yoshihiko&tooru02





 これからの9日間オレは囚われの身。
 サドで変態の23歳の男に身体の危険にさらされてる…

  …でも…『オレ』でいられるから…少し気が楽かな…

 「慶彦!傷の消毒するよっ。」
 救急箱を片手に思いっきり嬉しそうに亨がオレに近づいて来る。
 「嬉しそうに言うな!ヘンタイッ!!!」
 一喝入れて睨んだ…でも全く気にして無い様子でオレのいるベッドのに腰を掛けた。
 まあ…元は亨のベッドなんだけど…
 「ねぇ…こっちが本当の慶彦なの?」
 「ああ…そうだよ…こっちが…オレ…」
 思いっきり仏頂面で返事をした…目も合わせてやらない。
 「何でそんな事してんの?」
 包帯を外しながら亨が不思議そうにオレに聞く。
 「その方が都合がいいの!このオレだと色々不都合なんだよ…」
 オレは既に諦めてて亨のされるがまま…
 「あー…これで縛りたい…だめ?」
 外した包帯を見つめてそう言った。
 「ダメッ!!」
 誰がいいなんて言うかっつーの!!
 「ちぇっ……ねぇ…このアザ…虐待されてんの?園の人に?」
 背中の痣を指でなぞりながらあんまり気にした様子も無い声で亨がオレに聞く…
 「 …ちがう… 」
 ボソッと答えた…
 「じゃあイジメられてんの?」
 「…………」
 無言が返事になった。
 「ふーん…そうなんだ…施設にいるから?」
 「……ちがう…オレが捨て子だから…親もいらない人間を構ってくれるんだってさ…」
 オレはどうでもいい様な口ぶりで返事をした…実際どうでも良かった事だから…
 「へー親切な事だね。」
 消毒液を手加減もせずに傷口に付ける。
 「だろ?…いてっ…」
 「で?施設の人には内緒なんだ?」
 「何で分かるんだよ…そうだよ…ただでさえオレなんかいなくてもいい人間なのに…
 これ以上迷惑かけらんねーだろ?いいんだよ… オレが我慢すればいいんだから…」
 「で?いつか仕返ししようと日夜不良相手に訓練してるんだ。」
 「仕返しなんかしない…ただのウサ晴らしだよ…
 ってどうしてあんたオレの 考えてる事分かるんだよっ!!」
 さっきからああ言えばこう切り返して来るし…
 「お子ちゃまの考える事なんて分かるよ。ほら…じっとして。」
 消毒を終えて 包帯を巻き直してくれる…後ろからオレの両腕の下に亨の腕がまわされた…
 何だ?なんかヤバイ気がしてきた…
 「何もそんな全部一人で背負い込まなくてもいいのに… ちゅっ! 」
 言いながらオレの背中にキスをした…おいおい…
 「うるさい…」
 何気に身体を動かしてチョットだけ逃げた。
 「僕の所に来る?」
 「はぁ?」
 いきなりまた何言い出すんだか… 
 「僕が保護者になったら好きな様にすればいい…イジメる相手を殴ったって僕は平気だよ。
 慶彦の事守ってあげる… 相手が何言って来ても僕負けないから。ちゅっ!」
 今度は…首筋にキスされた…あのなぁ…
 「そんな事になったらオレの身が別の意味で危ない。」
 「え?何それ?ヒドイ慶彦。」
 自分が今オレに何をしてるか…わかってないのかっ!?
 「大体昨日会ったばっかで何でそう言う事言うんだよ。」
 「慶彦の事が好きだから。」
 「は?」
 今何つった?オレの耳がおかしいのか?思わず首を傾げた。
 「聞えなかった?慶彦の事が好きだから。」
 そんなオレを見て亨が念を押すようにオレに顔を 近づけてもう一度言った。
 「なっ…オ…オレはノーマルだぞっ!!」
 慌てて後ろ向きのまま後ずさった…怖えぇ…
 「僕も…とは言えないけど…僕男も女もOKなの。」
 ニッコリ笑って怖い事言うなよ…
 「…なっ…オレはまだ13なんだからな…それにオレはお前の事何とも思ってない!
 ってか怖えーよ…マジで…すっごい身の危険を感じる…」
 「え?そう?なんだ…ちょっとショックだな…」
 ワザとらしく落ち込んだ顔をしてる…ウソだ…絶対ウソだ…騙されないぞ…

