yuusuke&shinji+you






 目覚ましが鳴って目が覚めた!もう何回目が鳴った後だろう…
 「祐輔!!起きて!朝だよ朝!」

 起しやすい様にと昨日一緒に寝て正解!乱暴に祐輔の肩を揺すって起こした。
 「んー…今日…休む…」
 掛け布団に包まりながら祐輔が寝言の様に呟いた…もー…毎朝これだ…
 「ダメだよ!日数足りなくなちゃうよ…昨日約束したじゃん。」
 包まってる布団を捲って祐輔の顔を朝日が照らす。
 「……あー…眠ぃ…耀は鬼だな…」
 朝の苦手な祐輔がやっとベッドの上で起き上がって寝ぼけた顔でオレにそんな事を言う…
 「あー…祐輔ヒドイ…もーこんな可愛い鬼いないだろ?ほら!」
 オレも朝は苦手だけど祐輔を起こすのはオレの役目…祐輔が泊まった朝はいつもこんな風に始まる…

 キッチンのテーブルで簡単な朝食を食べる…パンとコーヒーだけ…
 「はい祐輔。食べたがってたあそこのパン…」
 オレは紙袋ごと祐輔に渡した。
 前から食べてみたいって 言ってたネット通販のパン。
 「お!サンキュ。買ってくれたんだ…」
 嬉しそうに袋を開ける祐輔…祐輔はパンが好きなんだ。
 「でもさ…2人で料理苦手ってのは致命的だよね…どうにかしないと…」
 オレは市販の玉子サンドをほお張って祐輔に言った。
 「オレは料理無理だぞ。それにオレはパンがあれば別に構わねーし…」
 取り出したパンを口に放り込みながら祐輔が答える。
 「朝じゃなくて夜ご飯!ほか弁ばっかじゃさあ…オレ食べるの趣味だから…」
 「チビの大食いだからな…耀は…何処にあんだけのモン入るんだか…良く太んねーよな…」
 「なんだよ…いいじゃん食べるの 楽しいんだから…」
 「別にバカにしてるわけじゃねーよ…オレ耀が楽しそうにメシ食ってるの見るの好きだしな。」
 「へへ…ありがと。」

 祐輔は時々オレの所に泊まりに来る…
 週3日か4日…後は女の人の所に泊まったり…たまに家にも帰るらしいけど…
 オレの所が一番落ち着くって言ってくれる…

       オレの…たった一人の…友達…


 高2になってすぐ…祐輔の家族が交通事故に遭った…
 一緒に行かなかった祐輔を残して全員…亡くなった… ご両親とまだ中学生だった妹さん…


 お葬式の後から祐輔と連絡が取れない…
 祐輔は携帯持ってないから…自宅に掛けても誰も出なかった…
 そんな時祐輔がオレの部屋を訪ねて来た…顔に傷を作って…

 「祐輔!心配してたんだよ…連絡取れないし家にはいないしさ…」
 「悪かったな…」
 そう言って優しく笑う…
 「あの家は処分する事になった…」
 「え…じゃあこれから祐輔はどうするの?」
 「…おふくろの方のジイさんの世話になる事に なった…」
 「え?おじいさん?いたの?祐輔に?」
 初耳だ…
 「まぁ色々あってな…あんま言いたかねーけど…」
 「?」
 「これ…オレの携帯の 番号…」
 「えっ!?携帯?祐輔がっ?」
 「ジイさんに持たされた…」
 そう言った祐輔は溜息をついてる…
 「え?どうしたの?何か祐輔変だよ…?」
 いつもの祐輔からは想像出来ない話ばっかりだ…それがオレを不安にさせる…
 当の本人は淡々とオレに話し続けてるけど…
 「それから今日からここにいるから… ん…住所…」
 「…うん…」
 差し出されたメモを受け取った…書かれている住所はオレの所から近かった…でも…そんな事より…
 「祐輔…大丈夫…?」
 当の本人よりも不安げな瞳で祐輔の瞳を覗き込んだ…
 「ああ…じゃあまたな。」

