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……ドキン…ドキン

と大分前から私の心臓はいつもの何倍もの速さで動いてる…
芫くんも…そんな風になってるのかな…でも…

芫くんは私が初めてじゃないんだよね…

芫くんが膝を着いたまま起き上がってシャツ脱いだ。
下には何も着てないから裸の上半身が目に飛び込んで来た。
男の人の裸の胸なんてお兄ちゃんくらいしか見た事無い…
お兄ちゃんよりがっしりしてて肌の色もお兄ちゃんより小麦色…

「あ…」

屈んだ芫くんが私のシャツのボタンに手を掛けたから…つい声が出た。

「ん?自分でやる?」
……フルフル…
と首を振った。
自分でなんて手が震えちゃう…
「そう?」
言い終わると同時にまた芫くんの手が動き出す。
あっという間に全部のボタンが外された。

「……ん…」

服の前を広げられただけで声が洩れた…だって下着…見られてるなんて恥ずかしい…

「どうした?」
「…恥ずかしいから…見ないで!」
「見ないと外せない。」
「え?…あ!!」

スルリと芫くんの片手が背中に潜り込んだかと思ったら
あっという間にブラのホックを外された!片手で…こんなに簡単に?

「なに?」
「…慣れてるね…」
「そう?手先器用なだけだよ。」
「そうかな…」
「後でたっぷり実感できる。」
「??…あ!!…やっ!!」

なんの躊躇も無くブラウスとブラを引き下ろしたから…

「やだ…!!」
慌てて両腕を胸の前で組んで胸を隠した。
パサリとベッドの脇の床に私の服の落ちる音がした…

「…ふ〜ん…ま!いいけどね。」

「ンア!」

抱き抱えられていきなり首筋に芫くんの唇が触れた。
触れたって言うより噛み付かれたって感じ…

「やん…く…くすぐったい!!」
「そう?じゃあこれは?」
「はうっ!!」

吸い付かれて舐め上げられた!!舌の感触が生暖かくて柔らかくて…

「……うっ…」

身体に力が入る。

「さて…と。」
「…え?」

芫くんがまた膝で座ると私の腕を片腕づつ掴んで
いとも簡単に万歳の格好で頭の上に押さえ付けた!!

「あっ!やだ!」
これじゃ胸が…
「あ…!!見ないでっっ!!見ちゃダメ!!」
「後でね。」
「えっ?」
芫くんが左手に私の両手を一緒に押さえ付けた。
「えっ?なに?ひゃっ!!」
芫くんの手がスカートのファスナーにかかるとなんの抵抗も無く下りた。

「え?ウソ…」

余りにも手際が良くて気付いたらスカートが床に落ちた所だった。
…と言う事は?いま私…

「きゃーきゃーきゃー!!!やだ!」

慌てまくって暴れても芫くんはびくともしない…せめて布団に隠して欲しい…

「お願い…せめて…布団…かけて…」

もう目も開けてられなくて…半ベソ…

「冗談…そんな勿体無い事出来ないよ ♪ ♪ くすっ。」
「ええ〜〜芫くんの意地悪っ!!」
「意地悪で結構。」
「あ…!!」

最後の1枚がこれまた簡単に剥ぎ取られてベッドの脇の床に落ちた…




「…ん…ンッ…あっ…」

両手は離してくれた…でもその時はもう芫くんは私の足の間に滑り込んでたから……

まだ…最後まではいってない…
クラクラする頭で一体その時はいつなんだろう…なんて考える…

もの凄いディープなキスを一杯されて…身体中を舐められて…もう息が弾んで…苦しいくらい…

「ンァ…んっ…初めてなのに…何で…こんな声…あ…出るの……?」
「気持ちいいからだろ?違う?」
「……気持ち…いい?…から?んっ…ちゅ…くちゅっ…は…ぁ…」

また舌を絡めるキスをいっぱいされて…呼吸困難!!

「そろそろ…覚悟決めてな……」

「…え?」


言われてた言葉の意味を理解する前に…何か…熱いものが…身体に当たって…

って…え?…でも…そこは…


「 あ!…ちょっ…芫…くんちょっとまっ……うあっ!!!んっっ!!!! 」


いきなり一気に最後まで押し上げられた!!!……こんな…の…ちょっ……


「ああっっ!!!芫…くんっっ!!」

「…っつ…」

耐え切れなくて芫くんの腕を力一杯握り締めたら爪を立ててた。


「あ…あ…っくう……」

痛くて…しばらくギュッと目を瞑ったまま動けなかった。
息も詰まって…普通に呼吸できない……


ビクンっ!!

「 ひゃっ!!え…?あっ…あっ………あ…… 」


芫くんの身体が急に激しく上下に動きだした…
自分の身体が芫くんに合わせて大きく動かされる……

「…あ…ンッ……!!!」

ちょっ…と…待って!!!…頭の中ではそう叫んでた…
でもあまりの痛さと…押し上げられる反動と…
今までの事で息がまともに出来なくて…声が出ない……

待って…芫くん…私…初めてなんだよ…そんなに…乱暴に動かないで…

こんなの…辛いし…苦しい……や…いやだ………
こんな事…私は望んでない……!!私は……

「……ンッ!…うっ!……」

慣れてると…思ってるの?いつも他の人は慣れてたから?

他の人とは…こうしてたの?私を…他の人と…同じに思って…こんな事するの?


ねぇ…芫くん…教えて……芫くん……お願い私を………私を見て……


ずっと心の中で私は芫くんにそう言い続けてた………





「はぁ…はぁ…」

今更ながら…ヤバかったかと不安が過ぎる…
さっきから…みかげが一言も話さないし…オレに触れようともしない…

つい…嬉しくて…気も使わず加減無しで始めから全開で抱きまくった…

考えてみたら…みかげは今日が…オレが初めてだった……

ヤバイ…ヤバイんじゃないのか?背中に冷たい感覚が這い回ってる…


「…はぁ…はぁ…みか…げ?大丈夫…」


ば っ ち ーーーーー ん っ っ !!!!


「 !!!! 」

思いっきりみかげの平手打ちがオレの頬に入った!


「芫くんのばかっ!!ばかばかっ!!嫌い!大っ嫌い!!!芫くんなんて大っ嫌いっっ!!!」


頬の痛みも…吹っ飛んだ…

嫌いと…大っ嫌いとみかげの声で言われた言葉がオレの頭と胸と身体に突き刺さった!!