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「惇哉さん帰ってたの?」

「うん…ただいま。」

「お帰りなさい。」


シャワーを浴びて出たら惇哉さんが帰っててソファで難しい顔してた。
手には私が事務所から持って来た惇哉さんのスケジュール表を持ってる…

「どうしたの」
「んー…いつなら平気か考えてる…」
「………」
「ん?」
「やっぱりドラマの撮影が終わるまで無理じゃない?」
「んー……」
「!!」

スケジュール表に目をやりながら惇哉さんが私に向かっておいでおいでをする。

「………」

呼ばれるまま隣に座った。

「由貴…」
「ん?」
「式って別にここでしなきゃいけないって事無いよな?」
「え?式場って事?」
「ああ…」
「でも…来てもらうならこの近辺の式場の方が良いんじゃない?」
「披露宴はな。」
「え?」
「式はそのメンバー参加しないんだからさ。」
「は?何?」

「よし!決めた!」

「!!」

いきなり惇哉さんが大きな声を出して顔をあげた。

「な…何よ!急にびっくりするじゃない!」
「この日にしよう!」
「え?」

スケジュール表を私に見せて指差したのは…

「この日?」
「そう!」
「………」
「この日なら次の日仕事夜だし…」
「でもここじゃ来てもらうのも大変じゃない?」
「だから披露宴は後日改めてこっちでする。」
「え?」
「式だけなら身内だけで済むだろ。時間もそんなに掛からないしさ。」
「………」
「いい由貴?」
「惇哉さんが…いいなら…」
「よし!決定!明日満知子さんにこの辺で知ってる式場ないか聞いてみよう ♪ 」
「………」

すごく喜んでる…

「由貴〜 ♪ 」
「なに?きゃっ!」

いきなりソファに押し倒された!

「何で先にシャワー浴びちゃうのかな?あれだけ一緒に浴びようって約束したのに ♪ 」

何でニッコリ笑って言うのよ…

「や…約束なんてしてないでしょ!いつも惇哉さんが人が浴びてるのに勝手に入って来るか
強引に私の事連れ込んで無理矢理一緒に入るんじゃない!」

そう…洋服の上からシャワー浴びせてそのまま入るしかなくて…

「だって由貴嫌がらないじゃん ♪ 」
「嫌がってます!困ってます!」
「じゃあ鍵かければいいのに?」
「惇哉さんじゃドア壊しかねないでしょ…修理代勿体ないもの…」
「そう ♪ だから由貴好きだよ ♪ 」
「だからって…何よ…」

「素直じゃない所 ♪ 」

「あ…」

惇哉さんの唇が優しく私の首筋を滑る…

「由貴…」

耳元で囁かないで…

「や……あっ…」

あっという間にパジャマの上着のボタンが外されて脱がされて…
キャミソールもあっという間に肩から脱がされる…

「きっと真っ白なウエディングドレス由貴に似合うよ…」
「アン…」

露わになった上半身に惇哉さんがキスをする…何度も何度も…
胸から背中から…だから私はキスされる度にピクンと身体が跳ねる…

「はぁ…ぁ…ン……」

どうして拒めないんだろう…こんな…ソファでなんて…

「ダメ…惇哉さ…待っ……」

カ プ ッ !

イヤだと言う代わりに由貴の首筋にカプリと噛み付いた。

「ひゃ!!」

由貴が跳ねたその隙に由貴のパジャマのズボンに手を掛けた瞬間…

「惇…哉さん……」

由貴がパジャマのズボンを掴んだオレの手を掴んで名前を呼んだ。

「何?観念した?」
「あの…」
「ん?」

「 その日……仏滅じゃないわよね? 」

「………え?」

潤んだ瞳で尋ねられた…
そんな由貴の言葉に一瞬で頭が真っ白になった!

ガ バ ッ ! っとソファから起き上がって壁に掛かるカレンダーを食い入る様に見る。

「大丈夫!仏滅じゃない!」

焦った!!本当良かったよ!!これで仏滅じゃ目も当てられない…って…

「あ!由貴!!」

振り向いたら由貴が脱がされたパジャマを抱きしめてソファから逃げ出す所だった!
しかも何気に素早い!あっという間に寝室に逃げ込まれた!

「……まったく…」

でも寝室に逃げ込んだら余計抱いてくれって言ってる様なものなのに ♪

「さて!オレもシャワー浴びてくるかな ♪ 」

オレは上機嫌 ♪
日にちは決まったから後はそれに向けて動き出すまでだ。


舞台挨拶最終日で次の日休みで次の仕事は夜からだし!時間はタップリ取れる!!

これを逃したらドラマが終わるまで無理だ!よ〜し…あと約2ヶ月!!

映画の舞台挨拶がある札幌で式を挙げることに決定!