02





「ふあ〜〜ぁ……」

大きく伸びをして起き上がった。
そしたらスルンと掛け布団が身体から落ちて裸の胸が思いきり見えた!

「わっ!ちょっと…」

慌てて掛け布団の引っつかんで身体を隠した。
どうして裸のまま寝てるんだろう??昨日からの記憶が無いんだけど…どうして?
朝お風呂に入ったのは覚えてる…でもその後の記憶が…オレ…どうしてたんだろ?
この姿から察するにしいなに色々された事は確実だ…もう…しいなったら…


「おはよう。」

「!!起きたのか?」
しいなが料理の手を止めて振り向いた。
「うん…どんだけ寝てたんだろ?オレ…」
「昨日の昼前から…途中で1回起きたけどその後また眠ってたから…結構な時間眠ってたな…」

途中1回起きた時はオレが耀を散々抱きまくったから…
でもその後は何とか手を出さなかった…裸で一緒に眠ってたのにだ!頑張ったぞオレ…

「そっか…あふ…」

!!…そうやって無防備に今のオレの前であくびしながら伸びをすんなっっ!!押し倒すぞっっ!!




「……オイ…」
「ん?」
「そんなに食べて大丈夫か?」
「へ?」

元々良く食べる方だとは思ってたが…今日はそれに輪をかけて良く食べる。

「腹こわすぞ。」
「だってお腹空いたんだもん。」

まあ考えてみたらこの3日間ろくに飯食って無かったが…それにしても…

「ふあ〜ごちそうさま!美味しかったぁ〜 ♪ 」

「………」

満足気にお茶なんかすすってるが…一体何人前食べたんだ?

「あ!オレ洗うよ…置いといて。」
「今日はいい…疲れてるだろ?オレがやる。」
ソファに寛いでる耀にそう声を掛けて食器を運ぶ。

ちょっと罪悪感が無いわけじゃない…

「ありがとう…そう言えばさ…オレって寝不足とお腹空いてるのダメみたいだ。」
「ああ?」
耀がそんな事を言い出すからキッチンから耀が座ってるソファの隣に座った。

「だって昨日の記憶あんまり無いんだよね…」

「は?」

「朝お風呂入ったのは覚えてるんだけどさ…」

「なっ……」

な に ぃ 〜〜〜〜っっ ! ! 

昨日の記憶が無い…だと?どんだけオレと交わったと思ってんだ!!
どんだけオレが身体に負担かけたと思って気使って反省したと思ってんだーーーーっっ!!

「ふ〜ん…じゃあもう体力は回復したよな?見た目も元気そうだし…」

ふざけんな!ならこれからたっぷり相手させてやる!やめてなんて言葉却下だ却下!!

「え?」
「可愛がってやる…」
しいながズイッとオレの方に身を乗り出しだ。
「ちょっと…しい…な?」
「なぁに…食後の軽い運動だ…」
「ええ?」

しいなの半獣の瞳が妖しく光ってる…見ちゃいけないって思うけどこの至近距離じゃ…

「き…昨日いっぱいしたじゃない…その前の日も…」
「昨日は昨日だ…前の日の事なんて忘れた。」
「ええっっ…そんな…」
「自分で服…脱げるよな?」
「ええっっ!?やだよ…」
「いやだ?へぇ〜ならオレが脱がしていいのか?後で使い物にならなくなっても知らないからな。」
「どう言う…意味?」
「ズタボロに破くからだよ。脱がせるなんて可愛い事はしない。着てるまま引きちぎってやる!」
「ええ!?そんなのヤダ!!」
「じゃあ自分で脱げ!」
出たよ!命令口調!
「それもヤダ!」
「ワガママ言うな!」
「どっちがワガママ?」
「うるさい!」
「あ!」
しいながオレを押し倒して覆いかぶさって来た!
「ホントやだ!やめ…」
「却下!」

「やだって言ってる……」

「!?」

「じゃん!」

 ド カ ッ !!

