」
「あっ…」
その時慎二君の携帯が鳴った。
「はい?…ああ…うん…」
何分かの通話のあと慎二君が困った様な顔をして 携帯を仕舞った。
「僕これから出かけなくちゃいけなくなって…多分今夜は帰って来れないと思います。」
「あ…そう?大変だね今からなんて。」
「仕方ないですね…仕事関係でトラブったらしいですから…」
へぇ…ちゃんと仕事してたんだ…思わず感心してしまった…
右京君と慎二君は仕事してないと思って たから…
「で…その前に…椎凪さん…ちょっと…」
「ん?」
オレだけ廊下に呼ばれた。

「なに?」
「一応念を押しときますけど…いいですか?椎凪さん!
祐輔が帰って来るまでいくら
2人っきりだからって取り返しの つかない事したら…
分ってますよね?」
もの凄い接近されて凄まれた…
目が据わってるんですけど…
「いいですか…耀君嘘つけませんから
何かあると 直ぐ分かりますからねっ!!
耀君に内緒は無理ですからっ!!」
「はぁ……」
「だから…耀君に淫らな事したら…
直ぐにバレて僕達の 制裁が待ってますからね!
その後この家に居れるなんて思わないで下さいね…
即出てってもらいますからっ!!分りました?
椎・凪・慶・彦・さんっ!!」



うげっ!!フルネームで呼ばれたっ!!
言ってる事の言葉の重さを認識させられてる気がする…!
「わ…わかってるって…」
一応返事はしといた。
理性が勝てば多分平気だろう…けど!若い2人のしかも恋人同士一つ屋根の下…保障は出来ない…
「じゃあ耀君行って来ますね。いいですか?椎凪さんに何でも『いいよ』 なんて返事したらダメですよ!」
「うん。わかった!いってらっしゃい。」
にこやかに微笑んで慎二君を見送ると耀くんがオレに振り向いて首を傾げる。
「慎二さんの言ってた事分る?椎凪。」
わぁ…またまた耀くんの天然炸裂…!
「えっ!?ああ…さぁ…何だろうね…?」
惚けてしまった。
「まっいいか? くすっ…ねぇ椎凪ケーキ食べようよ。今日学校の帰りに買って帰っただろ?
オレずっと楽しみにしてたんだ 」
耀くんが嬉しそうにオレの腕を引っ張りながら リビングに戻った。
思わず時計に目が行く…今の時刻は8時半過ぎ…
祐輔は夜中まで帰って来ないから…これからの残された時間をどう有効に使おうか
頭の中でシュミレーションしてる自分がいた。


「椎凪弱いっ!!」

耀くんとTVゲームで対戦中。
耀くんは何故かゲームに強い…何度やっても勝てない。
変に悔しさが込み上げて思わずムキになってしまった…
気付けばもう時計の針が10時を廻ってる…
げっ!しまったっ!無駄な時間過ごしたっ!!もったいねーっっ!!
後悔しても過ぎた時間は戻って来ない!
「あっ!もうこんな時間…」
時計を見つめてたオレに気付いて耀くんも時計に目が行く。
「オレお風呂入ってくるね。」
2人でゲームを片しながらダメもとで言ってみる事にした。
「耀くん…大風呂で…いっ…一緒に入る?」
思わずどもってしまった…何なんだ…しっかりしろっ!!
「 ! 」
耀くんがキョトンとした顔をした。何だ?怒った?
「やだなぁ椎凪。恥ずかしいからやだよっ!!もーふざけないでよ。」
ニッコリ笑われて完全に 否定された。
「じょ…冗談だよ…やだなぁ…冗談に決まってるでしょ?耀くん…」

はぁー…ホント純粋すぎて…
オレが下心あるなんて…コレっぽっちも思って ないんだよな…耀くんは…余計手が出せねー…
だから耀くんに惚れたのか…?こんな気持ちにさせるなんて…耀くんが初めてだもんな…

