yoshihiko&tooru&you02

 * 少しBL要素入ってます。 亨は椎凪LOVEなので2人のお話にはつきもの…
   苦手な方&椎凪のそんなの見たく無いと言う方…ご遠慮下さい。 
   でも椎凪が詰め寄られてるのが見れます。
   『慶彦と僕。03』を読むとこの2人の関係が分かる…かも。(思わず誘導…)*




「スッゴク美味しいっっ!!オレ幸せ!!」

耀くんがいつもと同じ様にニッコリと本当に幸せそうに笑った。
「よかった。オレも幸せ。」
オレもいつもと 同じ様に耀くんにニッコリと笑った。
「………」
亨が無言でオレ達を見てる。と言うか耀くんをジッと見てる。
耀くんは痩せの大食いだ…モリモリパクパク 良く食べる。
しかも愉しそうに美味しそうに食べるから作ったオレもいつも嬉しくなるんだよな。
「君は本当に慶彦の料理が好きなんだね。しかも良く食べる…」
「?」
キョトンとしながら口だけはモグモグと動き続けてる。
「でも真鍋さんの料理も美味しい。オレ幸せ。こんなに美味しい料理食べれるんだもん。」
ニッコリと耀くんが笑う。
その顔が自然で可愛くてオレは大好きだ。顔がデレッと綻ぶ。

ド カ ッ !!

「ぐあっ!!いてっ!!」

余りの痛さにテーブルに俯せて悶絶した。痛くて声も出ねぇ…
「?…椎凪?」
耀くんが不思議そうにオレに声を掛ける。
「どうしたの?慶彦…」
亨がワザと らしくオレに声を掛けて来た。

澄ました顔しやがって…この野郎…惚けてんじゃねーぞ…
お前が今オレの脚のスネ…思いっきり蹴り込んだだろーがっ!!

「そんなに僕の料理美味しかったの?
やだなぁそんなに感動されると照るじゃないか。ニコ。」

ワザとらしぃ……目が笑ってねーんだよっ!!

「椎凪も美味しかっ たんだ。ふふ。」
「…まぁ…ね…ハハ…」
疑う事を知らない耀くんに嫌な思いをさせちゃいけないと
込み上げて来る涙を必死に堪えた。
「今晩泊めて貰おうかな。」
いきなり爆弾発言かっ??
「はぁ?!」
素で驚いた!
「久しぶりに一緒に寝ようよ。慶。」
「えっ…?」
流石の耀くん も反応した。
ガタッ!!
オレは勢い良く立ち上がった。

「と…おるぅ…冗…談も…そこまでにしよう…ぜ…な!」

オレはもう顔面蒼白で冷や汗 タラタラの心臓バクバクだ…
確かに昔亨の所に泊まる時はベッドが1つしか無いから
必然的に一緒に寝てたが…
マズイ…このままコイツを喋らせたらオレの 立場がまずくなる。
早くコイツを黙らせないと…

「椎凪…真鍋さんと一緒に寝てたの?」

「…ふ…へ…え…ぇ…?」
マヌケな返事になった…
そんな真っすぐな眼差しで見つめないで…耀くんっっ
「オレと同じだね。オレは祐輔だけどさ。
椎凪も一人じゃ淋しかったんだろ?良かったね。真鍋さんがいて。」
そう言うとニッコリと笑ってくれた。
「耀くん…」
「………」
亨が呆然とした顔で 耀くんを見てる。

ざまあみろ!耀くんの心は海よりも深いんだよ!ヘン!

オレは得意げで亨を見つめてやった。
当の亨はオレなんて見ちゃいなかったけど…
「そう言えば右京君の所に居た時は右京君と一緒に寝てたらしいね。」
「!!」
ナニッ!?オレは慌てて亨を振り返った。
「確か一緒にお風呂も入ってたとか?」
なにぃっっ!!!初耳ですけどぉ!!今度は耀くんを振り返った!
「…そっ…それは…オレの記憶が小学生までで…途中からは…ちゃんと一人で…」
もう耀くんは 真っ赤だ…オレは真っ青だけど…

「なっ…なっなんで亨がそんな事知ってんだよっ!!」

おかしいだろ?オレが知らないのに!!
「親同士の話だよ。 子育ての話したっておかしくないだろ。」
子育てってオレはお前に育てて貰ってないだろうがっ!!
何だその当然みたいな態度は?
「いいから座れば? バカみたいに立ってんじゃないよ。食事中だろ…」
「…!!」
なっ…元の原因はお前だろうがっ!
「そういえば旅行どうだった?右京君と行ったんだよね。」
また亨が余計な事を言い出す。
「あ…はい。楽しかったです。」
照れながら笑う耀くん…
以前耀くんは一週間右京君と北海道に旅行に行ったんだ…オレを置いて…
何だよ…やっとその事実から立ち直ったばっかだったのに…
「仲がいいんだね。右京君と。父親以上なんじゃないの?」
「はい。父親って言うか…オレの全部を 知ってて…オレの大切な人です。」

ガーーーン!!なんで…なんでそんな笑顔なのっっ?

「だってさ。慶彦。」
うっすらと口元が笑ってやがるっ!!
言い方に大量のトゲ突き刺さりましたけど?!
「!!!」
物凄い勢いで亨の方を振り向いて引き攣った顔で睨んでやった!

「念を押さなくたって聞こえ てるよっっ!!うるさいよっっ!!」

頭に来て亨にムカついて怒鳴った。
「!!!」
ハッ!しまった…!!頭に来て…オレ…
思わず両手で自分の口を 押さえた。

「……へぇーー…今…何て言った?慶彦…?」

亨の顔から一切の表情が消える…ヤバイ…でも後悔先に立たずだ…
「ま…真鍋さん?」
耀くんが心配して声を掛けた。

「君は黙っていなさい。これは僕と慶彦との 問題で躾の問題だ。」

躾?違うだろ?オレ幾つだと思ってんだ?今更…
「は…い…」
かわいそうに…耀くんがちっちゃくなった。
「おいで。慶彦… じっくり話合おうか?慶彦の部屋で。」
「エエっっ!!」
なっ…何言ってやがる…
「慶!!!」
いきなり襟首掴まれて引っ張られた!
「わーっっ!ちょっと…バカ!!やめっ!」
「椎…凪…」
耀くんが心配そうに引きずられるオレを見てる。

「君は覗かない方がいい。トラウマになるよ。」

亨が耀くんにそんな一言を言い放った。
何恐ろしい事言ってやがる…冗談も休み休み言っ…

「 うわぁぁ!!ちょっ…!!バカッ!離せぇぇぇぇ!!」

バ ン ッ !!

大きな音を立ててオレの部屋のドアが閉まった。

……椎凪大丈夫かな…何だか椎凪の部屋からもの凄い音が聞こえて来る…
もしかしてオレのせいなのかな?
「ごめんね…椎凪…」
オレは椎凪の部屋のドアが見える廊下からちょっとだけ顔を覗かせて
小さな声で囁いた…


大分経って二人が戻ってくると椎凪はそのままソファに俯せで倒れ込んで
しばらく死んだ様にピクリとも動かなった…

一体どんなお仕置きされちゃたの? 椎凪っっ…???


どんなお仕置きされたか…耀には一生言えない椎凪でした。