cat food sweet valentineday 〜どうぞ私を召し上がれ♪〜 03
sweet valentineday 〜 どうぞ私を召し上がれ ♪ 〜 03





「ちゃんと相手の家に挨拶して帰って来たか?」

真白を送って来てくれた彼を見送って部屋に戻りながら真白に聞く。
真白がよそ様の家にお邪魔するなんて初めての事でオレはずっと気が気じゃなかった。

「ちゃんと言ったよ!またね〜〜って。」
「違うだろ!お邪魔しました!ありがとうございました!失礼します!」
「そんなむずかしい事言えないよ。でもちゃんと笑って手を振ってくれたよ。」
「そうか…まあ真白を家に呼ぶくらいだから少しは真白の事理解してくれてるって事か…」
「みんなやさしくて良い人だったよ。ハルキ ♪ また遊びに行っても良いでしょ?」
「え?まあ…相手に迷惑にならない様になら…な…」
「やったーーー!!ありがとうハルキ ♪ あ!そうだ!まだだったよハルキ ♪ 」
「ん?ああ……」
「ただいま〜ハルキ ♪ ちゅっ ♪ 」
「おかえり。」

入ったばかりの部屋の玄関でオレと真白はお帰りとただいまのキスをした。

結構気になってて…ハラハラしてて…でも真白事がバレもせず無事に帰って来たから…
オレはホッとする…

これから先真白を部屋に閉じ込めておく事は出来ないし
人として暮らしていく以上これからはもっと人の生活に慣れなきゃいけないし…

でも…たかが数時間の事でこんなにも緊張の…心配をしなきゃいけなくて…
オレ…これから先持つんだろうか?

……禿げたら…どうしようか…

「はぁ〜〜〜ん?真白?」
「なに?」

まだオレに引っ付いてる真白から微かに甘い香りが漂う。

「真白…何だか甘い匂いがするぞ?」
「ん?チョコまみれなの!」
「は?」
「チョコいっぱい。」
「チョコ?ああ…お菓子出してもらったのか?」
「そうそう ♪ 」
「ふーん…まさかいつもみたいにバカ食いしなかったろうな?」
「大丈夫だよ。ちゃんと我慢したもん!」
「ならいいけど…さて!ご飯にするぞ。明日はちゃんと手伝えよ。」
「うん。」

ちょっと遅めの夕飯を食べていつもの如く一緒に風呂に入って…
いつもの如く…真白と愛し合った…


「ん?」

「 ……… 」

「んん?」

「ハルキ!ハ〜ル〜キ〜〜〜!!」

「……は?」

珍しく真白に起こされた。
いつもはオレが起きるまでオレの胸の上で寝てるのに…

「なんだ?どうした?何かあったのか?調子悪いのか?」

真白はまだ具合が悪いとかなった事が無いからオレは
ちょっとその辺に関しては敏感になってて…

「ううん。大丈夫だよ。」
「え?じゃあ何だよ?ってまだ4時じゃん!何だよこんな朝早く…?」
「目が覚めたんだもん。もう今日でしょ?」
「は?今日?まあ…確かに今日だけど…?」

一体何の事言ってんだ??

「はい!ハルキあげる!!!」

「いてっ!!!」

思いっきり寝起きの顔面に何かを突きつけられて顔にモロ当たった!

「なっ…何すんだ!!」

顔を手で押さえながら真白を睨む。
加減しろっての!

「はい!ハルキ 「ばれんたいん」 なの ♪ ♪ 」

「え?」

真白がニコニコの顔でオレに綺麗にラッピングされた包みを差し出してる。

「バレンタインって……真白わかるのか?」

てっきりわからないだろうと思ってた…

「うん。あゆみさんに教えてもらったんだ。「ばれんたいん」 は好きな人にチョコをあげるの ♪」

「……教えて…もらった?」
「うん。「ばれんたいん」 は14日で昨日明日になったら渡すのよってあゆみさんが言ったから。
明日が今日になったからはい!ハルキあげる ♪ 」
「…………」

だからって…こんな早朝に渡さなくたっていいと思うが…
きっと目が覚めて今日になってたからもういいと思ったんだろうな…

これから先の事を考えてもう少し時と場合を考えてくれる事を祈るよ…真白…
そんな事を思いながらも真白が差し出してる包みを受け取る。

「ありがとう…真白。記念すべき真白からの初めてのプレゼントだな。」
「うん。初めて〜〜 ♪ 見てみて!」
「…………」

初めてってわかってるのか疑問だが…
受け取った包みを気を使ってあけていく…リボンをほどいて…包み紙を外して…

「へえ……」

開いた箱の中にはいかにも手作りのデコレーションを施されてる
ハート型のチョコが入ってた。

真ん中にちょっとイビツな字でデカデカトホワイトチョコでオレの名前が書かれた。

まさしく真白の字!

