17





「くう……」

いつもより遅い時間に目が覚めた。
それでもまだ朝と呼べる時間…まどかは裸のままオレの隣で寝息を立ててる。

まどかと文香を比べたりはしなかった…まあ…多少想い出しはしたが…

裸で寝るなんて何年振りだ…って女を抱いたこと自体何年振りだって…
女?女の子か…このオレが女の子ねぇ…

「くすっ…」

思わず笑いが零れて…まどかに手を伸ばして頭を撫でた。

「今度18か…」

そう言えばまどかは進学だったか?就職だったか?はっきり聞いてなかったな…
此処に来た時から嫁に来たつもりなのか?やっぱりオレの嫁だよな…

12の時からオレの事が好きだったんだよな…

こんな関係になったのに何だが…こんなおじさんのオレでいいのか?




「ふぁ……ん?」

何だか布団の肌触りがいつもと違う…身体もなんかだるい…

「……ハッ!!そうだっっ!」

ガバッと跳び起きた!布団の中を覗くと素っ裸の自分の身体があった!
あれ?でも確かちゃんとパジャマ着て…

!!そうだ!あの後も大ちゃんが目を覚まして…

ってあたしが起こしちゃったんだけど…最初以上の激しさでした様な……

「ひゃ〜〜恥ずかしい!」

あたしどんな顔してたんだろう…あたしってば一体どんな声出してたんだろう…

「わっ!」

今更気が付いた!身体のアチコチにあたしが大ちゃんのモノだって言う赤い印がたくさん付いてた…



    大ちゃんあたしで満足…してくれたのかな………




「起きたのか?」

「うん…おはよう…」

「おはよう。」

大ちゃんは至って普通…何事も無かったみたい…

え?したよね?あたし達愛し合ったよね?ちゃんと身体が覚えてるもん…

でも大ちゃんはあたしを見もせずにコーヒー片手に新聞読んでる!


「大ちゃん!」

「 !! 」

バサッっと乱暴に新聞を奪い取った!

「何だよ?」

大ちゃんはコーヒー片手にちょっと驚いてる…それからあたしを見上げた。
テーブルのイスに座っててあたしはその大ちゃんの目の前に仁王立ちで立ってる。

「何でそんな素っ気ない態度なのっ!」

「は?」

「こんなに愛おしい恋人が起きて来たのに…抱きしめておはようのキスくらいしてもいいじゃない!」

あたしはものすごい剣幕!

だってゆうべはあんなに…あんなに……



「…………」

「ん?どうした?」

まどかが急に怒り出したと思ったら今度は急に真っ赤になって大人しくなった。

「もしかして…大ちゃんもうあたしに飽きちゃったの?」

「はあ?」

いきなり何だ?

「もう…一度したから…満足して…」

何深刻な顔して落ち込んでるんだよ…

「何馬鹿な事言ってるんだよ?愛おしい恋人ならまどかだって同じだろ?オレにするのが先。」

「え!?」

また悪戯心が芽生えた。

「まどか…」
「…………」

テーブルにコーヒーを置いてまどかの腕を引っ張ってオレの膝の上に向かい合う様に座らせた。

「…………」 「…………」

お互い無言で見つめ合ってる。
まどかは顔が何気に赤い…

「おはよう。まどか…」
「お…はよう…大ちゃん……ちゅっ…」

とんでもなくぎこちないまどかのおはようのキスだ。

「おはよう…ちゅっ…」

今度はオレからキスをしてまどかの両腕を掴んで自分の方に引き寄せた。

「…ふっ…んんっ!!」

思い切り舌を絡ませたらまどかがちょっと逃げた。
だから追いかけて更に舌を絡ませた。

「…大…ちゃ…」

ああ…マズイ…
身体が勝手にまどかを求めて動き出す…

「だから…素っ気なくしてたのに……」
「あ…大ちゃん……」

膝の上に座るまどかの多分ちょっと前に着たであろうパジャマのボタンを乱暴に外した。
お互い裸で寝てたんだからきっとそうだ。

最後まで外す前に肩に手を掛けてパジャマを引き下ろした。
下着を着けていないまどかの真っ白な身体が現れる…

ああ…今はオレが付けた赤い印が所々に散りばめられてた…

まどかの背中に腕を廻してもう片方は下から揉み上げる様にまどかの胸を掴んだ。

「…あっ…」

揉み上げたまどかの胸の先に口を付けるとまどかがピクンと跳ねる。
そのまま舌でしばらく遊んで最後にちょっとキツめに吸うとまたまどかがピクンと跳ねた。

しばらくまどかの胸にキスして…舌を這わせて…そのまままどかをテーブルの上に押し倒した。

「…ちょっ…大ちゃん…?」

「この前は出来なかったからな…」
「こ…ここで?」
「そう…ここで……まどかがオレをその気にさせるから…」

ホントにその通りで…今のオレはちょっと自分を押さえられない…
ほんの些細なまどかの行動と仕草であっという間にスケベな中年オヤジだ…

情けないったら…


「…んあ…大ちゃん…だめ…それ…ダメって言った…」

剥ぎ取る様にまどかのパジャマを脱がせてテーブルの上に裸にした。
昨夜と違ってちょっと気持ちが引いてるまどかの身体を潤うようにと
まどかの身体に伸ばした手はまどかの中に指を入れた途端両手で掴まれて阻まれた。