耀くんがお風呂に入って 直ぐに珍しく家の電話が鳴った。
「はい。」
『オレだけど…』
「祐輔?」
『今日やっぱ和海んトコに泊まってく事にした。じゃあな。』
さっさと自分の 用件だけ言ってすぐ切れた。
全く…せっかちだな…ん?待てよ?っと言う事は…

今夜は耀くんと2人っきりっっ!!うそ…こんな状況って…
きっと一途で ひたむきなオレに神様がご褒美をくれたんだ…
数々の嫌味やイジメに耐えて来た甲斐があったよ…喜べオレっっ!!

もう落ち着いてなんかいられなかった…
頭の中でこれからの事を計画する…
素直に「今夜は一緒に寝よう」って言ったら…耀くんは頷いてくれるのか?
恥ずかしいって言って断るかな?
でも一緒に 寝た事なんて何度かあるし…別に問題ないか…うーむ…悩む…
何だかんだと悩んでると耀くんがお風呂から出て来た。
「祐輔遅いね。」
石鹸の匂いが仄かに 漂ってくる…濡れてる髪…淡いピンクに染まった頬…
うわぁ…そそるんですけど…
「今日は深田先生の所に泊まるんだって。さっき電話があった。」
何て言う かな…耀くん…
「え?そうなの?なんだ…
じゃあ今夜は椎凪と2人っきりだね…初めてだね。2人っきりなんてさ。」
「そ…そうだね…」
ヤバイ…自然に… そう…自然に振舞わなくちゃ…
「耀くん…もし良かったら一緒に寝る?皆いなくて心細いでしょ?」
「そうだね…そうしよっかな…」

よっしゃっ!! OK!!後はベッドに入っちゃえばこっちのもんだもんね!!


「シャワー浴びてくるから寝ないで待っててね!」
耀くんは一度寝ると滅多な事じゃ起き ないから念を押しとく。
流石に寝てる耀くんを抱くのは遠慮したい…ってか抱けないから…
「うん…わかった。」
疑う事を知らない耀くんが素直に頷いてオレの ベッドに潜り込んだ。
手早くシャワーを浴びて速攻あがった。
ベッドでは耀くんが本を読んで待っててくれてた。

「椎凪と寝るの久しぶりだね。」
ニッコリと笑う。
「そうだね…」
微妙に心が痛むのは気のせいか…?
オレの下心なんてこれっぽちも感じてない耀くん…
心臓が…ドキドキ…バクバク…耀くんに 聞えて無いよな…
「あふ…ねむ…」

耀くんが眠そうに目を擦った…
ヤバイ!!おねむの体勢に入っちゃう…どうする?オレっっ!!

「よっ…耀くんっ!!」
「ん?」
バカみたいに叫んでしまった…ウブなガキじゃあるまいし…
何人の相手としたと思ってんだよ…オレ…
「お…おやすみのキスしよう!」
「うん…いいよ。」
取り合えず時間延ばしだ…これで耀くんをその気にさせればいいんだな…よし!

……… ちゅっ…
深い深いキスをした…こう言うキスは 滅多にしないから耀くんが緊張してるのがわかる…
「…ん…あ…椎…凪…くるし…息…出来ない…よ…ん…」
「じゃあ上手く息出来る様に…今から練習しよう…」
「…練…習?…あ…ふ…」
どの位…そうしてたんだろう…

練習も何も…思いっ切り耀くんの舌を絡めて…吸って…離さなかった。

「…ハァ…あん…椎凪…ハァ…もう…」
耀くんがギブアップらしい…仕方なく離れると…耀くんの息が弾んでる…
顔も仄かに赤い…少しはその気になってくれたかな?
「ねぇ…耀くん…」
「ん…?」
「抱いて…いい?」
耳元で囁いてみた…どうするかな…耀くん…
「え…?」
潤んだ瞳がオレを見上げた…OKとみなした!!
「あっ…」
「耀くん…」
有無も言わさず耀くんをオレの下に組み伏せてパジャマのボタンに手をかけた。

