01





* 途中軽〜いR15のお話がちょっとだけあります。隠してませんのでご注意を…



「ハルキ〜〜〜 ♪ 」

ド カ ッ !!

「ぐふっ!!」

名前を呼ばれて振り向いた途端真白がオレ目掛けて激突した。

ど さ っ !!

「にゃっ!!」
「イテっ!!」

2人してキッチンの床に倒れこむ。

「ハルキどうして?」
「まぁ〜しぃ〜ろぉーーーー!!!」
「ん?」
「ん?じゃない!!何度言ったらわかるんだよ!お前はもう飛べないの!
いきなりジャンプしてオレに抱きついても前みたいにはいかないんだよ!」
「あ!そっか!!へへ…忘れてた。」
「ったく…」

真白が「人」になって3日…
こんな会話をしてるがオレは真白に告白して一線を越えて…
次の日に指輪を買いそのまた次の日には入籍してしまったと言う…
だから今日は新婚1日目になるのか?

どうやらオレは真白の事が可愛くて好きで仕方ないらしいんだな…

でもそんな素振りを真白に見せるとまた何かとうるさいから
前と変わらない素振りを通してる。

だか…早々そんな事も限界が来る。


「ハルキ……あっ…」
「真白……」
「うあっ……あっあっああん!!にゃっ……ハル…キ!!」

真白を抱いた時のこの感じ始めた真白の猫声がオレのツボにハマッてるらしく…
そんな声を聞きたい為にこんな事に不慣れな真白を攻めてはオレは満足してる。

「ハルキ…ちゅっ…くちゅ…んっ…」
「ン……真白……」

人になった真白とのキスは猫だった時のキスと同じ様にオレの頭の中を真っ白にする…

「真白…」
「ん?」
「今度の土曜日出掛けるからな。」
「え?どこに?」
「………オレの実家。」
「じっか?」
「んーオレの父親と母親が住んでる所。」
「えっと…ハルキのお父さんと…お母さん?」
「そう…あと弟がいる。」
「おとう…と?」
「オレの兄弟。わかるか?」
「んー聞いた事はある。一緒に暮らしてる人でしょ?」
「まあそうなんだが…ちょっとニュアンスが違うんだが…とにかくオレの家族。」
「うん。家族ね!」
「…………」

未だに真白に話をするのは一苦労で…
イチイチ説明を要する事がある…

日常生活で必要な言葉は自然に身に付いてるらしいが自分の使わない単語は
イマイチ理解してない言葉もまだたくさんあって…もう少し時間が掛かりそうだ。

まあ「人」になってまだ4ヶ月ちょっとだもんな…
これでも良く喋れる様になった方だ…テレビのお蔭か昼ドラのお蔭か…


「あら新婚さんおはよう。」

会社の廊下でニヤニヤと笑ってる米澤に声を掛けられた。

「新婚は余計だ。」
「だって〜まさかこんなにサッサと先に進めちゃうなんてね〜
大体真白ちゃん「結婚」って言う事自体理解してないんじゃないの?」
「いいんだよ。真白にとってそんな事は問題じゃ無いんだから。」
「え?」
「オレと一緒にいれればそれだけで何も問題は無いんだから。」
「や〜だ〜風間君ったら〜〜〜ふふふ…」
「な…なんだよ…その笑い!」
「だったらそんな急いで籍なんて入れなくて良いじゃな〜い。
なに?そんなに自分のモノにしたかったの?風間君〜〜♪」
「勢いもあったけどな…それとケジメか?」
「ケジメ?」
「なんせあんな始まりで元は猫だぞ…その後オレの決断で人になって…
オレも覚悟決めて一線越えたからちゃんとしたかったんだ。」
「へ〜と言う事は最初っから真白ちゃんとは結婚しようと思ってたのね?風間君。」
「まあな…」
「ふ〜ん…」
「ただ…そのツケが今頃廻ってきた。」
「え?」
「真白の事ウチの親に何も話してないんだよ。まあ最初は話せないの当然だったけど…
まさか結婚までしたのに親に内緒って訳にはいかないだろ?」
「まあ…そりゃそうね。」
「だから今度の週末に真白を連れて行く事にしたんだ…」
「へぇ〜〜」
「なんだけど…無事に済めば良いんだけどさ…」
「え?」

「あの真白だぞ…変な事言いださなきゃいいんだけど…」

「…………」

米澤が声を殺して肩で笑ってる。

「何笑ってんだよ!」
「くっ……が…頑張って…ね…くっくっ…」
「言われなくても頑張るよ!!」

その後米澤はしばらく肩を震わせて笑ってた…
きっと真白がオレの家族と対面したのを想像して笑ってるんだろう…


「いいかとにかく余計な事は言うな。」
「うん…わかった…」

金曜の夜…ソファに座って真白に明日の復習だ。
人になる前と同じ様に真白はオレの膝の上に横抱っこで座ってる。
浮いてない分真白の重さをオレの身体に感じて…あったかい。

「オレが話すから真白は頷いてるだけでいいからな。大人しいって事で通せ。」
「うん…」

とにかく真白には余計な事を話させないのが一番だ。

「………本当にわかってるのか?元は猫だったとかも言っちゃダメなんだぞ!」
「うん…ましろは遠くの田舎って所で育って今は皆死んじゃってましろ1人。」
「まあそうだけど田舎って所じゃなくて田舎。死んじゃったんじゃなくて亡くなった。」
「う〜〜ん……」
「大丈夫か?」
「ちょっと頭が痛い…」
「まあいいや…とにかくオレが話すから真白はにっこり笑ってろ。」
「うん。あ…そう言えば 「おとうと」 ってわかったよ〜 ♪ 」
「どうわかったんだ?」
「えっと… 「おとうと」 は「きんだん」の相手なの!」
「は?」

何言い始める??

「んっと… 「イケナイ関係」 ?」
「ちがーーーうっっ!!!また昼ドラか?」
「えーおかしいな…それにましろは 「おとうと」 に 「だめよ」 って言うんだよ。」
「はあ??」
「ましろのこと好きになっちゃうらしいよ。 「おとうと」 って…どうしよう!ハルキ!」
「オレの弟は真白を好きになったりしないから安心しろ。」
「え?そうなの?」
「そう…そんな事になったらオレが困る。」
「ハルキが困るの?じゃあましろちゃんとだめよって言うよ。」
「……そうだな…ちゃんと言ってくれよな…弟じゃ無くても…」
「え?」
「真白…」
「ハルキ……んっ…ちゅっ…ンン……ふぁ…」

膝抱っこしてる真白にキスをしてソファの上に押し倒す。

「は…ぁ……アン…ハルキ…」

真白の首筋に唇を這わせる…
ビクンと真白の身体が跳ねてオレの背中に廻してる真白の腕がギュッとオレを抱きしめた。

「明日出掛けるから今夜はしない…チュッ…」

真白の頬に唇を軽く押し付けながら耳元に囁いた。

「にゃ…え…しない…の?」
「!!」

潤んだ瞳と淡いピンクの唇と頬と浅い息と…

「ハルキ…」

オレの名前を呼びながら真白が自分の足の間にいるオレの腰に自分の足を絡ませた。

「真白…」

「ハルキ…好き……」

「!!」

本当に最近真白は覚えた言葉の使うタイミングをわかってる…

「明日しないからいいか…」
「そうなの?」
「多分…」


流石に実家に泊まってまで真白を抱く事は無いだろう。

そう自分に納得させて真白のパジャマのボタンに手を掛けた。