「今更だろ?昨夜も散々弄った…」
「…でも…ダメ……そこは…ダメ…」
「なんで?」
「……だって……汚いし…それに……恥ずかしい…」
「…汚くないし恥ずかしくない。」
「あたしは…恥ずか……やんっっ!!!」

言ってるそばから指を動かしてまどかを黙らせた。
これでも口でやるのはまだ我慢してるんだからこれくらい頑張ってくれ。

それに痛がるのは見たくない…

「あっ…あっあっ!!!大ちゃん…やあ…」

大分潤ったまどかの身体にゆっくりと入っていくとまどかがグンと仰け反った。

そのままちょっと強めに押し上げる…

「だ…いちゃん…」
「ん?」

何度目か押し上げられたまどかが潤んだ瞳でオレを見つめながら呟く…
そんな顔にまたそそられる自分がいる…

「なんか…力…入れにくい……」

「?」

まどかの身体はテーブルの上にあるが丁度お尻の半分くらいがテーブルから落ちてて
オレが押し上げる度に両足が中途半端に揺れてどうにも居心地が悪いらしい。

「オレの身体に足絡ませてろ…」
「え?」

わけが分からないって顔で聞き返された。

「こう!」

「ひゃっ!!」

オレがまどかの両足を掴んで自分の身体に巻きつけたらまどかが思いの外驚いた。

「こ…こんな恰好…やだ…恥ずかしいよ…」

「そんな事言ったらもっと恥ずかしい恰好になるけど?オレは別に構わんが…」

そうオレが両腕でまどかの両足を抱え上げててもいいしオレの肩に乗せてもいい…
でも今のまどかにそんなことしたらしばらくショックで立ち直れないかもしれないから止めとくけど…

今の恰好が嫌ならそうするしかない。


「いい…これで…」
「なら…続き…」
「あうっ!!!」

ぐっと押し上げてまどかの中に入り直したらまどかがとんでもなく仰け反った。

「?」

「今までで…一番奥まで…入った……やだ…凄い変な感じ……大ちゃん…」

「……後悔…してるか?」

オレはまた今更ながらの事を聞く…後悔してないのをわかってるのに…
その事をまどかに言わせたいのか……?

「ううん…するわけないじゃん…あたしはずっと大ちゃんとこうなる事を望んでたんだから…」
「なら…遠慮なく…」
「……うん…でも…ちょっとは加減してね…あたしまだ慣れてないんだから…」
「なるべく……」


そんな約束もあっという間にどこかに掻き消えて…
まどかがオレの身体にしがみつく力が強くなった頃ふとオレの脳裏に
今この状況でどうでも良い事が思い浮かんだ。

「まどか…」
「……あっ…あっ…な…に…?」

上下に揺れながらまどかが何とか答える。

「お前…進学?それとも就職?」

「……え?…何で…今…うあっ…そんな…質…問…?」

「いや…ふと思って…」

「就…職……」
「就職?」
「う…ん…」
「どんな仕事?」

聞いた事無いよな?

「永久…就職……」

「は?」

「あ…だめ…大ちゃん…止まらない…で……やだ…あんっ!!!」

「!!」

絶妙なタイミングでオレは思わず動きを止めてしまったらしい…
まどかが初めてオレにねだった。

「んっ…あああっっっ!!!!!」

そんなおねだりされたからまどかを押し上げるのを再開すると…

まどかはオレの腰と背中を思い切り強く抱きしめて大きく仰け反って…
パタリとテーブルの上に力尽きた。


「はぁ…はぁ…はぁ……」

浅い息を繰り返してピクピクと動く…大分感じるようになったんだな…
もともと感じ易かったみたいだし…

なんて事をまどかの顔を見下ろしながら考えてた…そう言えば…

「永久就職って?何処に?」

「…………」

瞑ってた目をまどかがゆっくりと開いてこれまたゆっくりと右手を上げる。

「ん?」

その手は人差し指を一本出してオレを指さした。

「?何だよ?」

「大ちゃんに……永久就職…するの……」

「は?」


「大ちゃんと結婚して…大ちゃんのお嫁さんになるの!!!それがあたしの就職先!!

              もう内定もらったから後は大ちゃんがあたしを引き取るだけなのっ!!!」



そう宣言するとまどかの右手がパタリと落ちてまた目を瞑って浅い息を繰り返してる。

何だよ…じゃあオレとのコレは就職活動かよ?

まったく…例えがヒドイししかもそれってプロポーズか?


起きてるのかわからなかったが…まあいいか…


「わかった…一生オレがまどかの面倒見てやる。就職決定だ。」


オレはまどかの耳元にそっと口を近づけて…そう囁いた。