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「…ふふ……フフフ…」

オレは朝から超ご機嫌!のハイテンション!!

昨日もう会えないと思っていたみかげに会えたし…
今度はしっかりと携帯の番号とメルアドも聞いたし
しかも決定的にオレとみかげは恋人同士になったわけで…

これが嬉しくなくてどうするんだって言うのっ ♪ ♪



「どうした芫?やけに機嫌いいじゃないか?」

早速そんなオレを察した高野が声を掛けた来た。

「いやぁ…実はさ…」

「おいおい!聞いてくれよぉ!!」
「!?」

教室に飛び込んで来るなりいつもツルんでる1人の国山が慌てて叫んでる。

「何だよ?何があったんだよ?」
「…はぁ…いやさ…昨日うちのクラスに転校してきた吉泉いるじゃん…
今校門前で見かけたんだけどさぁ一緒に歩いてる子が超可愛くて…
彼女かと思って聞いてみたら妹だって言うんだよ!!」
「へぇ…そんなに可愛かったのか?」
「ああ…結構ナイスバディでさ…色白で目なんかクリッとしてて…」

「その子に手出しすんなよ。」

「ああ?」
横から口を挟んだ。
「何だよ芫?可愛いって話聞いて独り占めしようなんて抜け駆けすんなよ。」
「そうだぞ!何でもかんでもお前のモノになると思ったら大間違いだ!」
うんうん!とそこにたむろってる連中が頷いた。

「あの子が前話してた幽霊だぞ。」
「…ああ?なんだそりゃ?」
「ちゃんと足…あったぞ!?しかも綺麗な白い足が!」

「やっと正体がわかったんだよ…んで昨日正式にオレの彼女になった。なんでお前ら宜しくな!」

そう言って宜しくとばかり頭の横に手を付けて敬礼のポーズをした。

「 ………ええーーーーーーっっ!!?? 」

一斉に叫ばれた。
「なっ…冗談だろ?お前が…女と付き合う?」
「彼女って…」

「初彼女だ。喜んでくれ!」

ニッコリと笑顔付きだ。
「うわっ…マジらしいぞ…」
「キモイ……こいつが真面目に笑うなんて…しかもこの締りの無い顔…」
「だからみかげに手出したら殺す!と言うわけだから!」
「げーーーみかげだって!!デレデレしやがって!!」
「はっは〜〜〜〜 ♪ ♪ ほざけほざけ!!悔しがれ!」

「しかし…あの子そんなやりそうな子には見えなかったけどなぁ…」

国山が不思議そうに腕まで組んで悩んでる。

「はぁ?当たり前だろ!まだやってねーもん。それにみかげはきっと処女だよ。」
長年の勘だけど。
「うわっ!芫ちゃん露骨!!」
「お前がソレ無しで付き合うのか?ウェ〜〜〜ホントマジなんだな…」
「何でお前らそんなに不思議そうな顔すんだよ?」
「お前がケダモノだって知ってるからだよ。」
高野が面白そうに口を挟んで来た。

「みかげとは真面目に付き合うんだよ!!それ無しだってオレは構わない…」

「え!?マジっすか!?東雲くんっ!!」

「今の…所は…な…」
そりゃチャンスがあれば…の話で…
なるべくそう言う雰囲気に持って行こうとは思ってるけど…
「はぁ〜〜まあいつまで持つ事やら……」
「溜息吐くな!」
「俺は1ヶ月に1000円っ!!」
「良し!乗った!俺は2週間に1000円!!」
「お前らいい加減に……」
「とりあえず卒業まで1000円。」
「高野…」
「その辺にしとかないと結果出る前に卒業したら賞金回収できないからな。」
「高野っ!!やっぱオレの事わかってくれるのはお前だけだな!!」
そう言って抱きしめてやった。
「やめろって…苦しいし…人目があんだろ…」


「お!オッス吉泉!お前コイツと妹が付き合ってんの知ってたか?」

そう言ってクイッとオレを親指で指さすと吉泉が視線を向けた。
みかげは…オレ達の事兄貴のこいつに話したんだろうか…
昨日の事でオレもコイツには何も話してないし…どうなんだ…

