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「何とか卒業まで上手くいけばいいけどな…」
話し合いが終わって部屋に戻ったのはもう10時を廻ってた。
「それも運だな…上手く隠しきれれば問題無いんじゃないか…」
こればっかりはいつ何処でどんな風に周りにわかるかなんて予想はつかない…
本人達が気をつける以外ないもんな…
「大ちゃん ♪ 」
「ん?」
「一緒にお風呂入ろう ♪ 」
「なっ!ど…どうした?急に?」
今までそんな事言ったこと無かっただろ?
「だって2人ともお風呂入って無いし…時間短縮出来るし…」
「でもここの浴室2人で入るには狭いぞ?」
真面目に答えた。
なんせ文香と実証済みだ。
「大ちゃん!」
「ん?」
「あたしと一緒に入りたく無いのっっ!」
「いや…そう言うわけじゃ…」
「じゃあ決まり ♪ 」
異常に上機嫌なまどかだった。
「ん…ん…チュッ…大ちゃん…」
あたしと大ちゃんはお風呂そっちのけでラブラブモード ♪
「これがしたかったのか?」
大ちゃんがあたしを抱きしめながらあたしが望むだけキスを返してくれる…
裸の身体が密着して余計あたしはドキドキする。
「だってずっとこうしたかったんだもん…
大ちゃんずっとあたしに触れなかったし…あたし淋しかったんだから!」
「悪かったよ…でも色々気にしてたんだから仕方無いだろ…
オレだって複雑な気持ちだったんだぞ…」
「うん…ごめんなさい…」
あたしだってやっとそれがわかったから…
「でも…嬉しかった…」
「ん?」
「大ちゃんが結城君に 『 人のものに手を出すなっっ! 』 って言ってくれた事…」
「 !! 」
そう言えばそんな事を口走ったな…勢いって言うのは怖い……
「あっ…!」
最初から狭いとわかってた浴室でまどかを抱くには立ってするしかなくて
まどかの身体を支えながら片腕でまどかの片足を抱え上げて何度も何度も押し上げる。
「大…ちゃ……あ…」
まどかが必死にオレにしがみつく…
「あれ…立ってするのってまどか初めてか?」
まどかを押し上げながらちょっと屈んで耳元で聞いた。
「…ふ…ぅん…は…初めて…すご…感じちゃ…う……ンッ…」
「そう?」
「ひゃっ!!アンッ!!あ…大ちゃ……りょ…亮平…さん…あっあっ!やっ…」
まどかが頑張ってオレの名前を言ってくれる様になった…
そんなまどかが可愛くて…愛おしい…
「まどか…好きだ…」
ぎゅっと抱きしめて…身体を密着させて…深く深くまどかを押し上げながら囁く…
「…本……当?」
シャワーのせいか…オレとの行為のせいか…
ほんのり頬がピンク色に上気した顔とトロンとした瞳でオレを見上げてる…
「本当…ちゅっ…」
まどかと付き合う様になってから…
文香とでは言わなかった言葉をどれだけ言ったんだろう…
青春真っ只中の高校生じゃあるまいし…
『 人のものに手を出すな 』 なんて今から考えると年甲斐も無く良く言い切ったもんだ…
高校生相手に…ちょっと恥ずかしい様な…何とも言えない気分だ…
でも…まどかはそれが非常に満足したらしく…それからしばらく上機嫌だった。
次の日相原さんと話す機会があって彼との馴れ初めを話してくれた。
卒業した小学校に彼が友達と遊びに来て初めてそこで知り合ったって…
「歳も離れてましたし…相手は高校生ですから…私も最初は彼には無理だって…断ったんです。
でも…彼…諦めてくれなくて…毎日毎日私の事アパートの前で待っててくれて…
付き合ってくれるまで毎日来るって…今じゃそんな事ストーカーなんですけど…
でも彼あの通り言い出したら頑として曲げないし…真っ直ぐだし…教師なんてやってるせいか
そんな一生懸命な人見てるとつい気持ちが動いてしまって…あ…ついなんて彼に失礼ですね…
最初はお友達からならって…それからはもう気持ちの押さえが効かなくなっちゃって…
教育者失格ですよね……」
「一般的に言ったらそうなんでしょうけど…好きなものは好きなんだから…
その気持ちに正直になるのは仕方ないですよ…
相手が高校生なのはあなたの職業ではやっぱり問題かもしれませんけど…」
「ですから…最近はもっともっと早く月日が経てばいいのにって思うんです…」
「はい?」
「早く月日が経って…彼が周りから何も言われない年齢になれば…なんて思ってしまうんです…」
「もうすぐじゃないですか。」
「そう…ですね……以前坪倉さんにお付き合いしてる人いますか?って聞きましたよね…」
「あ…はい…」
「あの時まどかさんとお付き合いしてるって知っていたので同じ高校生の恋人と付き合ってる
坪倉さんにお話伺いたかったんです…でも本人が帰って来てしまったから…
それにまどかさんが帰って来たって事は彼が部屋に来たって事だったんで…
慌てて帰っちゃったんですけど…ごめんなさい…お話ふっといてサッサと引き上げてしまって…」
「いえ…気にしてませんから…」
ってあの時はそう言う事だったのか!!!
まどかの奴…2人の事知ってたからオレに自意識過剰なんて言ったんだな…
何だか…今更ながら……また恥ずかしくなって来た…