 そう言ってオレの頭を軽く撫でた祐輔はいつもの祐輔の顔だった…


 「…チッ…」
 オレは重い足取りでジジィに教えられた住所のマンションに向かった…
 目の前に大きなビルを思わせる建物がそびえ建っていた…
 「なんだ…ここは?これが…マンション?」
 マンションと聞いて耀の所みたいなのを想像してたんだが…なんか…嫌味なまでに…豪華なトコだ…
  ジジィに案内された部屋は今まで見たことも無い…リビングに繋がる廊下には幾つもの部屋の
 ドアがあったしリビングは50畳は在るんじゃないかと思わせる…
 そのだだっ広いリビングは大きな窓がバルコニーと繋がっててパノラマみたいに外の景色が見渡せる…
 心の中の何かが引き攣った…
 「何なんだよ…この部屋?」
 「何って今日からお前の部屋だ。」
 「はぁ?」 
 冗談だろ…
 「それから服も用意したから好きな物を着るといい。」
 見せられたクローゼットの中には 高そうな洒落た服がズラッとかかっていた…なんかムカつく…
 「なんだ?随分少ない荷持つだな?勉強道具入ってるのか?」
 「はぁ?んなの入ってるわきゃねーだろっ。」
 「 ばかもんっ!!お前にはこれからみっちり勉強してもらうぞ!まずは大学に
 入ってもらうからなっ!! 」
 「なっ!! ふざけんなっ!!誰が行くかっ!! 」



 この部屋に来てから2日目…
 学校にも行かず…部屋の中でじっとしていた…耀の奴…心配してんだろうな…
 気を使ってか一度電話が掛かって来ただけだ…

 …ピンポーン

 チャイムを鳴らした意味も無く…勝手にドアを開けて誰かが入って来た…
 「初めまして…君が祐輔君?」
 真面目そうな男…歳はオレと同じ位か多少上か?
 「ああ…お前誰だ?ジジィの知り合いか?」
 へえ…これはこれは…
 「…僕は橘慎二。これでも君より年上なのでよろしく。」
 「?」
 「今日から君の家庭教師だから。」
 「はぁ?」

 そう言うとそいつはニッコリと愛想良くオレに笑った…オレが睨んでも全く気にするフリもせず…


 祐輔の面倒を見始めて3日目…さっそくサボられた…部屋にいない…
 夜遅く帰って来ると服は汚れて…口元は切れて血が出た後がある…
 「何でサボったの?」
 理由は分かってたけどワザと聞いた。
 「…息が詰まんだよ…」
 「それでケンカ?バッカじゃないの?」
 もの凄い呆れた顔と声で溜息混じりにそう吐き捨てられた。
 「 !? 」
 「僕が来たからにはそんな事もうさせないよ…」
 そう言って慎二の奴がニコリと笑った…

 夜中の街を車を走らせてどこかのマンションに連れて来られた…
 その部屋には何十人と言う女がいたが…どう見ても普通の女じゃない…
 どいつも美人と呼ばれる部類に入る奴…その他に男が女の半分くらいいる…
 何かのパーティーか…?でも…何か異常な雰囲気なのは分かる…

 「何だここ?」
 慎二の顔を見もせずに話しかけた。
 「憂さ晴らしのパーティー。」
 「は?」
 何の躊躇も無くサラリと言いやがった…
 「週一位で誰かしらやってるんだよね…くすっ。」
 平然とした顔してやがる…
 「祐輔好みの子…決まった?」
 「は?」
 「まさか初めてのはず無いよね?」
 真面目な顔で覗き込まれた。
 「お前…」
 こいつ…見かけと…
 「なに?」
 オレの言いたい事を分かってるくせにそんな風に聞いてきた。
 「別に…今女を抱く気なんかねー…」
 視線を外して吐き捨てた…
 「そう?じゃあたまには抱いてもらうといいよ。」
 「 ! 」
 「瑠理ちゃん…こっち来て。」
 慎二に呼ばれたその女はもう呼ばれた意味が判ってるらしく…いきなりオレにキスをした…
 なんだろ…酒の味か…?絡んだ舌が…妙に熱い…