 …そんな身の危険にさらされながらも… 怪我がある程度治るまで帰る訳にもいかないから…
 結局亨の所にやっかいになっていた…男のくせに料理が上手いし…頭もいい…
 でも何とか貞操の危機は免れてる… オレの努力の賜物だ!
 ただ…一緒のベッドで寝る事と…なんだかんだとオレにキスをするのは…勘弁して欲しい…
 力では…身体の大きさから言って…勝てない… 亨とオレとは20cm以上差があるし…
 オレってキャシャな方だから…
 殴ってやろうと思うけど…ここを追い出されたら…と思うとキスぐらい仕方ない…と諦めた…
 ああ…あと本当に勉強させられるとは思わなかった…
 一日に何時間も…信じられない…その間もオレにベッタリとくっ付いてる…
 ほんと…いい加減にして欲しい…

 「あーあ…遂に最後の夜か…」

 あっという間に9日間はすぎて明日で連休は終わり…僕は本心からガッカリした…
 「傷も大分良くなったし…サンキュウな…亨。」
 「もう簡単にキスも出来ないんだよ…つまんない。」
 マジにガックリと肩を落としてる…
 「オレは安心だよ…お前オレにキスし過ぎだ…一日に何回も何回も…」
 朝も昼よ夜も…何だかんだと項目を付けてキスして来た…
 問題の答えが合ってたからってキスをされ間違えたからってお仕置きとしてキスされたし…
 結局何があってもキスされんだと途中からは諦めた…
 「また…毎日殴られるんだよ。いいの?」
 急に真面目な顔で聞くなよ…
 「別に…オレ気にしねーもん… 慣れてる…」
 亨から視線を外して呟いた…
 「バカだな…本当…バカ…」
 そう言いながら長く伸びた鎖を足元から掴んで…起用に慶彦の手に絡めた…
 「 ?…え…?わっ!! 」
 思いっきり後ろに引っ張って…余った鎖をベッドの足に繋がる鉄柱に巻いて固定した。
 慶彦をベッドに繋いだんだ… 両手は引っ張られて頭の上にある…
 「ちょ…と…亨…何すんだよ…離せよ…」
 慌てながらもまだ半信半疑の慶彦…僕は本気なのに…
 「だめ!」
 僕は慶彦の上に覆いかぶさった。
 「入院代と治療代払ってね。それから心配料…」
 僕はゆっくりメガネを外して慶彦を見つめて言った。
 「なんだそりゃ?」
 「だって毎日…慶彦が殴られてんの分かってて我慢しなきゃいけないんだよ…」
 「はぁ?」
 「僕が学校行ってそいつら殺そうかな…」
 本気でそう思って 言った…瞳が本気だって慶彦にも分かったはず。
 自分でも珍しいこんなにも感情に振り回されるなんて…初めてかもしれない…
 「やっ…やめろよな!放っとけよ オレの事は…」
 迷惑そうな顔で言われた…
 「わかったよ…本当ばか…慶彦って…本当はそんな奴らぶっとばせる力持ってるのに…本当バカ!」
 「ばかばか 言うなよっ!!いいからどけ!早くこれほどけっ!!」
 「だから身体で払って。」
 僕は慶彦の言葉は無視した。
 「おまっ…お前の方がマジばかっ!! やめろっ!! 」
 「だめ!諦めな…慶彦。」
 ドカッ!!
 「ぐっ!!」
 僕は無言で慶彦の鳩尾に拳を入れた…
 「げほっ…ごほっ…お前…」
 「慶彦はマゾなんだろ?殴られても平気なんだもんね…」
 「本当…お前変態…23の男が…13の子供…襲うなんて…」
 「慶彦なら平気だよ…」
 そっと慶彦にキスをした…
 「平気じゃ…ねーよ…ん…」
 思いっきり…舌を絡ませた…
 「慶彦もこれで大人の仲間入りだ…くすっ。」
 「やめっ…お前となんか…入りたく…ねー…」
 「言ってくれるね…くすっ… ようこそ…大人の世界へ。色々教えてあげるよ。」
 シャツを脱ぎながらからかう様に言った…
 「これ…邪魔だな…」
 慶彦の身体に巻かれてる包帯をほどいた…
 もう傷口も塞がってる…真面目にまた切り開いてしまおうかと思った。
 そうすればまた慶彦はここに居る事になる…
 「本当?マジで?止める気…ない?オレが頼んでも?」
 困った顔して…可愛いなぁ…余計その気になるよ…
 そんな顔を見て治りかけた傷口に手を出すのは止める事にした。
 「ないよ!僕慶彦イジメるの大好き。これで離れてても… 慶彦は僕のものだ…
 僕が慶彦の初めての相手もう誰も慶彦の初めての相手にはなれない…気分いいな…」
 「……う……」
 慶彦の顎を掴んで強引に舌を絡ませて黙らせた…
 「慶彦はいい子だね…キスが上手になってる…僕頭のいい子好きさ。」
 「はぁ…はぁ…」
 慶彦が僕を睨んでる…
 「夜は長い…朝まで慶彦を愛してあげる。 好きだよ…慶彦…僕だけの…男の子…」
 そう言って優しく髪を撫でた…
 「オレはお前なんか好きじゃ…ねぇよ…鎖…ほどけよ!そしたら…お前の事ぶん殴って やる…
 触るな!!」
 随分威勢の良い事…益々可愛い。
 「えー恩を仇で返すの?そう言う子はお仕置きだよ。」
 クスクスと軽く笑いながら慶彦の頬を撫でた。
 「どっちにしたってオレの事抱くつもりだろーがっ!!」
 「正解!ちゅっ!」
 ご褒美にオデコにキスをしてあげた。
 「一生恨んでやるっ!!」
 「一生僕の事覚えててくれるんだ。嬉しいな…」
 こいつ…オレが何か言っても軽く受け流しやがって…くそっ!

