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いつもの朝。
隣を見ると耀くんが静かに寝息を立ててスヤスヤ眠っている…
オレはそのまま耀くんの上に覆いかぶさってしっかりと耀くんを抱きしめる…
頬ずりをしておはようのキスをして…もちろんしっかりと舌を絡ませる深いキスだ。
耀くんは筋金入りの寝起きの悪さだけどちゃんとオレに反応してくれる…
ただこの位じゃ起きないけどね。だからオレは勝手に耀くんで遊ぶ。
首筋に舌を這わせて耳たぶを噛む。
「…んっ…」
流石に感じたかな?耀くん感じやすいから…
「…椎…凪?」
珍しい…耀くんが起きた。
「おはよう耀くん。」
「んー…おはよう…」
軽いキスを交わす…起きてもオレの気分が変わることはない。
まずはパジャマのボタンを外す…いつやってもドキドキする。
ナゼか耀くんは必ずパジャマを着て寝るんだよな。
どうせオレに脱がされるのに…何でなんだろう?
…ん?あれ?でも何か…変だぞ?ん?…って…

「なぁーーーっっ!!…む…胸が…耀くんの胸がないっっ!!??」

オレはそう叫んで思わず飛び起きたっ!
耀くんが 眠たそうに目を擦りながら起き上がって
「何言ってんの椎凪…オレ男なんだもん当たり前じゃん…」
平然とそう言った…
「うっ…うそ…だ…違う…よ…」
思わず声が震える…情けない…
「なんで?夕べも愛し合ったじゃない…」
「う…うん…そうだけど…」
確かに夕べも長い時間愛し合った…でも…確かその時は 胸があった…と思う…
「変な椎凪…」
ニッコッと笑った顔は紛れも無くいつもの耀くんだ…

いつもと同じ朝…いつもと同じ部屋…いつもと同じ会話…
全てがいつもと同じ…耀くんが本当の男の子って以外はみんないつもと同じ…

あっという間に夜が来た…
出掛けた記憶が無いのに自分の中ではちゃんと仕事を した様な気がする…
いつもの様に耀くんとベッドに入った…ちゃんと耀くんはパジャマを着てるし…
いつもと何も変わらない…キスの仕方も耀くんの感じる声も… いつもと同じ…でも…

「どうしたの?椎凪?」
耀くんがいつもと同じ瞳でオレを見てる。
「えっ…?ううん…別に…」
何故か耀くんから視線を外した。
「オレが男だから?イヤなの?」
「えっ?違うよ…そんな事…」
ヤバイ…耀くんの機嫌が悪くなって来た…
「うそだっ!!オレが男だからしたくないんでしょ?」
「ちっ…違うって…」
「椎凪オレが男でも女でもどっちでもいいって言ったじゃないかっ!!」
「そっ…そうだけど…」

オレは耀くんが男でも本当に抱ける…
でも…どうもいつもと何かが違う…耀くんだけど…耀くんじゃない…何これ?夢?

「もー椎凪のばかっ!!椎凪なんて大嫌いだっ! 別れてやるっ!!」

その言葉がグッサリとオレの胸に突き刺さって…気が付くとベッドの上で飛び起きてた。
息が荒い…心臓もバクバクいってる…今は夢?それとも現実…?
隣で耀くんが静かに寝息を立てて眠っている…
オレは思いっきり布団を剥ぎ取って耀くんの上に馬乗りになった。
慌てふためいていたオレは気を使う事も出来ず乱暴に 耀くんの身体を正面に向かせた。
流石に目が覚めたらしい…目を擦りながらオレの名前を呼んだ…
「?…椎…凪?どうしたの?」
パジャマのボタンも外さずに 端を掴んで左右に思いっきり広げた。
何個かのボタンが取れて弾け飛んだ。
耀くんがビックリして言葉も出ない…
「!!…胸が…ある…本物だ…こっちが現実だ…」
ホッとした…耀くんが女の子だからホッとしたんじゃない。
いつもと同じに戻れたんだと安心したんだ…
「椎…凪…?」
耀くんが驚きながら信じられないといった 顔をしてる…
「もーいきなり何すんのっ?ヒドイじゃんっ!!」
慌ててパジャマの前を押さえて防御体勢だ。
でもオレはパジャマを掴んでるその手を掴んで耀くんの 頭の上で交差させて
オレの片手で押さえ込んだ。
もう片方の手でパジャマのズボンを無理矢理脱がせる。
「 あっ!? 」 
耀くんが焦ってる…
閉じかけた 足を空いてる片手で押し広げて無理矢理耀くんを抱いた。
「…うっ!…あっ…」
優しくとか…ゆっくりとか…考えてる余裕が無かった…
思いっ切り耀くんの身体を 押し上げる。
「…いたっ…やっ…あっ…椎凪…ヒドイ…いきなりなんて…」
耀くんが身体を仰け反りながら呟くようにオレに言った…
「ごめん…耀くん…でもね… 嫌な夢見たんだ…耀くんに別れるって言われた…」
そう言いながら更に激しく耀くんを押し上げた…
「あっ…オ…レに?でも…夢…だろ?…んっ…」
耀くんも 感じ始めてる…
「夢だけど…辛い…慰めて…耀くん…」
耀くんをオレの方に引き寄せた…
「椎…凪……あ…」
耀くんの息も弾んできてる…

「でも… オレが別れるって言うなんて…一体何したの?…椎…凪?」

「えっ!?」

思わず動きが止まる…
まさか男の子の耀くんを抱けなかったなんて言えない…
「ねぇ…何したの?」
耀くんが明らかに疑いの口調でオレに聞く…
「…夢…だから…耀くん…」
思いっ切り顔が引き攣ってるのがわかる…頑張れオレ!
「でもそれで今オレは強引に椎凪に抱かれてるんだろ?ねぇ?何で?」
「………」
なんだか…ヤバイ沈黙…
「浮気したの?椎凪?」
重〜い言葉と言い方 だった…うわぁ…マジヤバイ…
「ちっ…ちがうよっ!!」
「じゃあなに?」
あきらかに怒ってる……
「もっ…もー忘れちゃったっ!!忘れたっ!!」
オレはどうしょうも出来なくて…情け無い事に誤魔化してしまった。
「あーっ!!なんかそれってズルイっ!!」

結局その後途中だったのにベッドから 蹴り落とされた。しかも…
「もう今日は椎凪とはしないっ!!」
って耀くんに言われちゃったしーーーっっ!!
もう考えてみたらこれって今年初めての『H』 だったのに…ウソだろーっっ!!

「耀くんっ!ちょっと考え直してよ…」
「やだっ!!夢でも浮気した人と絶対しないっ!!初夢でそんなの見る?
ヒドイ!椎凪っ!!」
「だから…ちがうって…」

オレはそれから裸のまま耀くんの誤解を解いて…
今度は最後までお相手してもらえるように説得しなければ ならなかった…

新年早々何やってんだ…オレ…