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「もう惇哉さんいい加減にして…あ…」

「だって由貴…最高なんだもん ♪ 」

「だから惇哉さんの選んだ水着は嫌だったのに……やめ……」



レンジと遼平と一緒だった連続ドラマの撮影が終わって落ち着いた頃…
やっと披露宴をやる事が出来た。

披露宴当日…控え室にいる間オレは何度も何度も由貴にキスをした。

だって今日は誓いのキスが無いから…
由貴は嫌がったりせずにオレがねだるままキスの相手をしてくれた。

綺麗な由貴…


オレの大事な奥さんで…やっと手に入れた最愛の人だ……


ドレス姿の由貴がお色直しで現れる度に披露宴参列者達の感嘆の声が上がった。

オレだってハナ高々で気丈なフリの演技をしてないとあっという間に顔が緩む。

満知子さんの力の入れようも半端じゃ無く披露宴の後はやり切った感が漂ってた。

とにかくオレはその日一日中…上機嫌だったのは言うまでもない ♪

その後の2次会も盛り上がりに盛り上がって大騒ぎだった。
傍に来る奴来る奴由貴とツーショットを撮りたがる。
ある程度は横目で睨みながら我慢してたが流石に皆出来上がって来ると
由貴への馴れ馴れしさが半端じゃなくなってきたから由貴を避難させた。
レンジは北館監督と大いに盛り上がって「独り者の何処が悪い!」なんて語り始めてた。

次の日…皆あんなに飲んで仕事大丈夫だったんだろうか…

オレはしっかりと次の日は休みを取って2次会をやったホテルに部屋を取って準備万端。
由貴と2人…甘〜〜い夜 ♪ を過ごした事は言うまでも無い!

それからまたしばらく間を置いて新婚旅行の予定立てた。
結局結婚式から披露宴…新婚旅行とかなりの歳月を費やした…

そんな新婚旅行を数日後に控えオレが選んだ由貴の水着を
風呂上がりの由貴に試着させてると言う訳なんだか…

あんまりにも悩ましすぎてついつい後ろから悪戯な手が延びてしまってる…


「あっあっ…!!惇哉さん!!本当にやめてっ!!恥ずかしい!!」

由貴がリビングで必死にオレの手から逃げ様と無駄なあがきを見せて
両手を胸の前で交差してビキニタイプの上の水着を死守する。

「脱がせるの楽だな…」

首に廻された紐は簡単に外して背中のホックも外したからもう由貴の手が離れれば
水着は床に落ちるのに…

「バカ!脱がせる為のモノじゃないでしょ!今は似合うかどうか見る為でしょ…ちょっ…」

「由貴……」

耳元に意図的に優しく甘く囁く声で由貴の名前を呼んだ。

「…んっ!!」

惇哉さんの声が耳の中に響いて…背中を中心に身体が粟立った…
やだ…後ろから惇哉さんに抱きしめられて捕まった…

「…ちゅっ ♪ 似合うよ…由貴…」
後から由貴の頬にキスをしてピッタリと頬を密着させる。
「じゃあ…もう…いいでしょ……着替えて…来る…あっ!…そんなトコ…触らない…で…や…」

惇哉さんの両腕が私の身体の上を優しく撫でながら動き回るから…
しかも敏感に感じる所はワザとゆっくりと…何度も触る…

「じゃあこのまま寝室に行こう…寝室のベッドに水着の奥さんなんてなかなか無いよ ♪ 」
「も…イヤよ!…惇哉さん絶対楽しんでるでしょ?人の水着姿見て…」
「だって由貴の水着姿なんて初めてだもん ♪ 良かった…先に見といて…」
「なん…で?」
「心の準備が出来たから…いきなりあっちでこんな姿見たらそのままベッド直行だから。」
「海に入る為の水着でしょ…もう…違う水着自分で選ぶから…これは止める…アンっ!!!」

後ろからちょっと強引に両手で由貴の胸を軽く掴んで揉んだ。
由貴の腕があってその隙間に両手を滑り込ませたから軽くても結構な刺激だったらしい…
由貴が大きくのけ反った。

「腕…どけた方が良いと思うけど?」
「イヤ…どかしたら…ここで…見えちゃう…じゃない…絶対…イヤ…」
「ふーん……まあ良いけど…じゃあこっちも脱がす。」
「あっ!やっ!!バカ!!」

