04





「ふわぁぁ…」

「ん?どうした耀?」

今は夜の11時にもう少しでなろうと言う時間…
耀がリビングのソファで葵を抱っこしながらの大欠伸だ。

葵が生まれて2週間が経った。


「あ…しいな…葵がね…」
「葵が?」
「最近寝付きが悪いんだ…寝てもすぐに起きるし…
機嫌が悪いわけじゃないみたいなんだけど…どうしたんだろ…」
「亨はなんて言ってる?」
「身体には異常無いって…葵普通の子より成長早いから今人で言うと
もうすぐ3ヶ月になるくらいだから…昼と夜が逆転してるのかもしれないって…
だからもう少し様子を見ようって…」
「ふーん…ただ寝ないだけか?」
「うん。ちゃんとミルクは飲むし寝ないからって機嫌が悪いわけじゃ無いし…
どうしたのかな…そんなんで一緒になって起きてたら寝不足で…ふあ…」
「ならオレが起きててやるから耀は寝てろ。」
「え…でも…」
「もうすぐ満月なんだぞ…身体がウズウズしてて寝なくても大丈夫だ。」
「本当?」

「耀!葵置いてこっちに来い。」

「?」

しいなに言われた通り葵をソファに寝かせてしいなの傍に行った。

「あっ!」

近寄った途端後ろから抱きしめられた!

「しいな…」
「満月の時のオレがどんなにハイテンションか知ってるだろ?ん?耀…もう忘れたのか?」
「あ…やぁ…」

胸を下から掬い上げる様に揉み上げられた…

「耀…」
「ダメ…しい…な…」
「何がダメだって…」
「ダメ…胸は……」
「耀…」
「あ…」


肩からパジャマを脱がされて…


またしいなが満足するまでキスマークと歯型と擦り傷を付けられた……





「フム…」

オレが満足するまで遊ばれた耀は寝不足もあってベッドでぐっすりと眠ってる。

「本当に寝る気配は無いな。」
「あー」
「ん?何だよ。」

何でだかオレと葵はお互い何かを感じる…
まだ葵が耀の腹の中にいた時からそれは感じてた…

「うおっ!?何っ!!」

葵が…葵が…

ベビーベッドで仰向けに寝てたのに……俯せになってるっっ!!


「お前…」

これは!?イリュージョン?

「え?何でだ?」

ヒョイと葵を仰向けに戻してしばらくジッと見てた。

「あう」
「お!」

葵が自分で横を向いた。

「え?マジ!」

ググッと身体を反り返して……

「うおーっっ!!自分で俯せになった!」

ウソだろ…スゲー感動だ!!

「何だよ葵〜 ♪ お前いつの間にこんな事が出来る様になったんだよ〜 ♪ 」

オレは葵を抱き上げて自分の目線より高く抱き上げる。

「いつの間にか首までちゃんとなりやがって…」


そんなセリフも葵は自分の手をオシャブリ代わりにチュパチュパ舐めるだけだ。



「耀が起きたら一番に教えてやろうな…きっと喜ぶぞ。葵の事心配してたからな。」

「あー」

「耀に心配掛けさせるなよ…葵…これは男と男の約束だからな。」




それから何度も何度も葵を仰向けに寝っころがらせて起き上がるのを楽しんでたら

流石に疲れたのか葵はオレに抱っこされながら可愛い寝息を立てて眠りについた。





「何だよ…オレ1人か…」


それでもオレの腕の中には葵が…寝室のベッドには耀がいる…

半獣として生まれて今まで人間に飼われながら生きて来たオレが…

結婚して…子供まで出来た…自分でも信じられない出来事で…

自分以外の相手をこんなに愛おしいと思える日が来るとは思わなかった……



だからオレが…ずっとこの幸せが続くように…必ず2人を守ってやるから…