「もしかして手作りか?」
「うん!昨日あゆみさんの所で一緒に作ったんだよ。」
「一緒に?……そっか…大変だっただろ?」
「んーーーむずかしかったけどおばさんが教えてくれたから大丈夫!」
「そっか……色々お世話になったんだな真白…」
「?」

「……ありがとう真白。嬉しいよ。」

ハルキがそう言ってニッコリ笑ってくれたからましろもとってもうれしかった!

「ふふ… ♪ ♪ うれしい?ハルキ?」
「ああ…あとでちゃんと食べるからな。」
「後で?」
「こんな朝早くからチョコ食べれないよ…」
「そう?ましろいつでも食べれるよ〜 ♪ 」
「真白ならな……ん?そっちの箱は?」

布団の足元の方に横に倒れてる紙袋の中からもう1つ箱が飛び出てた。

ラッピングはされてないが箱はプレゼント用の箱…
紙袋は昨日真白が持ってたな…

「え?あ!これは真白の ♪ 」
「真白の?」
「自分の分も作ったんだ〜〜 ♪ 」

そう言って身体を捻ってその箱を拾い上げる。
真白は今起き上がって座ってるオレの膝の上に布団の上から座ってる。

「ふふ〜〜 ♪ 」

「…………」

得意そうに箱をオレの方に見せて蓋を開けると…
どう見てもオレにくれたチョコよりも数倍大きなハートのチョコが
綺麗にデコレーションされて入ってた。
オレのと同じ様にチョコのど真ん中にイビツな字で今度は「ましろ」と書いてある…

「なんで真白のチョコの方が大きいんだ?」

メインはオレだろ?

「え〜?だってましろもチョコ食べたかったんだも〜ん ♪ 
作ってる間ずっと我慢してたんだよ!!目の前にあんなにおいしそうなチョコが一杯あったのに!
それに頑張ってハルキにチョコ作ったごほうび ♪ 」

何でご褒美なんて言葉知ってんだよ!まったく…
嬉しそうな顔して…そんなにチョコ食べれるのが嬉しいのか?

「真白。」
「ん?」
「チョコと一緒に言う言葉があるんだぞ。」
「え?そうなの?」
「ああ…オレが言うから言ってみろ。」
「うん…わかった。」

「 『私も一緒に召し上がれ ♪ 』 って言うんだ。」

言ってる自分が恥ずかしくなった。
何言ってんだ?オレ…

でも…このチョコの甘い匂いのせいか…それとも真白のせいか…

こんな甘い匂いの中で真白を抱いてみたいなんて思うのは変か?

「んーわかった。一緒に言う言葉なんでしょ?じゃあましろ言う!!」

「…………」

「 ましろも一緒に召し上がれ ♪ 」

「 !!! 」

跨いでる布団の上の足の間に両手を置いてオレを見上げる様に言う…
しかも教えてないのに「私」を自分の名前に置き換えるなんて…

「どう?ハルキ?」

「…………」

想像以上にドキン!!と来てしまった…ヤバイ……でも…

今日はバレンタインだもんな…ちょっとくらい羽目を外しても構わないよな?
時間もある事だし…

オレはニッコリと笑って真白を見つめる。

「ハルキ?」

「じゃあ…時間を掛けてゆっくりと頂く事にしよう…」

「あ……」

「ちゅっ ♪ 」

真白の腰に腕を廻して引き寄せてキスをした。


真白の唇からは甘い甘いチョコの味がした気がした……

心地良い甘いチョコの匂いが漂う中で…

真白の猫声が聞える様になるにはそれほど時間はかからなかった…