 そのまま別の部屋に連れて行かれて…ベッドに押し倒された…
 マネキュアを塗った細い指がオレのシャツのボタンを外していく。
 その間お互いに無言…断るのも 面倒くさかったし…葬式以来のやるせない気持ちもあって…
 オレはそのままその女に抱かれて…オレもその女を抱いた…

 どの位経ったのか…元の場所に戻ると慎二が立っていた…

 「おかえり。」
 意味ありげに笑ってやがる…そんな慎二の隣に立った。
 「お前…いつもこんな事してんのか?」
 「まさか!ただ祐輔の反応見てみたかったからさ…祐輔って女性に対して結構真面目なんだね…
 もっと誰でもいつでもOKかと思ってたんだけどな…」
 「人を欲望の塊みたいに言うな…」
 「まぁいいや…僕としては合格!女にだらしない子僕嫌いだからさ。
 祐輔…君にはこれから色々な事に挑戦してもらうよ。
 違う世界を知ってもらう…嫌とは言わせない…君の為でもあるんだから…
 それに社長…いや…おじい様との約束だものね…破ったりしないよね?祐輔…」
 そう言って微笑みながらオレの顔を覗き込んだ。
 「…………」
 こいつ…オレとジジィとの 約束分かってて…言ってやがんな…
 「僕も最初は社長に頼まれたからだったけど…今は違う…僕が自分で決めた。
 君を成長させてあげる…」
 オレの顎を人差し指で持ち上げながら慎二が話す…

 「なぜなら…僕が君を気に入ったから…これから僕の力を君の為に使うよ…
 その代わり祐輔も僕の期待に応えてね。僕を失望させないで…」

 祐輔の…瞳が一瞬で変わった…この瞳…この瞳が一番気に入ったんだ…

 「別に特別な事は無いよ。祐輔は祐輔のままでいてくれれば僕は嬉しい。」

 他にもいるなんて思わなかったもの…彼と…似た瞳…

 「まずは髪もう少し伸ばしてね。」
 「ああ?なんで?」
 「うちの専属のモデルになってもらうからさ。 祐輔長いの似合うよ。」
 また平然と言いやがったっ!!
 「はぁ?ふざけんなっ!!」


 祐輔の家族が亡くなってもう2ヶ月になる…祐輔は前と同じ… 時々オレの所に泊まっていく…
 でも…今の生活の事なんかは話たがらない…おじいさんの事とかは…特に…
 学校の帰りに寄り道をした…2人で夕飯を済ませるつもりで ファミレスに入った…

 「祐輔さ…髪の毛伸ばすの?」
 最近祐輔が今までと感じが違う…髪が伸びてきたせいだ…
 「あー伸ばせって言われてんだよな… 邪魔なんだよな…ホントは…」
 そう言って前髪をかき上げる…
 「言われてる…何?誰に?」
 「…!いや…」
 祐輔がしまったって顔した…
 「祐輔!何かオレに隠してるんだろ?何?オレにも言えない事?」
 そう言って祐輔の顔を睨んで覗き込んだ。
 視線を合わせて少し膨れっ面で見つめる… これで話してくれない時なんてないんだ…いつもの作戦。
 「……あー…実は…」
 祐輔が仕方無さそうに話し始めた。

