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『ねえ 椎凪…』
『ん?』
『オレ身体は女だから女の人と同じ様にオレの事抱くでしょ?』
『そーだね…』
『オレ…本当は男なのに…女みたいに抱かれて… 感じるんだ…なんか…嫌だな…』
『耀くん…』

最後までオレに抱かれるのを拒み続けた耀くんが最後に溢した言葉…
それでも…オレは…耀くんを抱いた…

『耀くんが男の子の身体でも…女の子の身体でも…同じ事だよ…
オレは同じ様に耀くんを抱くから…身体は関係ないんだ…』
『椎凪…』

そう囁くと オレはそっと耀くんにキスをした…

「ん……」
耀くんがオレの下で一生懸命声が出るのを我慢している。
「し…椎凪…ハァ…」
「ん?」
「オレ…どうしたら…いいの?」
ずっと目を瞑ったままの耀くんが息を弾ませながらオレに聞く。
「自然でいいんだよ。声が出るなら声出して…我慢する事ないんだよ…」
そっと耳元で囁いた…
「だって…はずかしい…」
「可愛いね…でもきっと声…出ちゃうよ…くすっ」
「…え?…」
ただでさえ半年間女断ちしてたんだよ… しかも相手は耀くんなんだから…
オレがどれだけ嬉しいか判る?
感じた声を我慢できるような抱き方…オレがするわけないでしょ…
張り切らないわけないじゃないっ!

「……あっ…ん…」
耀くんが…オレの下で乱れてる…
「あっ…やっ…そこっ…ダメっ…ん…やめ…」
時々耀くんがオレを止めようと手を出して邪魔をする。
だからオレはそんな手を押さえ付けて更に攻め続ける。
「…んあっ…椎…凪…やぁ…」
凄い耀くん…初めてなのにこんなに感じるんだ…感じ易いんだね…初めて知った。
耀くんの身体を…オレの唇と舌と手で確かめていく…触れていない所はない…
耀くんの身体の隅から隅まで確かめた…
オレに触れられるたびに今まで見た事の無い耀くんがオレの目の前に現れる…
耀くん…好きだよ…耀くんの全てを…オレに…ちょうだい…

「…はぁ…はぁ…」
耀くんの呼吸が浅く速い…そんな耀くんを見下ろして息を呑む…
なんか凄い ドキドキしてきた…初めての時だってこんなにドキドキしなかったのに…落ち着け…オレ!
耀くん…ついに本当にオレのものになってくれる時が来たんだ…
でも… 今の耀くんは何も耳に入らないみたい…息が弾んで…必死に何かを堪えてる。
ホント…がんばるね…でも…
オレは耀くんの両足をチョットだけ広げると出来る限り 優しく…静かに…耀くんを求めた…

…うっ!え?何?
思わず動きが止まる…すげ…キツっ…!!入んねー…!?
暫し硬直!…こんな事初めてなんですけど……
最後まで押し切れず途中で止まった…
今まで数え切れない程の女の子を相手にしてきたけど…こんな事初めてだっ!!

「いっ…!」
「い?」
耀くんが何かを言いかけた。
次の瞬間叫び声と共に耀くんが思いっきりオレを押し戻した!

「ったあああああああ………いっ!!!」

「ええっ!??」
「いたいっ!いたいっ! いたいっ!!どいてっ!どいてっ!」
パニックになりながらオレをバシバシ叩きまくる。
「よ…耀くん!落ち着いてっ…!」
叩きまくる耀くんの腕を掴んでベッドに押し付けた。
「まっ…まだ最後まで入ってないってっ!…まだダメだよっっ!!」
って…オレ何言ってんだっーー!!
「やだっ!!いたいっ!だめっ!オレ…無理っ!!ううっっ…」
更にパニック状態だ…唸りながら両膝を立てて力任せにオレの身体を締め付け出した。
「ちょ…ちょっと耀くん…締め付けないで…キツイってか腰…痛いって…」
「うーっっ知らないよっ!!力入ちゃうんだもん!だからやめてっっ!!」
もう半べそ 状態でギュッと目も瞑ったまま抵抗する…
冗談じゃない!今更やめられるかっつーーのっ!ごめんね耀くん!!
耀くんを押さえつけたまま強引に最後まで押し切った。
耀くんの身体がビクンと反り返る。
「……やああああああっっっ……!!!」
すごい…強引だったけど…大丈夫だったかな…?でも…マジ…キツイんですけど…
しばらく2人の乱れた息だけが聞こえてた…オレまで息が弾んでる…ウソだろ?たったこんな事で…?
でも何だかどっと疲れた…
「もー椎凪キライっ!!ばかっ!! ばかっ!!」
そう言って耀くんがオレの両方の頬っぺたを思いっきり抓る。
痛いって…耀くん…オレは疲れてて声には出さずに心の中で呟いた。
「こうしてやる……」
そう言って涙を浮かべた目で更に強く頬を抓る…
わかったって…わかったから…ホントごめんね耀くん…
でも初めての子ってこんなの?こんなにキツイ?それとも 耀くんが締まりすぎなの?わかんねーっっ?
耀くんにも初めての体験かもしれないけどオレにとっても初めての体験だった…
恐るべし…『処女』だ。
さてさて… 本番はこれからなんだよ…でも…明らかに警戒し始めてる耀くん…大丈夫かな?

「…うー…」
あれからずっと耀くんを攻め続けてる…加減してだけど…
耀くんは辛い顔をしたまま耐えてるって感じだ…
耀くん…感じる所かきっと辛いんだろうな…まだしたくなかったのオレが強引に
もってっちゃったからな…やっぱまだ 早かったか?
そんな事を思いつつ…それでも止めるつもりなんて更々無くて…どうしたものかと考えていた。
「…あ…」
「!」
「…んっ…」
「!?」
なんだ?耀くんの様子がちょっと変わった…オレの肩を力任せに掴んでいた手から力が抜けていく。
「…あっ…あっ…」
零れる声も…堪えてる声じゃない…感じてる 声だ…うそ…
「…あ…ん…」
そんな可愛い声を出しながら耀くんがギュッとオレにしがみ付いた。
…あ…耀くん…感じてるの?オレで…感じてくれてるの?
「…あ…あ…んっ…んっ…」
オレに押し上げられる度に声が漏れる…その声を聞く度にオレは何とも幸せな気分で…
こんな嬉しい気持ちでするのは初めてだった。
いきなりオレの中でスイッチが入った。
ギ シ ッ !
「…あっ!!」
大きくベッドが軋む…オレが体勢を変えて耀くんを攻めたから。
耀くんの脚を抱え 上げて耀くんの奥へ奥へと攻めて行く。
「…っつ…ああっ…あっ!…あっ!!」
まだ少し痛がってる様子の耀くんだけどオレは気にせず攻め続ける。
だって… もうすぐ…また新しい耀くんが見れる…オレはワクワク…

ああ…両思いの相手とするのって…こんなにも楽しくて嬉しい事だったんだ…
初めて知った…

「やっ…椎凪…ダメッ!!やぁ…」
耀くんがキュッっと眉を寄せてオレを呼ぶ。
辛いからじゃない事は分かってる…そう…もうそろそろだ…
「何?耀くん…」
ワザと声を掛ける…返事してくれるかな?
「かっ…身体が変なのっ!!ヤダッ…あっ!!」
戸惑ってる耀くんが可愛い…しかも無駄なのにオレを押しのけようと してる…
「耀くんそれが『イク』って事だよ。逆らわないで…大丈夫だから。」

やめるもんか…だってこれからだよ…耀くん…

          今夜は離さないから…