03
順番が逆ですが 『 プロローグ 』 の前のお話です。(やっと2年生になりました。)
椎凪 : 耀の高校の美術の教師兼美術部顧問。(耀の事は”ようくん”と呼ぶ)
耀 : 元気×2な女の子。椎凪と同じ高校の今回は2年生。椎凪と交際中。(”オレ”と言う)
ピンポ〜ン ♪ ピンポ〜ン♪
チャイムが鳴ったからオレは慌てて玄関に向かう。
今日学校で椎凪が夕飯食べさせてくれるって言うから
椎凪の作る料理に目が無いオレはまだ椎凪が帰って来る前にやって来てた。
さっきもうすぐ着くってメールがあって椎凪だと思ったから
オレは確かめもせず玄関のドアを開けた。
「お帰り!椎…凪……」
「え?」
「……うそ…」
目の前に立ってたのは…何で?
「新垣先生っ!?あ!!」
まずいと思って慌てて玄関のドアを閉め……ガ ン !!
「え?」
閉まらない!?なん…
「!!」
ドアの隙間に新垣先生の靴が挟まってた!!
「ちょっ……」
やだ…どうしよう……
「いきなり閉めるなんて失礼だろ?」
「あ…あの…」
「君今日保健室に来た娘だろ?確か……2年の望月さん!」
「!!」
何で覚えてるの…覚えてなくてもいいのに…って今日の事じゃ無理か…
「あっ!!」
グイッっと押されて中に入られた。
バ タ ン ! とドアが閉まる…
「……え?」
オレは心臓がドキドキだ…だって…
「もしかして椎凪先生と付き合ってるの?」
「え!?」
「ねえ?」
「あ…やだ…」
壁に両手を着かれて壁と新垣先生に挟まれた!
「学校にバラされたく無いだろ?」
言いながら新垣先生の顔が近づいてくる…
「え?」
どう言う意味?
「君が教師と付き合ってるって…学校にバラされたくないだろうって言ってるんだよ…」
「!!」
いきなりそんな事言われてクイッと人差し指と親指で顎を掴まれて簡単に上を向かされた!
「あ…」
やだ…キスされ…る?
そんなのヤダ…でも恐くて身体が動かない!
「違っ…」
「じゃあ何でここに居るの?」
相変わらずオレに顔を近付けながら問い掛けてくる…
「………」
「自分の学校の先生の部屋に…付き合ってるからだろ?」
「違う……」
「何でそんなに意地張るの?」
「せ…先生は…結婚…して…るんでしょ…」
「ああ…でも現役の女子高生とお近づきになれるなんてこんなチャンス滅多にないだろ?
しかも弱み握った相手なんて…言う事聞かせ放題じゃないか…
それに奥さんは奥さん!遊びは遊び ♪ だろ?」
「や…」
新垣先生って…こんな人だったの?更に近づかれた…
「 オレの耀くんに何してる…新垣っ!!!」
「げっ!椎凪!?」
「椎凪!!」
新垣先生の背後で椎凪の声がして…
椎凪がもの凄い怒ってるオーラ出して指をボキボキ解しながら立ってたから…
オレは急いで椎凪に抱き着いた!
「椎凪…ぐずっ…」
もう我慢してた涙がぽろぽろ零れた。
だって…こんな事初めてで…訳わからなくて…
「大丈夫?耀くん…可哀相に…涙まで…」
椎凪がオレを抱きしめて涙を拭ってくれた…
「どうしよう…椎凪…せ…先生に…」
オレはもうしどろもどろ…
「……相変わらず性格悪いな…新垣…今度は本当に黙らすぞ!」
「何だよ椎凪折角久しぶりのご対面なのに ♪ 」
「それが嫌だったから学校でシカトしてたんだろ!」
「シカトするからこうやって会いに来たんだろ?」
「え?え?ええ?椎凪…新垣先生と…知り合い…なの?」
だってただの同じ学校の先生同士って言う感じの雰囲気じゃ無いもん…
オレは椎凪と新垣先生を交互に見つめてた……