 「えーーーっ!!モデルぅ??」
 思わず場所も考えず大きな声で叫んじゃった…近くの席のお客さんが振り向いた。
 「ばっ…声がデカイっ!!」
 祐輔が身体を乗り出してオレの口を 手で塞いだ。
 「あ…ごめん…」
 「オレのジイさんデザイナーで会社持ってるんだと…で…そこのモデルやる羽目になった…」
 バツの悪そうな顔で祐輔が話してくれた…
 「どうしてさ。祐輔ならそんなの断れるだろ?」
 そう…普段の祐輔ならそんな事に大人しく従うわけ無いのに…
 「…親父達の葬式の時に初めてジイさんに会った…
  いきなりオレの面倒みるって言い出したからムカついて…
 その時ジイさんに言われたんだ…男同士の勝負をしようってな…」
 「勝負?」
 「オレが勝ったら今後一切オレに干渉しない。オレが負けたらジイさんの言う事何でも聞いてやるって…」
 祐輔が悔しそうに言う…
 「え?じゃあ…もしかして…祐輔…」
 「別に年寄りだからって手を抜いたわけじゃない。現に何発かジイさんに入れてやった…
 でも…勝てなかった…  20回近く投げ飛ばされた…オレの完敗。」
 祐輔が溜息を洩らしながら呟いた…
 「うそ…祐輔が…?信じらんない…」
 ビックリして祐輔を見つめてしまった…
 「約束だからな…そしたら…あいつがが来た…」
 祐輔が思い出したくない様に目をつぶった…
 「あいつ?」
 「 そう僕!慎二です!ヨロシク!! 」
 急に男の人が祐輔に抱きついて自己紹介をした!
 「 !? 」
 「 う わ っ !! 」
 「なっ…何しに来た!?慎二…離れろ…」
 「えー?迎えに来たんだよ。悪い虫が付かないか心配でさ!」
 オレはビックリして…心臓が…ドキドキいってる…
 「ん?」
 「あ…」
 その人がオレの制服を見た…
 「何だ…男の子か!可愛いから女の子かと思っちゃったよ。だから邪魔してやろうと思ったのに。」
 「…だから…ワザとそんな登場…?」
 何か…変わってる人?なのかな…でも祐輔に抱きついても…祐輔怒らないんだ…
 「なんだ学校の友達もいるんだ。 祐輔の事だから一人もいないと思ってたよー安心!」
 今に頬がくっ付きそうなくらい祐輔に顔を近づけながら本当に嬉しそうにそう言った。
 「いいから…早く離れろ… ぶっとばすぞ…」

 「望月…耀…です…」
 「橘慎二です。そんなに警戒しないで…僕怖い人じゃないから。」
 「はぁ…」
 確かに怖くは無いけど…何だか…
 「耀はちゃんと人を見んだよ…お前の本性見抜いてんだよ…」
 「…ふーん…チョット失礼。」
 そんな祐輔の言葉も耳に入らない様子でいきなり席を立つとオレの横に素早く移動して来た。
 「うっ…わぁ…!!ちょっと…やだ…祐輔…」
 橘さんが突然オレに抱きついて身体中を触られた…オレは慌ててすぐ祐輔の方に逃げて
 背中に隠れた…
 「おい…慎二…お前いい加減に…」
 「やっぱり…君…女の子なんだね…身体付きでわかる…僕これでもモデル部門担当でね…
 女性の身体って知り尽くしてるんだ…何で?まさかそうやってまで祐輔の傍にいたいとか?」
 「……」
 オレは無言…そんなオレの代わりに祐輔が口を開いた。
 「そんな訳ねーだろ…事情があんだよ…」


 初めて祐輔の新しい部屋に入った…
 凄い…広くて…豪華…外もパノラマみたいに見渡せるし…ルーフバルコニーで広い…
 オレの事を祐輔が橘さんに話してるのに…オレは祐輔の部屋を興味津々で動き回っていた…
 祐輔が「 オレが説明する 」って…言ってくれたから…オレは祐輔に任せた…

 「ふーん…そう言う事…凄いトラウマ…抱えてるんだ…あの子…」
 バルコニーに 通じる窓を開けて外を眺めてる耀に視線を向けて慎二が呟いた。
 「だから…耀の事傷つける様な事したら…オレがお前を許さねーからな…慎二…」
 「祐輔の… お気に入りってわけ…か…好きって事?」
 「…?女としてって事か?…そうだな…女とかそんなんじゃなくて…可愛いとは思う…
 でも…耀は男なんだよ…誰が何と言おうと…
 女として扱ったら…きっと耀は…傷つくから…オレは絶対耀を傷つける事は…しない…したくない…
 だから…耀を守るって決めた…それだけだ…それに…耀の相手はオレじゃない…オレじゃダメだから…」
 「…?どう言う事…」
 「上手く言えねーけど…オレじゃダメだ…何かわかる…
 だからオレは一番傍に居るから…耀を支えるだけ…ずっとな…」
 「耀君の事が…大事なの…そう…わかった。大丈夫。安心してよ。僕も祐輔と同じに接するよ…
 祐輔が…守るって決めてるんなら…僕も耀君を守る…約束する…」

