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 ☆ 70話はここからお入り下さい!
   【R15のお話になっておりますので各自の判断でお願いします。それに長いです。読まなくてもお話は繋がります。】




「はっ!!」


いきなり目が覚めて飛び起きた!!周りを見渡すと明るくてどうみても朝!!

「なっ……い…今何時?」

慌ててベッド脇の時計を見ると…

「じゅ…10時40分?」

うそっ!!??だって…今日の撮影って10時からじゃなかったっけ?遅刻っ!!

「きゃっ!」

慌てて何も無い床でつまづいた。

「いたたた…なんで?…ってやっ!!!」

思いっきり裸だった!!!
私…昨夜……熟睡も熟睡で完璧夕べの事忘れてた…

「と…とにかく惇哉さん…って…あれ?」

ベッドには惇哉さんはいない…リビング?

恐る恐るパジャマの上だけ羽織ってリビングを覗くと…いない…?
仕方なくまずはシャワーを先に浴びようと浴室に駆け込んだ。
浴室に駆け込むまでも身体が思う様に動かなくて……これがつまづいた原因?

「………う〜んっと…」

熱いシャワーを頭から浴びながら昨夜の事を思い返す…
確か…ベッドに入ったあと惇哉さんが話をしようって言って……

それから…それから………

「きゃあああああーーーっっ!!!」

思わず大きな声で叫んでその場にしゃがみ込んだ!
ちょっ…待って…私…わた…し…そう言えば……昨夜…

段々意識がはっきりして来て…記憶が蘇る…

『 今夜由貴を抱く… 』

惇哉さんにそう宣言されて……それで…えっと…えっと……

あっさり受け入れて……ううん…あっさりじゃない…ちょっとは…抵抗して…拒否をした…
様な…え?ダメ…わからない…
もう自分で自分が情けない…そう言えば昨夜もシャワー浴びた気がする…?

「…………1人でじゃ…ない…」

そう惇哉さんも一緒に浴びたわよね???

ちょっ…ちょっ…私…本当に昨夜……どうしたんだっけ??

「…………」

ううん…そう…覚えてる…忘れるはずが無い……

私…昨夜…惇哉さんと……

「や…」

1人で急に恥ずかしくなる…昨夜の全てを思い出したから……

気付くと身体中にキスマークがついてた…だから余計現実味が帯びてくる…

惇哉さんはずっとああなる事を望んでた…
でも…私がずっと惇哉さんを受け入れなかったから…受け入れられないフリをしてたから…
惇哉さんはずっと我慢しててくれた…
いつもあんなに傍で寝てたのに…いつもあんなにキスしてたのに…

ずっと……

惇哉さんが私の事を好きだって言うのはわかっていた…
でも言葉で言われた事が無かったから…気付かないフリをしていた…

私が言わせない様にしてたのに……

『 オレは由貴のことが好き… 』

そう言えば…結局私は惇哉さんに 「 好き 」 って言って無い様な気がする…


自分の身体を洗いながら昨夜の惇哉さんが触れた感触が蘇る…
あったかくて…スルスル私の身体の上を滑らかに滑って……

私…失望させなかったわよね…?ガッカリ…されちゃったかしら…

「ハッ!!」

って私何考えてるの!!!


後悔は……してない…

だって…相手は惇哉さんで…私の事好きだって言ってくれて…
私を裏切ったりしないって…言ってくれた…私だけを好きでいてくれるって…

それで…十分だもの……


「はぁ…温まりすぎちゃった…」


何だかんだと考えてたら結構な時間シャワーを浴びててクラクラする…

「ん?」

リビングに入るとテーブルの上に私の携帯が置いてあって
メールの着信のランプがチカチカ点灯してた。

「なに?」

メールの送り主は……え?惇哉さん!?何で??

『おはよう由貴。ぐっすり眠ってたから起こさなかった。
今日はオレ1人で行くから由貴は今夜の為にゆっくり休んでで ♪ 』

「今夜の為って…何?……もう…」

お言葉に甘えてゆっくりする事にした…
だってもう今更な気分だったし惇哉さんって1人でもテキパキ出来ちゃうから……

私…マネージャー失格かしら…やるからにはちゃんとやろうと思ってたのに……

コーヒーの匂いがリビングにも漂ってくる……
そう言えば……今度ラブシーンがあるって言ってた…
しかもベッドシーンだって……

ショックじゃ無いって言ったら嘘になる…聴いた瞬間思考が止まったのは事実だから…
でもそれって…今から思うと惇哉さんの事が好きって事なのよね…だから動揺して……

他の人に触れる前に私が先って……一体どんな順位なのかしら…変なの…
でも惇哉さんらしいって言えば惇哉さんらしいかも……
しかも 『 オレが決めた! 』 なんて…余計に惇哉さんらしい…

それに…本当はそんなのは口実なのかもしれないと思った…


だって…今まで私がちょっとでも惇哉さんを受け入れてたら…

惇哉さんは迷わず昨夜と同じ事をしたと思うから……