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朝起きたらすでに惇哉さんがいなくて…私1人ぼーっとしてた…

今日惇哉さんが帰って来たら…私は一体どんな態度をとれば良いんだろう?

やっぱりこうなったからには恋人同士?
恋人?こいびと?何だか私と惇哉んが恋人同士なんてピンと来ない……
やっぱり身内?家族?弟?……ってそんな関係であんな事しないか……

やっぱり恋人になるのかな?………でも…変な感じ……



「由貴 ♪ 」
「!!」

惇哉さんが珍しく連絡をくれた時間に帰って来た。
大体は時間がおして遅くなるのに…どうして?

「ただいま ♪ 」
「お…お帰りなさい……」

惇哉さんの顔を見たら余計昨夜の事を思い出す…
だからまともに惇哉さんの顔が見れなくて……

「オレ先にシャワー浴びてくる。」
「わかった…じゃあその間にご飯の支度しておくから…」

一体どんな顔で…なんて思ったけど惇哉さんは至っていつもと同じで……
それにつられて私も普通に話せた。

やっぱり…慣れてるから?経験はあったって言ってたし…
あ…それとも昨夜の事は無かった事にって……ことなのかも…


「由っ貴〜♪」
「きゃっ!!」

後ろから抱きしめられて心臓が破裂しそうなほど驚いた!

「何でそんなに驚く?」
「だって…まだお風呂だと思ってたから…ビックリした……」
「どれ?」
「!!!」

惇哉さんが有無も言わさずサッと私の胸に手を当てる。

「ホントだ…ドキドキ!」

「もう!何するのよっ!」

久々に惇哉さんの頭目掛けて腕が上がる!だってこんな時にそんな事するから…
今の私は神経過敏!!でもそれをいとも簡単に受け止められた。

「良かった…いつもの由貴だ…」
「え?」
「気を使われたらどうしようかと思ってた…避けられたらって…」
「なんで?」
「だって…昨夜…の後だし…ちょっと強引だったかもしれないし…何より…」
「何より?」

「由貴がオレの事好きだって…まだ言ってもらえてないし…」

「 !!! 」

やっぱり…私まだ言ってなかったんだ……




「いやっ!だったらソファで寝る!!!」

「由貴!往生際が悪い!!」

さっきまでとはうって変わった惇哉さんが私をベッドに押さえ込む。

「力ずくなんて反対!」
「ふ〜ん…じゃあ由貴をその気にさせれば良いんだな?」
「その気なんてならないわ……うっ!…んん……」

寝技に持ち込まれて口を塞がれた!
いい様に口の中を遊ばれて…唇を舌でなぞられて…力が抜ける……

「はぁ…はぁ…ン……」

何でだろう…今までよりも余計に身体が反応しちゃう…

「由貴の為でもあるんだから…大人しくオレに抱かれて…由貴……」
「だっ……昨夜も……」
「昨夜は昨夜 ♪ あと1日しかないんだ…由貴…」
「……え?」

「由貴…オレをちゃんと覚えて…オレの身体と…肌の温もりと…オレが由貴に触れる感覚と…
どんな風に抱き合ったかを…由貴の身体で覚えて……絶対…忘れるな!」

「 ? 」

とっても真剣な顔で言うから…

「由貴……ちゅっ……」
「……ん…」

ちょっと長いキスをしながら惇哉さんが私のパジャマを脱がしていく……

たった1晩で…私もどれだけ惇哉さんの事を受け入れちゃったのか…今更納得してしまった……

身体が勝手に…惇哉さんに反応する……
でも…そんなに違和感が無いのは今までずっと一緒に眠ってたから…?

「由貴……」
「…………」
「好きだよ……」

知ってるわよ…昨夜だって一体どれだけ私に繰り返してくれたか…

「由貴も…オレの事が好きだって……言葉で…伝えて…」

「……いつか…言う……」

「………は?いつかって何だよ?」
「いつかはいつかよ!」
「…由貴…そんなに言いたく無い?」
「いいでしょ別に…」

だって…今更改まってなんて言えないもの…恥ずかしい…

「はあ……意地っ張りな彼女を持つと彼氏は苦労する…」
「やっぱり私って彼女なの?」
「!!……そこまで?」
「!!」

物凄い呆れられた…

「はあ…さて…」
「?」
「また最後は一緒にお風呂に入ろう…由貴 ♪ 」
「 !! 」

由貴が一瞬で赤くなった。
初心な由貴だから覚悟はしてたけど…

「由貴……」
「………」
「由貴…」
「…もう…何よ…さっきから…人の名前呼んで…」

2人でベッドに横になったまま惇哉さんが私を抱きしめて名前を呼び続ける…

「じゃあ…言わなくていいから頷いて…由貴はオレの事…好き?」

…………………………コクン!

「……くすっ…」

もの凄い間があって小さく頷いた…今オレはそれで満足だ……
いつか…きっと…由貴は言ってくれるだろう……

「じゃあ…由貴を抱いてもいい?」

ピクン!と由貴の身体が動いて…
今度もすごい間を置いてさっきよりも更に小さく頷いた。

「……好きだよ…由貴…」


オレはそう由貴の耳元に囁いて……

また由貴の身体を唇で確かめ始める……