 「…くっ…」
 亨の…舌が…オレの身体を確かめてる…
 「感じてる声を我慢する事無いんだよ。」
 「ばっ!!誰が感じるかっ!!あっ…あっ…バッ…やめっ…ひー…ちょっ…」
 亨がスルスルと下に下がっていく…マジでヤバイって…抵抗しても簡単にズボンが下ろされた!
 「大丈夫。誰にでも初めてはあるんだから。」
 「何…言って… う…あ…本当…亨っ!!やめっっ!!…あっ!あっ!」
 身体が…勝手に反応する…くそー…亨の好き勝手にされて…何か悔しい…だったら…
 「おい! 亨ストップ!」
 「ん?」
 「分かったから…これ…ほどけよ…いいよ…決めた…お前にオレをやるよ…
 面倒見てもらったのは事実だし…お礼っつったって 何も出来ねーし…
 でも無理矢理されるより…自分の意思でする方がいい。」
 ハッキリとオレの意思を伝えた。
 どう見ても無理矢理なんだけど合意の上って事で…
 でも好きだからじゃない…世話になったお礼としてだと自分に納得させた。
 無理矢理力尽くよりも数段も気持ちが違う…オレからしてみたらだ…
 亨にとってはそんな事全く関係ないみたいだけど…
 「えー抵抗出来ない慶彦抱くのもいいんだけどなぁ…」
 「解いてくれたらお前に抱きつけるぞ。」
 縛られてなんてイヤだった。
 「それは魅力的。」
 すんなりとオレの要求は通ったらしい。

 ジャラ…
 言った通り首輪を…外してくれた… 9日ぶりだ。
 でもしっかりと亨はオレの上に両肘を付いて乗っかっている…

 「本当慶って僕好み。他の子と違う。」
 ニコニコと上機嫌だ…その笑顔の分 オレは落ち込んでいくんだけど…
 亨は気付いているのかいないのか…?
 「言っとくけど寝たからってお前のものにはならないからなっ。お礼だからなっ!!」
 オレは亨に念を押した。
 そんな所がお子ちゃまって言われるのか?
 「じゃあ…そう言う事にしておこう…くすっ」
 「何だよ…それ…」
 からかわれて 思わず突っかかる。
 「だって慶彦は僕のものだもの…」
 静かにジッと見つめられてそう告白された…
 何だか…これから始まる事に対するドキドキとは違う ドキドキが襲ってきた…
 何でだ…オレはこんな奴…なんとも…
 「ちがうって…んっ…チュ…ンア…」
 予告も無く思いっきり舌を絡ませたキスがオレを攻める…

 今度は少し息が出来る…オレは…キスの相手をしながら…抵抗しないで…亨を受け入れた…

 …ちゅっ…ちゅっ…
 シャワーを浴びながら… 亨が軽く…何回もオレにキスをする…首輪を掴んでオレを引き寄せながら…
 「お前…いつもこんな事してんのか?」
 してたらちょっと怖いと思った。
 「してないよ。慶彦だから…いつもはここでしない…僕の部屋なんて誰も連れて来ない…」
 優しい眼差しだった…
 「何でまた首輪付けんの?」
 シャワーを浴びる前にまた繋がれた…繋がれる時オレは身体が思う様に動けなくて…
 喘いでいたから抵抗出来なかった…
 「慶彦が逃げない様に。さっきは僕が 繋がってたから必要なかったの。」
 「ばっ!!何言ってんだよっ!!恥ずかしいなっ!」
 ニッコリと笑いやがって!!何思い出し笑いなんかしてんだ?

