04

  順番が逆ですが 『 プロローグ 』 の前のお話です。(1年ほどさかのぼってます。)
  椎凪 : 耀の高校の美術の教師兼美術部顧問。
   耀 : 元気×2な女の子。椎凪と同じ高校の今回は1年生。椎凪と交際中。






「あ…ん…」

椎凪の部屋に戻るとそのまま寝室に連れて行かれた…
オレは椎凪の首と背中に腕を廻して椎凪を抱きしめて確かめてる……
あったかくて…大きくて広い背中…

「…んっ…んっ…あ…」


オレだけの椎凪だよね……
他の誰の事も気になんかしない…オレだけを見ててくれる…


「…ハァ…ハァ…うっ…あっ!!!」

頭ではもう限界だって言ってるのに…身体は椎凪に反応してる…

「 う あ っ!! あっあっあっ…んああああっっ……!!! 」

椎凪の上で大きくのけ反った…
身体は椎凪がしっかりとオレの腰に腕を廻して逃げれない様にされてたから
オレはそのまま仰向けの椎凪の胸に崩れ落ちた。



「…ン…ハァ…ハァ…」

身体が勝手にぴくりと動く…も…ヤダ…

「耀くん…」
「……!?」

椎凪が俯せのままのオレの頭を撫でた…

「結婚しようか…別に籍は後から入れればいいんだし…
2人だけで結婚式挙げてさ…一緒に暮らそう…」

「…はぁ…はぁ…」

………しいな……

「ね?耀くん…」

椎凪の優しい声と手の温もりが伝わって来る……


「イヤだ!」


オレはきっぱりと断言する。

「!!!」

椎凪の身体がちょっとだけピクリと動いたのがわかった…

「耀くん……」
「そんなの…無理に決まってるだろ…学生だから無理だもん…」
俯せのまま呟いた。
「それに親だっているし…許してくれるわけない…」
「オレが話して説得するよ…成せば成る。」
「絶対無理!」
「耀くんはいつもオレと一緒にいたくないの?」
「いたいけど……無理だもん…」

学生だって言う理由は本当だ…親の事も…でも…
心の隅で…椎凪はまだオレにも隠してる事があるんじゃないかって……

だから…

「………」

椎凪はそれから黙っちゃった…



「じゃあオレを満足させて…」
「え?」
「オレが満足するまで…オレの相手して…」
「椎凪……」

それからオレと椎凪の位置が入れ代わった…

「愛してるよ…耀くん…オレは……耀くんを愛してる……」

「…んあっ……」

そう…宣言されて…椎凪がとっても深くオレに入って来た……




「あ!一唏?今日はありがとう。」
『別に構わないけどさ…良かったのかよ?彼女怒ってたんじゃねーの?』
「大丈夫だよ…ヤキモキ妬いてただけだから…」
『ならいいけどさ…でも良くやるよなぁ…ワザとオレのピアス置いといて
彼女に見付けさせるなんてさ。』
「まぁ…ね…色々大変なんだ…耀くんまだ子供だから…」
『だってまだ高1だろ?』
「そうだけど…だからだよ…」
『は?』
「ううん…じゃあ今日は本当にありがとうね。それから耀くんにオレの事で余計な事話すなよ。」
『わかったよ。』
「じゃあまたね…」



リビングで1人携帯を閉じた。
耀くんはぐっすりとベッドで眠ってる…

あの一唏のピアスはオレがベッドの隙間に置いておいたものだ。
見付けられなければ別の場所に置いておくつもりだった。

何でオレがそんな事をしたかと言うと…それは…耀くんが幼いから…
まだ子供の耀くんは…オレを満足させてくれる言葉を言ってくれない…
身体は大分敏感になってオレを満足させてくれる…

でもオレは…言葉でも愛されたい……
好きって愛してるって言って欲しい…好かれてるって愛されてるって感じたい…

「なのに言ってくれないんだよな……はぁ〜〜〜」

だからヤキモキを妬かせて好かれてるって愛されてるって実感が欲しかった…

「まさかピアス投げ付けられるとは思わなかったな…クスッ…」

あの痛さがどれだけ嬉しかったかわかる…?耀くん…

「いつオレのプロポーズ受けてくれるかな…」

OKしないのはわかってた…
だけど万が一…『はい』って言ってくれるかもしれないと密に願ってる。

「早く…心も身体も大人になって…耀くん……オレ首を長〜くして待ってるんだから…」


「椎凪……」

「!」
耀くんが寝ぼけ眼でリビングに入って来た。
「起きちゃったの…」
「うん…喉かわいた……」
「じゃあ何か飲み物出してあげる…おいで。」
そう言って椎凪がオレに手を差し出す。
「うん…」
オレは差し出された椎凪の手をぎゅっと握った。

「耀くんパジャマ着るのはいいけどズボンは無しでしょ?生足見せてよ。」
「エッチ……」
「オレエッチだもん。耀くんだけにね ♪ 」

そう言ってオレを抱き寄せてくれる…


眠気もあったのかなぁ…

目が覚めて…部屋が真っ暗で…椎凪がいなくて…心細かったのかな…


「椎凪…」
「ん?」

「オレ…椎凪の事…誰よりも好きだよ…」

「えっ!?」

「オレまだ子供だけどさ…椎凪を好きって言う気持ちは…大人の人にも負けないと思うんだ…」

「耀くん…」

うわぁ〜〜!!なに?!愛の言葉……囁いてくれるの…?

「……だから…」
「だから?…………ん?」
耀くんが歩きながらオレに寄り掛かって来る…でもなんか様子が?

「って!!耀くん歩きながら寝てるっっ!!!」

「くう…」

も…もしかして今までのはただ単に寝ぼけてただけ?

「ちょっ…ちょっと耀くん起きて!!」
「……う〜ん…」
起きる気配無しっっ!!!
「ちょっと…ウソだろ?」

確かに耀くん寝起き悪いけどここまで?

「耀くん!!」
「うるさい!!」
「ブッ!イテッ!!」

ベ チ ン !! と顔面を思いきり掌で叩かれた!!
耀くんはそのままオレにもたれ掛かって寝てる……


「もう…仕方ないなあ……はぁ〜〜」



オレは諦めの溜息をついて…

耀くんをお姫様抱っこで抱き上げるとそのまま寝室に引き返した。