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「耀〜〜〜 ♪ ♪ ♪ 本当にしいなの子供なんだってね〜〜〜 ♪ ♪ おめでと〜う ♪ 」

トウマさんがリビングに入ってくるなりソファに座ってるオレの隣にドサッと座って
ギュッっとオレの両手を握る。

「あ…ありがとう…トウマさん…」
「やっぱり耀は他の飼い主とは違うと思ってたよぉ〜 ♪ 」
「そ…そう?」

「あー絶対耀に飼い主になってもらおうと思ってたのに…
まあしいなと離婚したら子供も一緒に俺が面倒みてあげるから安心して!ぐあっ!!イテッ!!」

「しいな!!」

しいなが後ろからトウマさんの頭に肘鉄を叩き込んだ。

「バカな事ほざいてんじゃねぇバカ犬っ!!
耀から離れろ!お前のバカが腹の子供に伝染るっっ!!」

「伝染るわけないだろうが!痛いな!!半獣同士でも加減しろよ!」

「テメェはいっぺん死ねばいい。」

「誰が死ぬかっっ!ほら!引越し祝い持って来てやてんだぞ!俺は客なの客!」

そう言ってテーブルの上に置かれたケーキの箱を指差す。

「招かざる客だ。」
「いいからお客様にコーヒー!」
「テメェで淹れろ。」
「はあ?」
「いいよ…オレが淹れるから…待ってて。」

「だったらオレが淹れるから耀は座ってろっっ!!」

「!!!」

トウマさんが驚いた顔してしいなを見てる。
だろうな…オレだってびっくりだもん。



「何しいなの奴随分まめになったね。」
「前から色々やってくれてたけど…最近特に…」

なんだけど…ちょっと神経質気味…

「それにここに来てから毎日研究所の人がオレの事診に来るから…余計機嫌が悪くてさ…」
「そっか…アイツここでの思い出なんてヤな事ばっかだからな…
でも特別な子供だからな…その子は…」
「……そうだね…」

オレは自分のお腹に視線を落とす…本当にここに赤ちゃんがいるんだよな…
動きもしないしお腹も大きく無いからあんまり実感がわかない…

「どれ…何か聞こえる?」

「 わ あ っ !! 」

トウマさんがいきなりオレのお腹に耳を当てるからひざ枕をしてるみたいになって
びっくりして大声を出した。

「なんだ…何も聞こえないんだ…」

「あっ…あっ…」

オレはドキドキ…

「 ト・ ウ・ マぁ 〜〜〜 !! 」

コーヒーを持ったしいながワナワナと震えて立ってる…すっごい怒ってるんだ…

「ん?」

「 とっとと出てけーーーーっっ!!! 」

ド カ ン !! と玄関のドアからトウマさんがしいなに叩き出された。



「しいな…別にトウマさんは悪気があったわけじゃ…」
「腹の子供に悪影響を及ぼす!」
「もう…」

しいながこんなに子煩悩?だとは思わなかった…

「耀…」
「ん?」
「この部屋…満足か?」

しいながオレの隣に座って顔を近付けてくる…

「う…ん…だって前いた部屋より広いし…眺めは良いし…」

部屋の数も前より2部屋も多い。
研究所と同じビルの中の5階部分を用意してくれた。角の部屋で上には部屋は無い。
同じフロアもオレ達の生活する部屋以外は誰もいないし来ないから至って静か。
元々研究所の周りは林があるから窓からはその緑が見えてリラックス出来る。

しいなは前のマンションから以前オレの部屋にあったものもそのまま持って来た。

もちろんあのベッドも…オレと初めて一緒に寝たベッドだから絶対とっておくんだって…
クッションもオレの部屋に初めて来た時あのクッションで目が覚めたからお気に入りなんだって…

