チョットだけ考えた2人のお話。
「航…起きてる?」
航志朗の部屋のドアを開けて声を掛けたけど…返事が無い…
「…zzzzz…」
「まだ寝てるんだ…そしたらぁ…」
航の寝てるベッドの
端から潜り込んで奇襲をかける。
「……ん…?!」
「航志朗!!起きろーーーっ!!」
冷たい手で航志朗の顔を挟んでやった。ムギュウって!
「うわっ!!冷てーーーっっ!!」
やった!飛び起きた。
「目覚めた?あはは!」
無理矢理起こされてまだ霞む視界で目を凝らすと
ニッコリと笑ってる溜の顔があった…
しかも鼻先が今にもくっ付きそう
な程近い。
「……お前なぁ…」
「…?…ん?」
不思議そうな顔で俺を見てる…
「お前さぁ…自分が何してるか…分かってんのか…?」
溜息交じりで呟いた…
「何が?」
…分かってねー…
「…何でもねーよ…」
布団から這い出てタバコを吸う…
溜はそのまま俺のベッドで布団の温もりを楽しんでる…
まったく…男の布団に潜り込んでんだよ…お前は…抱いちまうぞ…くそっ…
…なんて出来もしない事を心の中で呟いた。
俺のそんな気持ちなんて全くお構い
無しで無防備にも眠り始めてる溜…
そんな溜を視界に収めつつ紛らわす様に吸い込んだ
タバコの煙を溜息と一緒に吐き出した…