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葵くん8ヶ月…お座りが出来る様になった。

「あー…」
葵くんがオレと耀くんを見上げて話しかける。

「いやー耀くんにそっくり!!オレ嬉しいよ〜〜」
オレはデジカメを持ってそう言った。
毎日撮りまくってるんだ。
「クセっ毛は椎凪だけどね。」
「葵くんオレの事愛してね。オレも葵くんの事愛してるからさ〜〜♪♪」
抱き上げてホッペにキスをした。
「耀くんの事も愛してるよー」
葵くんを座らせて今度は耀くんを抱き寄せてキスをした。
「ん…分かったって…椎凪…あっ…」
思わず調子に乗って耀くんを攻めそうになる…オレ…今すっごく幸せなんだ!!

「…ん?」
耀くんがオレのキスを受けながら何かに気付いた。

「 あれ!?椎凪!! 葵がいないっ!! 」
「 ええっ ??」

本当だ…今までそこに座ってたのに…
「んなバカな…さっきまでここに…」
オレは葵くんがさっきまで 座っていた所で膝をついて辺りを探した。
ん?リビングの入り口のドアが…開いてる?

「 !! 」
オレと耀くんがそっとドアの向こうの廊下を覗くと…
葵くんが一生懸命ハイハイしてるじゃん !!

「えっ?もしかしてハイハイしてるの?葵くん!?」

オレは我に返って思わず叫んだ。
「そーみたい だね…」
もー何落ち着き払ってんの!耀くんってばっっ!!
「わーーっ!!!ビデオ…ビデオ撮らなきゃっ!!カメラっ!カメラっ!!」
オレは慌てて リビングにビデをカメラを取りに戻った。


…葵くんが生まれてからオレは今まで以上に幸せだよ…

         だから…たくさん 愛してあげる…

オレが…親から愛されなかったぶん…

         耀くんと葵くんに…オレの愛をあげる……



仕事から帰ってシャワーを浴びて寝室に行くと…
ベッドに耀くんと葵くんが眠ってた。
「おやすみ…葵くん。」
オレは葵くんをオレ達のベッドの横に置いてあるベビーベッドに移して
おやすみのキスをした。
「耀くん…ただいま。」
そっと…でも耀くんが起きる様なキスをした。
「…!…椎凪…あ…おかえり…ごめん…寝ちゃった…ご飯…食べる?」
「うん…でも…その前に…」
オレはそう言いながら耀くんのパジャマのボタンを外し始めてた。


「あ…あ…はぁ…はぁ…んっ…」
耀くんは…変わらない…
感じやすくって…いつも…いつでも…オレを拒んだりしない…
そんな耀くんが動きを止めた…

「!…し…椎凪…待って…!!」

耀くんがオレの背中に 廻した腕で合図をする。
「だめ!やめないよ。」
オレは体勢を変えて耀くんの脚を引き上げてさっきよりも激しく攻めた。
「やっ…あっ…ちが…う…葵が…」
「 え? 」
そう言われてベビーベッドの方を見た…

「 うっっ!!  」
葵くんが…絡み合ってるオレ達をじっと見てる…
「……………」
その真っ直ぐで純真無垢な瞳に射抜かれて…動けないっっ…!!

「うっ…うぇ…うわあぁぁぁぁぁぁぁーーん!!」

葵くんがいきなり泣き出した。
「葵…」
耀くんがそっと抱き上げてベッドに腰掛けて葵くんを抱きしめる。
「どうしたの?オレ…ここにいるよ…」
耀くんが優しく葵くんの背中をトントンと叩いて 落ち着かせた。
しばらくすると葵くんが耀くんのパジャマにしがみつきながらまた眠りについた…
そんな2人をオレはベッドに横になりながら眺めてる…

「いつから見てたの?葵くん…」
そう言って葵くんの頭を撫でた。

「R指定だぞ。」

「椎凪…」
耀くんが呆れた顔でオレを見た。


伝い歩きで歩ける様になると葵くんの行動範囲は広くなる。
時々少しなら歩けるし…

ここは寝室…耀がまだベッドの中でお眠り中。
そこに葵が一生懸命 ベッドに掴まりよじ登っている。
そして眠っている耀にいきなり『ちゅう』をした。

「 !? え? 葵…?」
耀が目覚めて起き上がる。

「良く登れたね…ん?どうしたの?葵…」
「ちゅー ちゅー かあ ちゅー」
「え?ちゅう?オレと?椎凪とすればいいじゃん…泣いて喜ぶよ。葵…」
「とう やあー… かあ…ちゅう。」
「えー?珍しい…」
いつもは椎凪にべったりなのに…今日はどうしたんだろう?
「まぁ…仕方ない…んー…」
オレは葵に向かって身体を屈んで顔を近付けた。
「 レロ レロ レロ 」
「 !!…ちょ…葵…?」
葵がオレの唇を舌で舐めまくった…え?なんで?
「 かあ ちゅー かあ ちゅーー 」
更にオレに迫って来る…え?本当にどうしたの?葵…
「ちょっ…ちょっと待って…葵…わっ…」
そんなやり取りを 椎凪が聞きつけて寝室に入って来た。

「あー!ズルイ!!葵くん!!オレだってまだおはようのキスしてないのに!!」

「椎凪…何言ってんだよ…」
そう言ってベッドに腰掛けてオレの顔を両手で挟んでキスをした。
「ん〜〜♪♪」
長い…長い…おはようのキス…
「あ…」
舌を絡ませて…深い深いキスを するから…もー…椎凪ってば…
「耀くん…」

そんなオレ達を葵がジッと見つめてる…

「ちょ…ちょっと椎凪…待って…ん…」
「なに?オレ…まだしたい…」
オレの唇から離れず椎凪が答える…
「あ…あのね…葵の教育上…その…良くないと思うんだ…こーゆーキス…」
「 えっ!?えーっっ!!なんで?なんで?」
納得できないって態度の椎凪にオレは葵を抱っこして言った。

「葵!椎凪に 『ちゅう』 してあげて。」


 「 !? 」
 「 レロ レロ レロ レロ 」
 さっきオレにしたのと同じ…
 椎凪の唇を舌で舐めまくる!!
 「うっ…ちょっと…葵…くん?」
 もう椎凪の唇は葵のヨダレで
 ビチョビチョ…凄い事になってる…

 「ね!」
 「えっと…これは…?」
 椎凪が不思議そうにオレに聞く。
 「さっきのキスの…
 マネしてる らしんだよ…」
 「 ええっ!! 」


未だに小さな可愛い舌をペロペロと出してる葵くんを…耀くんと2人でしばらく眺めてしまった…


子供って…おもしろいんだな…とつくづく思う椎凪と耀でした。