cat food sweet valentineday 〜どうぞ私を召し上がれ♪〜 01
sweet valentineday 〜 どうぞ私を召し上がれ ♪ 〜 01





「ばれんたいん?う〜〜ん…」

今テレビでもお店でもその「ばれんたいん」って言うのばっかりでましろは良くわからない。
どうやら男の子にチョコをあげればいいらしいって言うのはわかるけど…

チョコなんてましろの方が好きだから男の子にあげるなんてもったいないよー

あれ?でもどの男の子にあげるのかな?
その辺にいる子?そんな話した事もない人にあげるのかな?
それともハルキにあげるのかな?

でもハルキあんまりチョコ好きじゃないんだよなー

そんな事を思いながらいつものコンビニに入る。

いつもの場所に何だかきれいなチョコがいっぱい…
これって中どうなってるんだろう?
いつもましろの買うチョコと違うのかな?
もしかしてこっちの方がいつも買うチョコよりおいしいとか?

え…どうしよう…ましろ買ってみようかな…

まずはコレでしょ…赤いリボンの付いてる箱のチョコを手に取った。
次は細長い箱のチョコ…次は何でだかお人形が付いてるチョコ…
それに箱がとっても大きなチョコ…あとは…

「真白ちゃん?」
「にゃ!あ…あゆみさん。」

誰かに名前を呼ばれた…
だからふり向いたら時々会う女の人が立ってた。

名前は「あゆみさん」って言ってましろがチョコを買いに来てた時にお話して
お友達になったんだ。

初めてのお友達〜♪

「そんなにチョコ持って何してんの?そんなに買うつもり?そんなにあげる人いるの?」

ん?あゆみさんがましろの持ってるカゴの中を覗いて驚いた顔してる?

「違うよ。ましろが1人で食べるの。いつもよりおいしいのかと思ったから。」

そう言ったら歩さんがちょっと笑った。

「あのね真白ちゃん…これはバレンタインのプレゼント用のチョコで…
まあ女の子が食べちゃダメってわけじゃないけど…普通は自分では食べないわね。」
「そうなの?やっぱりあげなくちゃいけないの?」
「え?」

今度はましろの顔を不思議な顔で見られちゃった。

「でもましろそんなにたくさん買うとハルキに怒られるし…
それにみんなにチョコあげるんじゃ一体どのくらい買えばいいのかわかんないな…」
「ま…真白ちゃん?聞いてもいいかしら?」
「ん?」

「バレンタインの意味…わかってる?」


あゆみさんはそう言うとましろと2人でコンビニの中にあるテーブルに
飲み物とおやつだって言って食べ物を持って来て 「少しお喋りしましょう」 って言った。


「あのさ、真白ちゃん。さっきのバレンタインデーの話なんだけどね?」
「うんっ!」

元気良く素直に頷く真白ちゃん。
その反応があんまりに無垢で私は思わず苦笑する。

 
「一応日本では好きな男の人に愛の告白と一緒にチョコを送るっていう日なんだ」
「ふーーーん」
「本命以外でも義理チョコとか友チョコとか。色々あるけど……
まぁ基本好きな男の人にチョコレートをあげるのよ」
「そっかぁ…じゃあましろはハルキだけにあげればいいの?」
「そうね。」

へーましろはハルキにだけあげればいいのか…

「ねぇ…真白ちゃん。ハルキさんにあげるチョコ一緒に作らない?」
「にゃ?」

あゆみさんがそんな事を言いながらましろの顔を覗き込む。

「真白ちゃんが手作りで作ったチョコ。きっとハルキさん喜んでくれるよ?」
「ほんと?ハルキ喜ぶかな?あゆみさん…」

あゆみさんが大きく頷いた。

「絶対喜ぶよ!今度一緒に作ろう?」
「うん!ありがとう!あゆみさん。でもどうやって作ればいいかな?」

ましろはまだあんまり料理が上手く作れないからな…
ご飯だっていつもハルキが作るのをお手伝いするだけだし…

とっても難しかったらどうしよう…う〜ん…ましろにできるのかな?

考え込んでたらあゆみさんがにっこり笑ってポンと胸を叩いた。

「それは任せて!お休みの日に家に来ればいいわ。今年は連休だしじっくり作れるし!」
「うん。わかった。」
「でもハルキさんには内緒よ。だから上手く言って出て来てね。」
「ハルキに内緒なの?どして?」

どうしてハルキに内緒なのか不思議であゆみさんに聞くとあゆみさんはウフフと笑った。

「ハルキさんを驚かす為よ!真白ちゃん!男はそんな女の子のサプライズに弱いもんよ!」
「さぷらいず?」
「んーびっくりさせちゃう事よ。頑張ろうね。」
「うん。」

あゆみさんはさっきからうれしそう。

「いい?絶対ハルキさんにはチョコ作ること言っちゃダメよ!内緒ね!内緒!!」

何度も何度もそう言われてその度に大きくうなずいた。



「え?友達?」

夕飯を食べながらハルキにあゆみさんの事を話した。
だってあゆみさんの所に行く事はちゃんと話した方がいいって…

「うん。コンビニで知り合ったんだよ。」
「何女の人?」
「うん。あゆみさんって言うんだよ。」
「あゆみ?で?」
「んと…」

─ いい?絶対ハルキさんにはチョコ作ること言っちゃダメよ!内緒ね!内緒!! ─

「今度あゆみさんの所に遊びに行くの。」
「遊びに?真白1人でか?」
「うん。コンビニからすぐだって言ってた。」
「ふーん…」
「だから行って来ます!」
「まあいいけどさ…迷惑掛けんなよ!特に真白は世間知らずなんだからな。」
「大丈夫だよ。あゆみさんいい人だもん。」
「真白!他所の人に絶対言っちゃダメな事は?」
「んと…ましろは前猫だったって事。」
「よし。約束だぞ。」
「は〜い ♪ 」

ヤッター ♪

あゆみさんハルキに内緒で出かけられるよ〜ましろちゃんとできたよ〜☆