07
「………」
しいながさっきから無言…
エレベーターの中も沈黙でしいなのピリピリ感がオレにも伝わってくる…
しいな怒ってるんだろうな……
「わっ!」
部屋に戻ると同時に浴室に押し込まれた。
「アイツ等の臭いがプンプンしてる!さっさと洗い流せ!!」
その言って乱暴に浴室のドアを閉めて出て行った…しいなすごく怒ってるんだ…どうしよう……
言われた通りシャワーを浴びた。
いつもよりシャンプーもボディシャンプーもたっぷりと使って洗い流した。
怖ず怖ずとリビングに入るとしいながソファで座ってた…思いきり不機嫌な顔で…
「来い!」
「………」
言われた通りしいなの隣に座った。
「耳かき!」
「え?」
「約束しただろ。やれ!」
「……うん…」
言われるままオレの膝の上に寝転んだしいなの耳を掃除した…
「…………」
しいなは無言だ…
「…気持ち…良い…?」
「…………ああ…」
朝とは全然違うしいなの態度…本当に気持ちいいのかな…
「 !? 」
ポタリと何かがオレの頬に落ちた。
「………うっ」
「 !!!」
見れば耀がぽろぽろと零れる涙を必死に両手で拭ってる…
「何泣いてんだ…」
オレは起き上がってソファに座り直して耀と向き合った。
「だって…ヒック…しいなに…迷惑…かけたから……」
「だな…エライ迷惑かけられた。」
「う…ごめ…」
「…でもそれは耀のせいじゃないだろ…他に言う事あるだろ?」
「え?」
「………」
しいながじっとオレを見てる…でもそれは怒ってるんじゃない…
「…う…し…しいな……………恐かったぁ……」
そう言い終わると同時にオレはしいなに抱き着いた。
「あ…あの時…しいなからの…で…電話が無かったら…オ…オレあの人達に……」
「!!!」
「恐かった…オレ…知らないあの人達に…抱かれちゃうかと思ったから……
しいなに来て欲しかった…しいなに助けて欲しかった………」
「…助けに行っただろ…これからもオレが耀を守ってやる……」
しいながオレを力強く…でも優しく抱きしめてくれた…
「……うん…ぐずっ…」
「二度と他所の犬なんて連れて来るな……」
優しく顔を持ち上げられてペロリとオレの涙をしいなが舐めてくれる…
「うん……ン…」
「チュッ…チュッ…」
しいなが触れるだけのキスを繰り返す…オレはしいなのそんなキスがとっても嬉しかった…
「しいな……ありがとう…オレしいなが来てくれて嬉しかった…ホントだよ…」
「耀はオレの飼い主でオレのモノなんだから当たり前だ。」
言いながらパジャマのボタンを外すしいなの邪魔はしなかった…
「アイツ等に何かされたか?」
「……首筋に…1回だけ唇押し付けられた……」
「なにぃ!!!クソッ!やっぱ全員の骨折っとくべきだった!!」
しいながすごく悔しがってる…
本当ならしいなには黙ってた方が良いのはわかってた…でもオレは…
「だから…しいなが消して……」
「…!!…耀…」
「しいなのキスで…唇で消して…しいなの腕で…身体であの人達をオレの身体から消して……」
そう言ってしいなに抱き着いた…
「本当に嫌だった…吐き気がするくらい嫌だった!!」
「…耀…」
しいながオレを抱きしめて噛み付く様なキスをしてくれる…
オレは息が出来なくて苦しかったけどそんなキスが嬉しい…
満月の時みたいにしいなが激しくオレを攻めあげる…
ソファで抱かれて押し上げられて…
ソファの背もたれからのけ反って落ちそうになる身体をしいなにしがみついて耐えた…
しいながとっても深くオレに入って来るのも耐えた……
「…あっ!あっ!あっ!ンン!!」
しいなの首に廻した腕にも…しいなの腰に絡ませた足にも力が入る……
だってそうしないと押し上げるしいなに身体がもっていかれちゃうから……
「…は…ぁ!!しいな……ンン…!!」
「…耀…」
目の前にしいなのエメラルドグリーンの瞳…とっても綺麗だ…
「…しいな…しいな……」
訳がわからなくて無意識にしいなの名前を何度も呼んだ。
「…ンア!!!ああっっ!!」
あんまりにも激しくて意識が朦朧とする……
でもこれでいいんだ…
だって…それがしいなに抱かれてるって証だから………