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Shiina&You 01
【 椎凪&耀 】
「すごいイルミネーションだね…椎凪…」
「うん…綺麗。」
椎凪と一緒の帰り道…手を繋いでオレはとっても嬉しい。
ただ…気になる事が1つ…
「椎凪?」
「ん?」
「仕事…だったんだよね?」
「あ…それがさぁ…仕事は早く終わったんだけど…いつもの如くルイさんが我が儘言い出して…」
オレはここぞとばかりに説明する。
だってどうやって切り出そうかと思ってたのに耀くんからフッてくれたから!
言うなら…今しかないっ!!!
「課の皆でクリスマス祝うって言ってたのに…もう署の皆が集まっちゃってて…
そこで酔った女の子にその…絡まれちゃってさぁ〜〜〜〜……ごめんね…」
「?何で謝るの?」
「その…直ぐに耀くんの所に行ってあげられなかったから…」
「椎凪…気にしなくてもいいのに…だって今日は椎凪は仕事だって諦めてたし…」
「え?期待されてなかった??」
「違うってば…落ち込まないでよもう…それに明日はずっと一緒にいれるじゃない。
だから今日は我慢したの。それにこうやって椎凪と一緒にイブの街を歩いて帰れるしさ。」
「耀くん…」
「じゃあそのシャツの口紅はその時に付いたんだ。」
「!!!!ええっっっ!!!!」
オレは慌てて自分のシャツを引っ張った!
げっ!ホントだっっ!!シャツの裏側でちょっと分かりにくいけどしっかりと口紅が付いてる!!
「こっ…これは…」
ぎょえ〜〜〜不覚!!一応気にはしてたのに見落としたっ!!
鋭いな…耀くん!!!
「楽しんだんだねぇ〜〜椎凪。」
「だからこれはその…!!無理矢理…えっと…」
「いいよ。オレもパーティーで楽しんだから。」
「ええっっ!!!それどう言う事!?どんな事で楽しんだの?オレがいなかったのに!?」
「色々だよ。」
「え〜〜〜〜!!!!!」
「………ウソだよ。椎凪がいなかったから何だか変な感じだった…ずっと椎凪の事考えてたんだよ。」
そう言って耀くんが潤んだ瞳でオレを見つめてくれた!!
「……耀くん……」
もうオレはそれだけで胸が一杯!!!
「 愛してるよっっ!!! 」
だから思いっきり抱きしめて嬉しい気持ちの篭ったキスをっ!!!
「わぁ!!ちょっ…椎…凪……んっ…」
街の中心から外れてはいるけどまだ人がいるのに椎凪がオレに深い深いキスをする…
チラチラと遠くから人に見られて恥ずかしいけど…
今夜はクリスマス・イブだからいいかな…なんて寛大な気持ちになる…
「ん〜〜〜!ちゅっ ♪ ♪ 」
唇を離すと今度は頬に軽くキスしてくれた…
椎凪の唇は暖かかったけど…先っちょが触れた椎凪の鼻の頭が冷たかった。
「……もう…椎凪は…」
「本当に……本当に愛してるよ…耀くん…愛してる……耀くんだけを愛してる……」
抱きしめられながら耳元にそう囁かれて…オレはうっとりとなちゃう…
椎凪……大好きな椎凪……オレだけの…たった1人の人……オレだけの為に存在してる人…
オレの…生きて行く理由………椎凪……
「オレも…愛してるよ…椎凪……」
オレの身体に腕を廻して椎凪がぎゅっと自分の身体全部でオレを包んでくれる…
周りから見たらきっと公衆の面前でこんな事してるなんて呆れられちゃうかもしれないけど…
オレは…そんな椎凪の愛情表現がとっても安心する…
オレは言葉や態度で示してもらわないと…すぐに不安になるから…
椎凪は…自分の愛を…全部オレにくれるって言った…
「椎凪……椎凪の愛は全部オレのもの?」
椎凪を見上げてそう聞いた…椎凪の言葉で聞きたい…
「そうだよ…オレの愛は全部耀くんのもの……耀くんだけのものだからね…」
椎凪はいつもすぐに返事をしてくれる…迷ったり…悩んだりしないんだ……
「…うん…オレ…嬉しい……」
オレの大好きな椎凪の胸に顔をうずめて目を瞑った…あったかくて…とっても広い椎凪の胸…
「たくさんあげるから…全部受け取ってね…耀くん…オレの愛を…全部耀くんにあげる…」
「…うん……」
椎凪がまたキスしてくれる…今度は触れるだけの…優しいキス……
「帰ろうか…」
「うん…」
「時間も無い事だし…」
「時間?」
「だって家に帰ってシャワー浴びたらイブが終わっちゃうじゃない!!
イブの日のうちに絶対耀くんと愛し合うの!!!」
「……え?」
「今から急げば何とかイブのうちに間に合うから!!!」
「間に合うって…もう椎凪ムードぶち壊し!!!」
「え?もう何言ってんの?耀くん!!」
「…なに?」
「ベッドの中で愛し合いながらたくさん耳元に囁いてあげる…
今度は耀くんの身体にオレの愛を一杯あげるから。」
「……………」
オレはもう顔が真っ赤……
今のはオレの耳元に囁いてくれたから周りの人には聞えてないとは思うけど……
これから家に帰って…椎凪がオレにどんな事するのか想像できてちょっとドキドキ…
「帰ろう。耀くん!」
「うん……」
椎凪がにっこりとオレに微笑む…オレは椎凪と一緒にいる時が一番幸せ…
だから…絶対この手を離したりしない……