 …僕のお気に入りは君だから…君が喜ぶなら…祐輔の…望むままに…

 「耀君…少しいい?」
 バルコニーの手摺りに手を掛けて景色を眺めてる耀君に後ろから そっと声を掛けた。
 「あ…はい…」
 それでも警戒しながら耀君が振り向く。
 「祐輔から聞いたから…もう心配しないで…僕も君を理解して友達になりたいんだ… ダメかな?」
 ニッコリと笑って首を傾けた。
 「橘さんが…祐輔の友達…なら…」
 僕から視線を逸らせながら俯き加減で返事をしてくれた。
 「慎二でいいよ。 僕ね男って言ってもその辺に居る男の人よりもガサツじゃ無いと思うんだ。
 自分で言うのもなんだけどさ…くすっ。」
 「…はぁ…」
 確かに…チョット違う…
 「でもさ…良く祐輔と友達になれたね…怖くなかったの?祐輔見た目怖い人でしょ?眼つき悪いし…」
 結構ズバズバと言い切ってる…だから祐輔に勝てるのかな?… なんて思ってしまった。
 「怪我を手当てしてあげたから…って言うのもあるけど…その前から…祐輔の瞳に…」
 言いながら慎二さんから視線を外して真っ直ぐ 目の前に広がる街と空に視線を移した。
 「祐輔の…瞳?」
 「うん…クラスの人達は祐輔と目を合わせない様にしてたけど…
 オレは逆にあの瞳に…惹かれちゃって…」
 「…!…」
 「何でだか…あの瞳を見た時…祐輔ならオレの事わかってくれるって…そう思って…
 だから…祐輔が怪我をしてた時も…声…掛けられたし…
 掛けて…良かった…オレ…祐輔に会ってなかったら…きっと今頃死んでたから…」
 「耀君…」
 本当の事だ…子供の頃から孤独だった…誰もいなくて…いなくてもいいってずっと思ってた…
 誰からも必要とされなくて…生まれて来なくても良かったのにって…いつも思ってた…
 だからあのまま一人だったらきっとオレはそれに耐え切れなくて自分で 自分の命を
 絶ってただろうと思う…

 「だから…祐輔はオレの大事な…人…オレのたった一人の友達…」

 「耀君!!君って子はっ!!」
 そう言って慎二さんがオレにいきなり抱きついて来た。
 「…え?」
 「もー健気で可愛すぎだよっ!!何だろ…ホント守ってあげたくなっちゃうよっ!!」
 ギュウっと力一杯抱きしめられた…不思議と拒絶反応も出ず慎二さんを突き飛ばさずにされるがまま
 腕の中で大人しくしている自分がいた。
 「……あ…あの…苦…し」
 「それに僕と同じなんて!余計親しみ感じるよっ!!」
 「え?同じって…」
 「僕もね…祐輔の瞳に惹かれたクチなんだ。 だから耀君と一緒。僕達気が合うかもね…
 これからヨロシクね!耀君。」
 今までで一番の満面の笑みで見つめられた…
 「あ…はぁ…こちらこそ…」
 「絶対祐輔を女の魔の手から守ろうねっ!!」
 今度はもの凄い目の輝きを放ってる…ちょっと…凄い…
 「え?いや…それは…無理じゃ…ないかな…祐輔結構 女の人と付き合いがある見たいだし…」
 「ええっ?ダメだよ耀君。そんな弱気じゃ!!僕に協力してっ!!約束ね!」
 「はぁ…出来る…限りは…」

 何だか変な協定を結ばされた…でも…オレに大事な2人目の友達が出来た瞬間だった…



       そのせいか分かりませんが和海に出会うまで誰とも付き合う事の無かった祐輔でありました。