「 ぐ は っ !! 」

しいなのお腹にいつもの足蹴りを叩き込んだ!

「いって…!!」

ド サ ッ !!っとしいながソファから転げ落ちた。

「……耀!!」
「べー!やだよ!」

カ チ ン !!

こいつはぁ……ホントに訳がわからない…昨日までのあのベッドの中での耀は何処にいった?

オレに攻められて…感じまくってた耀は?あの潤んだ瞳でオレを見つめてた耀は?


「いいから来い!」
「あ!や…」

ソファに座ってる耀の腕を引っ張ってオレのいる床に引きずり落とした。

「しいな…や…」
「いい加減諦めろ。」
「誰が……」

2人で床の上でしばらく攻防戦を繰り返してた。


「……くっ…くくっ」
「?…しいな?」

しいなが突然笑い始めた…何で?お腹の当たり所悪かった?

「あははは…はぁ………まったく…」
「なに?」

床にお尻を着いて両膝を立ててしいなが座り直す。
オレも床に正座で座り直す。

「耀といると退屈しない。」
「え?あ…」
しいなの片手がオレの頬にそっと触れる。

「耀…」

「な…何?」
何だか改まって真面目な顔で呼ばれるとドキリとなる…

「オレの所に…」
「………イヤラシイ事…しない?」
「しない…」
「ホントに?」
「ホント。」

オレは四つん這いでしいなに近付くとしいながオレの背中から抱きしめた。

「…………」

ほどよい力加減で抱きしめられて…
オレの肩越しからしいなの顔が見える…

「?どうしたの?」
「いや……」
「そう?怒った?」
「怒ってない…」
「そう?………」

何だか不思議な時間だ…

「……このまま寝れそうだ…」
「ええっっ!?」
そこまで和む?

「耀…」

「ん?あ…」

しいながそっとオレにキスをする…

「……ン…」


オレはそんなしいなのキスを抵抗せずに受け入れてる…だって…とっても優しいキスだから…

何度も何度もそんなキスを2人で繰り返して見つめ合う…


「フフ…」
「くすっ…」

自然に2人で笑っちゃった…

「何で笑う?」
「しいなが笑うから…」
「ふーん……そうか…」
「そうだよ…」


しいなと暮らし始めて2週間……でも…もうずっと前から一緒にいるみたいだ……

しいななら安心出来る…しいなならオレを裏切ったりしない……

            

                 きっと…




「耀…」
「ん?」
「交わりたい…」

耳元にしいなが囁く…しいなは半獣だからか抱き合う事を交わるって言う。

「……優しくしてくれるなら…いいよ…」
「いつも優しいだろ?」
「どこが?」
「どこも!」
「ウソばっかり。」

「耀…」

そう言ってしいなが頬をぺろりと舐める…

「…は…ァン…」

それだけでオレの身体はビクンってなっちゃう…



耀を誘って頬を優しく舐め上げると耀の身体がピクンとなった。
さっきまであんなに素っ気なくオレを拒んでたのに…耀の態度は良くわからない…
今までの飼い主はオレを拒むなんてしなかった…

「ン…しいな…」
座って立ててるオレの足の間に服をはだけさせた耀が膝で立ちながら
オレの頭を両手で抱きかかえる。
オレはそんな事は気にせずさっきから耀の胸を攻め続けてる。

舐めて吸って甘く噛んで…耀の胸はやっぱり柔らかい。



「あ…あ…」

オレの胸を散々攻めたしいながオレをリビングの床の上にそっと倒した…
約束通り…しいなは優しくオレを抱いてくれた…
いつもよりゆっくりオレを何度も押し上げる……

激しく抱かれるのとは違う快感がオレをまた溶かしていく…

そう言えばリビングの床でしいなに抱かれたのって…今日が初めてだった……


そんな事を溶けていく頭で考えながら……

           オレはしいなに……キスをおねだりするんだ………

しいなはちょっとだけ微笑んで…優しいキスをいっぱいオレにくれた……