「し…椎凪…何…してるの?オレボタン掛け違えてた?」

「………」
オレはこの期に及んでもオレの事を信じてる耀くんを見つめてしまった…
参った…降参だ…

「ううん…何でもないよ…さあもう寝ようか?」
そう言って パジャマのボタンから手を離した。
「………」
耀くんがジッとオレを見上げて何か言いたそうだ…
「…ん?」
「椎凪…さっき…『抱いていい』って聞いたよ ね…?」
「へっ!?」
ヤベっ…そう言えばそんな事口走たな…しっかり聞えてたんだ…まあ耳元で囁いたし…
「い…いや…さっきのは忘れて!気にしなくて いいから…ね?」
慌てて否定した…
「……いいよ…」
「は?」
聞き間違いか?
「それって…恋人同士なら…好きな人とならする事なんでしょ?」
「…耀くん…」
「いいよ…椎凪なら…オレ…平気だもん…ちょっと怖いけど…」
耀くんが微笑んでオレの胸に手を伸ばした…


「オレ…どうしたらいいの…?」

裸でうつ伏せの状態で首だけオレに向いて照れながら耀くんがオレに聞く…

「オレに任せて…耀くんはオレのされるがままにしててくれればいいから…」

言ってる間にも耀くんの背中にキスをした…
綺麗な肌…さっそく何箇所かオレの印を付けた。
「…あ…やん…椎凪…くすぐったい…よ…」
くすぐったがる耀くん を仰向けにして同じ顔の位置にまで這い上がった…
深いキスをしながら…片手で耀くんの身体を確かめていく…
オレの手にしっくりくる肌…
華奢だと思っていた 身体は思いのほか確かな弾力を持っていた…
耀くん着痩せするタイプだったんだ…
じっくり時間をかけて耀くんの身体を解していく…
耀くんはオレの言葉を守って 抵抗せずにギュッと瞼を閉じて
徐々に緊張が解けて行くみたいだ…

「耀くん…好きだよ…愛してる…」

そんなオレの囁きに少しだけ目を開けてニッコリ 微笑んでくれた…
それからもオレは耀くんの身体の隅々まで堪能して解していった…
途中『恥ずかしい…』って言ってたけどそれは無視した…
オレは耀くんの 全てを知りたいんだ…

指で耀くんの身体がオレを受け入れられる事を確認して
閉じられていた脚を膝で割って滑り込んだ…
でも…触った感じ結構キツそうで… 大丈夫だろうか?流石処女だ…
一抹の不安を抱きながら耀くんが逃げない様に両腕でしっかり捕まえて抱え込んだ…


 「…ハァ…ハァ…椎…凪…?うっ…ああっ!!」

 「耀くん…」

 「やだっ…椎凪…痛いっ…あっ…」

 逃げようとする耀くんをしっかり 捕まえて

 強引に押し上げた…

 「……んんっ!!!…うあ…あっ…」

 耀くんがギュッと目を瞑ったまま

 痛みを堪えてる…

「…痛い?耀くん…」
「はぁ…はぁ…」
潤んだ瞳でオレを見つめる…オレを…責めてる?
「…椎凪…熱い…」
囁くような耀くんの声…
「…それは… 嬉しいからかな…」
「嬉しい?」
「そう…耀くんの身体がオレのモノになったんだもん…ずっと…こうしてたい…」
オレの身体で耀くんを包み込みながらそう 言った。
「………」
可愛い…潤んだ瞳から今にも涙が零れ落ちそう…
淡いピンク色に染まった頬に…微かに開いた薄紅色の唇…全部オレのモノだ…

ギ シ ッ !

