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「え?」
今…由貴は何て言った?
「だから…今度の土日…あ…金曜の夜から泊まりがけで出掛けますから。
惇哉さんはちゃんと仕事行って下さい。」
さっきの甘い2人のキスからたかが2時間…一体何がどうなってそんな事に?
ベッドの上で由貴が正座して改まって言うから…ちょっと期待した自分が情けない…
「何…で?」
オレ何かしたかな?
「さっきの電話…お母さんからでたまにはこっちに来て欲しいって…」
「え?何で?」
「会いたいって…」
「そんな事今まで無かったじゃん。」
「当分こっちに帰れないからって…」
「行くの?」
「うん…さっき社長に連絡したら惇哉さんが良いならって…」
「………だ…」 「良いでしょ?」
「…由貴…」
「今ダメって言うつもりだった?」
「だってオレ一緒に行けないじゃん。ドラマの撮影入ってるから…」
「……仕方ないでしょ…いい大人が何拗ねてるの?たかだか2日でしょ?
日曜日には帰って来るんだし…」
「…はいはい…わかった。いってらっしゃい!」
「あ…なんか嫌な言い方!」
「オレが何言ったって行くつもりなんだろ…」
「じゃあもう少し気持ち良く送り出してよ。」
「由貴がいない間オレ1人なんだぞ…オレの方を気遣って欲しいよ。」
「じゃあ社長に頼んで他の人に…」
「ヤだよ!だったら1人でいいっ!!」
「……もう」
「金曜の夜なんて明後日じゃん…」
ぶつぶつ言いながら惇哉さんが布団に潜り込んだ。
「…………」
これは…行く時までゴネられるのかしら…?
「……惇哉さん?」
私に背を向けて寝てるフリしてる…
自惚れてる訳じゃ無いけど惇哉さんが私に触れないで寝るなんてありえないから…
これはきっとやっぱり…寝たフリよね?
「惇哉さん?ホントに寝ちゃったの?」
「……………」
「……そう…じゃあおやすみなさい。」
「由貴!」
「!!」
惇哉さんがいきなり私の名前を呼びながら振り向くから驚いた!
「な…なに?」
「何でそんなにあっさりと引き下がるんだよ!オレの機嫌とろうとか思わないわけ?」
「…だって…寝たのかと…」
「どう見たってタヌキ寝入りだろ?こんなバレバレの演技で何で見て見ないフリすんの!」
「じゃあ呼んだら返事してよ。」
「イジケてたの!ったく…由貴は…」
「……大人げ無い…」
「!!」
カ チ ン !!
「由貴!」
今度は由貴がオレに背中を向けた!
「…………」
ムウ〜〜……ホントに由貴は…
「!!」
ぎゅう〜っと由貴を背中からいつもより乱暴に力強く抱きしめた。
どうせ辛抱が足りませんよ。
「由貴…」
「なに?」
「由貴がいない間1人で寂しい…」
「ごめんなさい…」
「……満知子さんに…よろしく伝えといて…」
「うん…」
「いい子で待ってるよ…」
「もう子供みたい…」
「お土産は…由貴からのただいまのキスでいいから…」
「しませんから!」
「ケチ…」
「ちょっと…んっ!」
気持ちがおさまらなくて…由貴の顎を掴んでオレの方に向かせて…
強引に唇を奪い続けた。