由貴ヤキモチ編 02





* 今回R15のお話です。隠してませんのでご注意を…



キシリと私のベッドが軋む…

惇哉さんが歩けなくなった私を浴室から抱き上げて連れて来てくれたから…

ベッドにそっと寝かされた…


「……ハァ…ハァ……んっ……」


身体が…言う事を利かなくて…なのに時々自分の意思に反してピクリと動く…

覚悟はしてたけど…シャワーの熱さと…湯気と…自分の身体の熱さで息が上がる…

そんなに攻められた記憶は無いのに…

何でだかずっと心臓がドキドキしてる……


「考えてみたらここで由貴を抱くのって初めて?」

「………かも…しれない…」

「さっき浴室でも思ったんだよな…あの感覚初めてだった…
浴槽の位置とかも違うからいつもと違ってて新鮮 ♪ 」

「もう……恥ずかしい事言わないで……」

「じゃあ由貴のベッドで愛し合うのも初めてってコトだよな?」
「…………」
「由貴…」
「ん?」
「憶えてる?ここで初めて由貴とキスしたの…」
「……うん…おまじないって…言った…」
「あの時はそんな口実ないと出来なかったから…あの時心臓破裂しそうだったんだぞ…」
「本当?惇哉さんがウソみたい……」
「それだけ由貴は特別だったんだ…鈍感だから全然気付かないんだからな…」
「……そんなの…わからないわよ…いつも私の事からかって遊んでたの惇哉さんだもの…」
「そう…きっと好きだからからかってたんだろうな…
だって由貴からかうのが面白くて真っ直ぐ帰って来てたんだからさ…くすっ…」
「何だか…ヒドイじゃない……」

「由貴が特別だったんだよ…これは本当だから……」

「……ん…」


優しく惇哉さんが…キスをする…私の舌を絡めながら…キスを繰り返す…

そんなキスをされながら…惇哉さんの重みと…肌の温もりがゆっくりと私の身体に伝わる…

「由貴……」
「あ…」

惇哉さんの唇が首筋に触れる…

惇哉さんの舌が私の身体を滑っていく……

惇哉さんの手の平が私の身体を確かめていく……


「ンア……アッ…」

目はギュッと瞑ったままで…

仰向けだったり…うつ伏せだったり……クルクルと身体の位置が変わる……

だから時々惇哉さんを確かめる…本当にそこにいるの?

肩から腕に沿って手を滑らせた…
肩から背中を通って腰に手を滑らせた…

そしてまた背中に戻って…ギュッと惇哉さんを抱きしめる…

良かった……いた……


「何?オレを確かめてるの?由貴……」

そんな手の動きだった…

「……うん……」
「大丈夫…ずっと由貴の傍にいるから…」
「うん……」

そんな返事をしながらゆっくりと目を明けた由貴がオレを見上げる…

「ん?」

「……私だけ…惇哉さんとこんな事していいのかしら……」
「は?」
「だって……んっ…」

そんな事を言う由貴の項に手を当ててオレの方に引き寄せてキスをした。
さっきより乱暴に舌を絡ませた…ちょっと長めに。

だから由貴がちょっと慌ててる…息継ぎ…まだ慣れてないんだよな…

「…うっ…んんっ!!ハアッ!!」

「……由貴は時々思い出した様にそんな事を言うよな…もう何度目?」

「だって……」

「由貴はもっと自信持ちなよ…オレの奥さんになったんだから…
オレが抱く相手は由貴だけ…由貴が抱かれるのもオレだけ…わかってる?」

「頭では…わかる…けど……惇哉さんの…後に…ファンの人が見えるんだもの…」
「……背後霊みたいに言うなよ…気を使ってくれるのは嬉しいけど…由貴。」
「ん?」
「左手出して。」
「?」
「いいから…」

言われて惇哉さんの背中に廻してた左手を惇哉さんの目の前に出した。
そうしたら惇哉さんも自分の左手を出して私の目の前にかざす…

「そんな事言ったらこれの意味無いだろ?なんの証明なんだよ?
ちゃんと誓ったじゃん…オレと由貴はお互いを夫と妻だって認めるって…」

「…………」

お互いの左手の薬指に光るウエディングリング…
薄暗い部屋の中なのにキラキラ光ってる…

「これはオレと由貴だけの指輪…他の誰にも嵌められない…」
「うん……」
「それを由貴は嵌めてる…オレも嵌めてる…だから2人は夫婦なの…わかった?」
「……うん……」
「怪しいな…そんなにオレ信じてもらえない?」
「信じてないとかじゃなくて…皆に…悪いって…思っちゃって…」
「それって由貴の中で 『 俳優の楠 惇哉 』 も特別な存在になってくれたって事?」
「え?」
「前は俳優のオレは認めてくれてなかったもんな…これもマネジャーやったお蔭?」
「………今は…俳優としてもスゴイなって思ってるわよ…」
「そう?ありがとう ♪ 」
「あ…」

惇哉さんが私の身体をぎゅっと抱きしめた…
そのまま片手が私の片足の膝の後ろを引き上げる。

「ちょっ…いきなり…まっ…ンア!!」

不意を突かれて力の抜けてた身体に衝撃が走った…
だから大きく仰け反って惇哉さんの腕を思い切り握り締めた…

「うっ……あ…」

「由貴……」
「……アッ……」

グッと…身体を1度押し上げられる…

「そんな顔見せるのと…声聞かせるの……オレだけだからな…」

「……うっ……」

また力強く押し上げられて息が詰まる…

「由貴……返事して…」

「……は…い……」

「愛してるよ…由貴……」

「……ぅ…ん…」

「くすっ……」

「笑わ…ないで……」

「ごめん……ちゅっ ♪ 」



初めての由貴のベッド…

いつもより狭くて…動きすぎて何度かベッドから落ちそうになって2人で笑った…

時々オレの事で可愛い悩み事をしてくれる…そんな由貴がオレはもっと可愛いと思う…

でもそんな由貴の…今まで見た事の無かった可愛い部分をこの後…見る事が出来るなんて…

その時のオレは知るはずも無く…

やっと手に入れた由貴を朝までずっと抱きしめながら眠った……