04
「…………ン…」
耀の顎を指で軽く持ち上げて優しく唇を重ねた。
こっちが誘わなくても相手が勝手に舌を絡ませてくる…チョロイな……
オレはいつも思うそんな感情をまた思い起こして心の中で笑っていた。
人間なんてこんなもんだ……
重ねてた唇を耀の首筋にずらした…
「ふぁ……」
すでにボタンを外したシャツを肩から脱がせてあらわになった肩に軽くキスを何度もした…
一緒にあらわになった耀の胸は思ってた以上にボリュームがある…
着痩せするタイプらしい。
そんな胸を優しく掌で持ち上げて微妙な力加減で揉んだ。
「……ん…あ…」
崩れそうな耀の身体を左腕で支えて右手はさっきより早いリズムで耀の胸を揉み続けてる…
またオレの口で耀の口を塞いで今度はオレから舌を絡ませてやる。
「…ふ…ン…ンン…」
いつもと同じ…1度交わればコイツもオレの言いなり……
2人でベッドに倒れ込む…
上半身は完璧脱がせた…下半身に手を伸ばす…
「 いやああああああああ !! 」
ド コ ッ !!!!!
「 が は っ !!!! 」
オレの鳩尾に思いきり耀の足蹴りが炸裂した!!
「げほっ……な…!?」
こんな事ありえない…正気に戻った?
オレは蹴り落とされたベッドに掴まってやっと起き上がる。
クソッ!油断した…じゃなきゃオレがこんな人間の女の蹴り喰らうなんてありえない!!
でも…なんでだ?今までこんな事無かったぞ?
「何すんだ!!!…ってうわっ!!裸…」
いつの間にか上だけ脱がされてる…慌てて両腕で胸を隠したけど…服…服どこ?
「お前何だ?」
「え?」
ベッドの脇に立ち上がった彼が恐い顔で見てる。
「…………」
「信じらんねー…こんな事初めてだ…」
そんな事を呟いてる…逃げなきゃ…今のうち…
服は見付けられなかったからベッドカバーを引っつかんだ。
でも肝心の出口のドアは彼の後ろだし……逃げれるかな…ううん…逃げなきゃ!!
とりあえずドアと反対側に逃げた。
まず彼をドアから引き離さないと…
「!!……逃がすか…お前はオレの飼い主なんだぞ?放棄する事は許されない。」
「やだ!こんな事しなくちゃいけないなら君なんかいらない!!」
「…!!いらない?オレをいらないだって?…くっ…あはははは………笑わせてくれる…
そんなセリフ1度交われば2度と言えなくなる。お前知らないのか?人間が半獣を飼う目的を?」
「目的?」
「確かに珍獣と言うのも1つの理由だけどな…本当は半獣のオレ達と交わるのが目的なんだよ。
人間と違った快楽をオレ達は与える事が出来る。1度交わるともう半獣以外抱けないほどにな!」
「………」
「だから契約の証にオレ達は飼い主に身体を与えるんだ。
これはお前がオレを飼う為に必要な事なんだよ。わかったか?耀!」
「…!?いつの間に名前?」
「覚えてないのか?さっきオレに教えてくれただろ?」
「…………」
やだ…まったく覚えて無い…うそ…そう言えば記憶が少し飛んでる……
「ハッ!!」
彼が真っ直ぐ歩いて来る!逃げなきゃ!
「わっ!」
身体に巻いてたベッドカバーの裾を踏まれてコケた。
「バカか?」
「………」
うー…悔しい!!!
あっさりと捕まってベッドにまた押し倒された。
「これ以上何かしたら舌噛んで死ぬから!!」
「本当バカだな。」
「?」
「あんなテレビや映画みたいに上手く行くか。噛み切る前に痛みでギブアップだ。
しかも中途半端に舌は切れてるから半端無い痛みがくるぞ。嘘だと思うならやってみろ。」
「……………」
そんな事言われて……出来る訳ないじゃん!!!
「耀…オレを見ろ。」
「………」
身体の上に覆いかぶさられて動けない耳元に囁かれた。
見ちゃいけないと思うのに勝手に視線が彼に向いちゃう…なんで?
視界に彼のエメラルドグリーンの瞳が映る…本当に綺麗な瞳なのに……