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 * 無理矢理な場面があります。ご注意を!! *


今から5年前……
オレと一唏は親に見捨てられて施設で暮していた。

母親は外に男を作って家に帰らなくなって父親と離婚。
母親が出て行った後父親もいつの間にか家に戻ってこなくなり異変に気付いた近所の人が
警察に連絡してオレ達は保護されて施設で世話になることになった。

そんなある日『水上』という大層な金持ちがオレと一唏を引き取りたいと言ってきた。
施設の連中は大喜びでオレ達を送り出した。

オレは相手が金持ちだから嬉しかったわけじゃない……一唏も一緒に引き取ってくれたからだ。
ふたり一緒なんて絶対無理だと思っていたからそれだけは水上に感謝してた。

でも……それは大きな勘違いだと分るのに時間はかからなかった。

引き取られたその日の夜……話があると起こされて応接間に呼ばれた。
オレと一緒のベッドに寝てる一唏はぐっすり眠ってる。
オレは起こさないように静かにベッドを出て言われたとおり応接間に向かった。

遠慮がちに開けたドアから中に入ると部屋には誰も居なくて仕方なくソファに座って待っていた。

5分くらいそうしていただろうか?入り口のドアが開いて知らない男が1人入って来た。
身なりはキチンとしててなんだか偉そうな印象だ。
水上のお客だろうと思った。
でも座ってるオレの横に立つとジッとオレを見下ろしてる。
一体何の用なんだろう?そう思って水上はまだ来ないと言おうとした瞬間
いきなりそいつがオレをソファに押し倒した!

オレはビックリして暴れて逃げようともがいた。
でも大人のガッシリした体格で押さえつけられて敵うはずもなくただその男の下でもがくだけだ。
もがいてる間にその男はあっさりとオレの両手掴んで頭の上に押さえ込むと両手から
片手に持ちかえて空いた手でオレの身体をまさぐり始めた。

一瞬で身体全部に鳥肌が立った。

ヤバイ……頭の中にその言葉が飛び込んでくる。

目の前にある男の顔は薄っすらと上気してて息も浅く荒い。
興奮してるのが手に取るようにわかる……
その興奮する対象が何であるかもオレは今イヤと言うほど自分の身体で感じてる。

恐怖で息が詰まるそんなオレの視界にオレ達を引き取ってくれた水上が映った。
微かに微笑んでるように見えるのはオレの気のせいか?

「助けて!!」

オレは内心ホッとした。
これで助かる……逃げられる……そう思った。
でも覗き込んで来た水上の顔はなぜかニッコリと笑ってた。

「暴れないでおくれよ。大事なお客様なんだから。君にはこの為にここに来てもらったんだから。くっくっ」
「え……?」
「色々な施設を回ったんだよ。なかなか気に入った子がいなくてねぇ……やっと君を見つけたんだ。
その容姿に身体におまけに足枷になる弟までいた。おあつらえ向きだったよ」
「………」

何のことを言われてるのか分らなかった。

「君にはこれから私の会社の為に役に立ってもらうよ。もうお金だけじゃ満足して頂けない方もいてね。
その方の相手を君にしてもらう。」
「……や……嫌だ……」

オレは首を横に振った。
それがどんなことかオレにだってわかる。

「それは困ったな……じゃあ弟に君の代わりをしてもらおうか?そういうのが好みの人もいるんだよ。
いいのかい?それでも」
「………なっ!!」

一唏に?一唏相手をさせるって?
あんな小さな子供なのに?

「君が黙って引き受けてくれれば弟の将来は保障しよう。弟には手を出さないよ。どうだい?
君が黙ってちゃんと相手をすれば君だって何不自由のない生活が出来るんだ。
いい話じゃないか。逃げようとしても無駄だよ。弟はもう別の所に連れて行った。
君がちゃんと仕事をしてくれれば時々弟に会わせてあげよう」

そう言うと水上はニンマリと笑う。


騙されたんだと……その時理解した。

コイツは……オレ達を商売をする為の道具の一つとして引き取ったんだ。

悔しかった……今すぐここから逃げ出したかった。
でも一唏がコイツらに掴まってるならオレは……


水上はまたニンマリといやらしく笑うと今でもオレの上に馬乗りになってる男と
視線を合わせて小さく頷いた。
そして黙って部屋から出て行った。

「初めてか?これは貴重な瞬間だな。ふふ……大丈夫なるべく優しくすように努力しよう。
約束はできないがね」

言いながら両手を掴んでいない手でオレの頬をゆるりとその男は撫でた。

「ちょっとくらい反抗してくれたほうが楽しいのかね?どうだろう……くっくっ」
「ふっ……うっ……」

いきなり口を塞がれて舌を絡められて吐き気がした。
執拗にオレの唇と舌をその男が貪る。
そんな行為が延々と続いてクチュクチュと舌を絡める音が部屋の中に響く。

やっとオレの唇を放した男はそんな行為だけで興奮したのかさっきよりも息が荒くなってた。

でもオレは……そんな男を見て自分の意識を深い深い暗いところに押し込める。
もう抵抗する気もなかったから男はオレの腕を放してオレの着てた服を
両手で引き剥がすように脱がしていった。

オレはソファに押さえつけられて男にされるがまま……
そのときから自分の時間が止まってしまったようだった。


やっと解放されたときはもう外が明るくなり始めてて……心も身体もボロボロだった。

重い身体を引きずってふたりの部屋だったドアを開けると

ほんの数時間前まで一緒に寝てたはずのベッドに一唏の姿はなかった。