この前しいながすっごく照れながら話してくれた…

オレはそんな事を話してくれたしいながまた好きになった。


「耀?」
「ん?」

ああ…ぼーっとしちゃった…

「あ…」

しいながオレの頬を掌でそっと持ち上げる。

「…チュッ…」
「…ン……ふぁ…」

しいなが深い深いキスをする…

「あ…ダメだよ…しいな…」
「何で…3日振りだぞ…」

しいながキスしてた唇をオレの首筋に移動していく…

半獣の舌触りは特別で軽く舐められただけでオレは痺れちゃう…


「だっ…て…もう…生まれる…までは…ダメだって…真鍋教授が…アン…」
「軽く…だ…もうあんなに激しく交わらない…」
「ホン…ト?」
「ああ…」

しいながそんな返事をしながらオレをソファにそっと押し倒して上着を捲くり上げる。

「……アン…」

掌で胸を優しく揉まれながら胸の先にしいなの唇が優しく触れた…

「…ン…ひゃっ……ふぁ…ぁ…」

唇から舌に代わるとその舌でオレの胸を丸く舐める…

「も…しいな…」

オレはそれだけで身体中がビクビクなって必死にしいなの背中にしがみついた。
しいなのシャツをグシャリと掴む。

「あっ…あっ…あっ…」

胸の先をしいなはずっと舐めたり吸ったり…甘く噛んだり…
何だか前より更に敏感になった気がするんだよな…

「前より感じやすいな…耀…」

「………」

ほら…しいなまでそんな事を言う…わかってて…愉しそうに…

上半身はもう着てないのに等しい…
部屋着で簡単な服装だったオレはあっさりしいなに裸にされる…
ズボンも簡単に脱がされて今は片足だけ穿いてるだけだ…
そんな足を片手で軽く広げてオレの足の間に入って来たしいながオレの片足を抱え込んだ。



「ホントに優しくだよ…」

オレを見下ろしてるしいなにお願いする。

「ああ…優しくだ…」

「優しくでも駄目だ!」

「 「 う っ !!?? 」 」

ド ッ キ ン ーーー !!!!

突然背中から声がした!?驚いて振り向くと…

「亨っっ!?」

亨が書類片手にリビングの入口で立ってた!!

「わあっ!!!」

耀が慌て脱がされた服で身体を隠す。

「なななな…何で亨がここにいるっっ!?どうやって入った?」
「どうやって?鍵を開けて玄関からに決まってるだろ。」

ピッ!っと指に挟んだカードキーを見せて何事も無い涼しげな顔でちゃっかりと
ダイニングテーブルのイスに腰掛ける。

「かかか…勝手に合い鍵で入って来んなっ!!話が違うぞ!亨!」
「話が違うのはそっちだろ?生まれるまで交わるの禁止って言ったのに…まったく…
やっぱり監視カメラは必要か?」
「ふざけんな!」
「君ももっとはっきりとしいなを拒絶しないと!甘やかす事は無い。」

フン!と言う言葉が聞こえてきそうな亨の態度だ。

「…は…い……」

何とか洋服を整えた耀がちっちゃくなって小さな声で返事をした。


「………何の用だよ。」

オレは亨の座ってるダイニングテーブルの前に立って亨を見下ろす。
ちょっとだけ優越感に浸る。

「ああ…聞きたい事と話が少し。」
「何の話だ。」

とっとと用件済ませて追い出してやる。

「その前に……コーヒー!!」

今度は亨が下からオレを見下し目線で見上げてそんな事をほざく!

「 !! かーーー !! 態度デカッ !! 」

「なに?何か文句あるの?」

「ある!!ある過ぎるくらいあるっっ!!」

「何?言ってごらんよ。」

物凄い挑戦的な態度だっっ!未だに色々諸々の事が気に入らないらしい。

「大体お前は昔から…」

ムカッ!!最近亨に対して強気なオレは受けて立ってやる!!



そんな2人のやり取りをソファでじっと見てた…

     「似た者同士……」

そんな言葉が自然にオレの口から零れた。