サッサと胸の腕を片方だけ引いてビキニの下の水着に手を掛けたら
由貴も慌てて片手でオレの腕を掴んだ。

「頑張るね…由貴…片手でオレに勝てるの?」
「もう水着なんて絶対着ない!!ずっとホテルの部屋にいるんだから!!!
惇哉さん1人で水着着て行けばいいんだわ!!!」
「あー…開き直ったな…そんな事オレが許すわけ無いだろ……由貴…」
「な…何よ…」

由貴の両腕に結構な力が込められてる…必死だな〜…可愛い ♪


「オレがこの水着着てって言ってる……着てくれるよな?由貴……」


「 !! 」


ピッタリと惇哉さんの顔が私の頬に密着したまま…耳元に囁かれた…
久しぶりに言われたそのセリフで私の抵抗する気持ちはあっという間に無いに等しくなる…


「も……ズルイ…」

その言葉で私が何も言えなくなる事を惇哉さんは知ってるクセに…

「ズルくて結構 ♪ 約束だぞ由貴……その代わりここではココまでにしてやるから。」
「じゃ…じゃあ離して…あっ!」

ほんの一瞬で惇哉さんの腕の中にお姫様抱っこで抱き上げられてた。

「続きはベッドで…」
「結局そうなるんじゃない!」
「ベッドなら大人しくオレに脱がされてくれるんだろう?」

「……惇哉さん…」
「ん?」

「………本当にこの水着…私に……似合う?」

「由貴……」

ちょっと赤くなってハニかんだ顔でそんな可愛い事をオレに聞く…

「くすっ…すごく似合うよ……指輪買った「TAKERU」の水着なんだぞ。」
「そうなんだ…じゃあ高かったんじゃない?」
「また由貴は値段気にする…」
「だって…そんな高いのにしなくても…」
「一生に一度の新婚旅行なんだからさ!ケチケチしない!」
「………はい……」
「由貴…」
「ん?」
「新婚旅行…楽しみ?」
「そりゃ…ね…やっと行けるんですもの…」
「これからは時間が取れたら旅行もしような。付き合ってる時に…
って言ってもそんな期間無いに等しいかったから仕方ないんだけど…
由貴と2人で色んな所行きたい…」
「そりゃ惇哉さんの仕事が無い時ね…」
「それも約束な。」
「うん……」
「じゃあ行こうか…」
「………あ…あんまり激しくしないでね…」
「何でそう思うの?」
「だって…嬉しそうな顔してるから……」
「わかる?オレだって待ちに待った新婚旅行だもんな…楽しみだよ。それに…」
「それに?」
「ウエディングベビーはダメだったけど今度はバッチリハネムーンベビー目指す!」
「………もう…いやらしいんだから…」
「これが普通!だから今夜はその予行練習!」
「どんな予行練習なのよ!いつもと変わらないでしょ!」
「それは由貴が身を持って実感して。」
「え?……どう言う意味?」
「直ぐにわかるって ♪ 」
「や…変な事考えてるんでしょ!!イヤよそんなの!!下ろして!!下ろしてってば!!」
「ヤダな〜由貴ってば考えすぎだよ ♪ 」
「そんな事無い!イヤ…ちょっと惇哉さん!!」
「頑張ってな…由貴 ♪ 」
「……………」

何なの?その楽しそうな嬉しそうなワクワクしてる顔は……


ゆっくりと寝室のドアが閉まる……

そっとベッドに下ろされて…いつもと変わらないキスをされた…

そして何でだか水着をちゃんと着せられた…

いつもと変わらない惇哉さん……なんだ…ドキドキして損した…って…



「あっ…あっ…ちょっ…ちょっと!!惇哉さん!?やっ…あっ…アンッ!!!!」




その日の夜は由貴にはちょっと初体験をしてもらった ♪

グッタリとなった由貴は朝までぐっすりと眠って…珍しくオレに起こされた。

起きてすぐに…オレは昨夜の事をこっぴどく怒られて頭に由貴の怒りの一撃を喰らった!

どんな事をしたのかはオレと由貴だけの秘密で…
多分…きっと当分同じ事はやらせてもらえないだろうな…なんて思いつつ…

ああ…旅行先にとっておけば良かったか?なんて思ったけど
まあ水着姿の由貴を一足先に抱けたからまあいいか ♪


後もう少しで…待ちに待った新婚旅行 ♪

行き先は 「 タヒチ 」 だ!