  ジャラ…
 「え?何?まだするの?」
 首輪の鎖を引っ張られてベッドに連れて行かれそうになって慌てて聞いた。
 「そーだよ今は身体を綺麗にしただけ。」
 「もう十分払っただろ?」
 オレはベッドに乗らない様にベッドの端で踏ん張りながら抗議した!
 でも…ものの数秒であえなく押し倒された。
 「まだ2時間しか経ってないよ。朝までって言っただろ?」
 「えー…!!うそ……」
 マジか?…マジなのか?本当らしい…ニッコリと笑いながらオレの首筋に顔をうずめて来た…
 「…はっ…んっ…くっ…」
 首筋にくすぐったい感触と柔らかくて暖かい感触が交差する…亨の舌だ…
 さっきからイヤって言うほど身体で憶えてる…

 「ねぇ…慶彦…」
 「…ん?」
 「僕のものに…ならない?」
 「 ならない!! 」
 即答で返事が返って来た…
 「やだな…何で即答?少しは考えてよ。」
 ショックで落ち込んで るって言うのにさ…分かってないな…でもそんな慶彦が好きだよ…
 「好きだよ…慶彦…」
 「子供相手に…何言ってんだよ…」
 「本当だよ…なんで子供なの? 慶彦は…」

 身体全部で慶彦を感じようと僕は目を閉じて慶彦を抱きしめた…
 僕よりも何廻りも小さな慶彦…どうしてこんなに好きになったのか…

 「…はっ…はっ…ンア!…アッ!…と…おる…やめ…もう…やめて…ああっ!」
 シャワーを浴びる前とは比べられないほど…亨が激しくオレを抱く…何だ?何かあったのか?
 大人の…女抱くみたいに…思いっきり全開でオレの事抱いてるのか?
 ちょっ…と…勘弁して…くれって…
 「…とお…る…ハァ…身体…変に…なる…やだ…や…怖い… んっ!!」
 「大丈夫だから…思いっきりイっておいで…僕は慶彦が乱れてる所が見たいんだ…」
 そう言って更にオレの身体に刺激が加えられた… コイツ…手まで…使いやがって…
 「…ああっ!!…あっ…あっ…こ…の…変…態…ハァ…んっ…」
 口を塞がれた…気が…遠くなる…

 オレはずっと… 目をつぶったまま…自分の身体が動く度に聞えてくるベットの軋む音が…
 遠くの方で響いているみたいだった…もうわけがわからない…オレ…今何処で…何…してんだ…

 …慶彦…本当に可愛いな…君は…
 こんなキャシャな身体で僕の相手何時間もしてるのに…まだ敏感に感じてるんだね…
 どうしよう…このまま君の事…壊してしまおうか…そして…僕だけのものにしてしまおうか…
 感じて…喘いでるその顔が可愛くて仕方が無い…
 でも…慶彦はそれを…望んではいない…残念だな…だから…

 …手に入らないのなら…この先後悔しない様に……
 今夜はとことん…君を抱く…一生…忘れないために…

 …こいつ…本当に…朝までオレの事抱きやがった…
 …オレを…殺す気なのか…もう…身体が動かないって…


 「もー夕方じゃないかよ…身体痛いし散々だ!」
 オレは不貞腐れてブツブツと文句を言った。
 結局昼まで暴睡して目が覚めると『まだ足りない!』って言われてちょっと前まで
 散々相手させられた…地獄だった…
 思う存分オレを抱き捲くった亨は超が付くほどご機嫌だ… 亨はオレと『愛し合った』なんて
 言ってるけどオレは愛なんて無かったしはっきり言って無理矢理だし…勘違いもいいところだ!
 「夕飯一緒に食べよ。そしたら送ってくよ。」
 ニコニコとオレを覗き込んで誘ってきた。
 「いいよ…なんか身のキケンを感じるし…」
 ソッポを向いてキッパリと断ってやる!誰が…
 「良くない!僕の言う事聞きなよ。じゃないと 愛し合ってる写真ネットで流しちゃうよ。」
 「…なっ!?どあほっ!!何だそりゃっ!!」
 冗談じゃないぞっ!!いつの間にそんな…!?
 「うそだよ。 2人だけの秘密だからね!」
 「じゃあ写真は無いんだろうな?」
 信じられなくて突っ込んで聞いた。
 「…………………… え?」
 明らかに怪しげな 沈黙じゃねーかっ!!

 「って!何だっその間はっっ!!!ふざけんなぁ!!!」