「ひゃっ…え?チョット待って…やっ…椎凪…動くの?」
もの凄く耀くんが慌ててる。
「くすっ…普通動くよ…」
「えっ!?む… 無理っ無理っ!!今で精一杯…動いたらオレ耐えられないっ!!」
「大丈夫…痛いのは初めだけで…すぐ慣れるよ…」
「ええ?どうしてそんな事わかるの? 椎凪女の子じゃないじゃんっ!!」
耀くんが必死な顔になり始めた。
「んーーー…勘?」
「えーっ!!勘…?」
「じゃあすぐ慣れるか試させてあげる…」
「…っ…あっ…あっ…」

最初は…一応気を使って優しく攻めた…
でもそんな事は直ぐにオレの頭の隅から消えて…いつもと同じ様に攻め始める…
何となく耀くんの『やめて』って言う声が聞えた様な気がしたけど…
そんな事を言う口を速攻オレの口で塞いだ。
そんな事を言えなくなるまで舌を絡ませて 声を塞いだ…
しばらくして離した時にはそんなセリフは聞えずに…耀くんの甘い喘声が漏れてた…
それから朝まで耀くんを抱き続けた…
きっと無理させてるって わかってたけど…オレは止める事が出来なかった…


次の日の朝…遅い朝食を2人で取った。
その時発覚!耀くんの態度が明らかに不自然!!


オレと目を合わせないしずっとモジモジと

恥ずかしそうにしてるし…

バレバレ?何より色っぽくなってる…

ヤバイ…これって…マジやばい…
速攻バレる…

何とかしないと…

オレ…
この家から叩き出されるかもっっ!!



オレのものにしたくて… だから後悔はしてないけど…最大の難関が…
オレ…死ぬかも…どーする…どーするっっ!!

こうなったら先手必勝!
夕べ無理させたせいで耀くんは 朝ご飯の後から暴睡中。
その間に帰って来て慎二君の淹れた紅茶を飲む右京君の前に勇気を出して立った。

「 右京君!オレ耀くんと結婚したいっ!! だから婚約させて!! 」

言ったモン勝ちだ!

「 「  はあ? 」 」

2人は何を言い出すんだとばかりにオレを凝視して動かない。
「何を寝ぼけた事言い出すんだい。そんな事許すわけないだろう?
まぁ耀がハタチになってその時でも君の事が好きだって言うなら…」
溜息交じりでかったるそうに 返事をかえす右京君…

「 夕べ…オレ達愛し合ったっっ!!責任とってオレが耀くんをお嫁さんにする!!だから… 」

もう何も構ってなんかいられない… 邪魔される前に一気に叫んだ!

ゴ バ キ ッ !!!!

問答無用で右京君と慎二君の怒りの鉄拳が同時にオレの顔面にヒットしたっ!!


「 ハ ッ !! 」

目が覚めて…心臓ドキドキのバクバクの冷や汗タラタラだった…
「へ?…なんだ…夢…?」
どうみてもベッドの中…顔を両手で触りまくって調べたけど殴られた跡は 無い…
横を見ると耀くんがスヤスヤ眠ってる…なんだ?やっぱ夢…か?
あまりにもリアルな夢で…夕べの記憶を辿る…
確か…耀くんのパジャマのボタンを外そう として…結局出来ないまま寝たんだっけ…
ああ…あまりにもオレの欲望が強過ぎて…あんな夢見たのか…はぁ…

オレは力が抜けて溜息をついた…
こんなチャンス…滅多に無かったのに…オレとした事が何て甘いんだろう…
優しく耀くんの唇を親指でなぞる…耀くんはグッスリ眠ってて起きる気配はない…



今からでも遅くないか?

そんな事を思いながらオレを信用して

安心しきった顔で寝てる耀くんに

そんな事出来るわけも無く…

さっきまで見てた自分の夢で我慢しとくか…




いつか正夢になってくれる事を願いつつ…
耀くんを抱き寄せて オレもまた眠りについた…