「昨夜…付き合う事になったって妹から聞いたよ。」
「げーーーっ!!やっぱそうなんだ!!」
「何だよ!疑ってたのかよ?」

思わず呆れる…賭けまでしたくせに……

「大分前に知り合ってたみたいだけど…」
「ああ…1週間前に…な。」
「……僕も妹の恋愛までに口出しするほど野暮じゃないし…口煩くないつもりだけど…」
眼鏡の奥がキラリと光ったかと思った。

「真剣に付き合って欲しいね……
一応これでもみかげの兄で不在がちな父親代わりでもあるから。
みかげの事宜しく頼むね…東雲君!!」

そう宣言するとサッサと自分の席に着いた。


「うわぁ〜〜あれって拒絶反応出てねーか?言葉に棘ありまくりだろ?」
「ひやぁ〜〜シスコンだよシスコン!!」
「ま…あんだけ可愛きゃわかっけどな…」
「いきなり障害発生だな…芫。」
「変な事言うな。高野…折角の気分が台無しだろ…」

「ま!頑張れよ。」
そう言ってオレの肩を叩いて自分の席に戻って行った。
「今度会わせろよな…そうだ祝賀会開いてやろうか?お前の奢りで。」
「何でだよ!?逆だろ逆!オレの為に開いてくれるんだろうが…
招待しろ!出てやってもいいぞ。」
「ばぁか!悔しくてそんな事やってやるもんかっ!!ホント長続きするか見ててやる。」
「記録更新してやるよ。」
「更新って元になる記録無いだろうが!この遊び人がっ!!彼女の事泣かすなよ。」
「泣かさねぇよ…あんがとな…心配してくれて。」
「友達だろ ♪ ♪」

1人がそう言うと他の奴らも自分の席に着きながらオレの頭を1発ずつ小突いて行った。



「何でそんな噂が??」

転校してたった数日でとんでもない噂が広まった。
私が芫くんを追い駆けて転校して来て…もう心も身体も芫くんに奪われまくってるって!!

「いやーーーーっっ!!何で?何でそんな事に??キスしかしてないってっっ!!!」

思わず大声で叫んでしまった!!

「あっ!!」

自分で自分の口を塞いでしゃがんだ。
ここは学校の屋上…お昼をみんなで食べに来てる。
元々の性格のせいか…皆の性格のせいなのか分からないけど…
クラスのとあるグループの子達と直ぐに仲良しになった。

「声デカイよ!みかげちゃん!」
「ごめ…でも…だって…ヒドイよその噂!!」
「仕方ないよ。相手が相手だもん。」
「仕方ないって…そんな遊び人なの?彼?」
「遊び人って言うか…誰でもってわけじゃ無いらしいよ。好みが激しくて…
どっちかって言うと年上好みなんだって。」
「と…年上?」

……お姉さんキラー??

「しかもそれなりに条件クリアして無いと相手にしてもらえないんだってさ。」

…何様じゃいっ!!あのエロ男……やっぱり手が早いんじゃないのよぉ〜〜

「若さと高校生をエンジョイしてんのね!」
「ちょっとカネちゃん変な所感心しない!!」
「だって…かっこいいじゃん。東雲先輩って…1年の中にも憧れてる子いるよ。
相手にされないのわかってるけど…他の学年だって…」
「そんな風には見えないけどな…軽いだけでしょ?」
「自分の彼氏でしょ?彼女がケナしてどうすんのよ!」

「だって……」

「それにしても良く調べたね?   」
「え?ああ…去年卒業した姉貴に聞いたんだ。
いつも一緒にたむろってる友達に聞いたんだって。
結構細かい所まで教えてくれるらしいよ。あたしには刺激が強いから此処までって…
他の事はあたしがもっと大人になってからだって言われて…教えてくれないんだよね…」

「刺激強すぎの大人になってからって…どんな情報よ…」

「きっと… ×××××× …の… ×××××× …で…むぐっ!!」
「わぁあああ〜〜〜〜!!サラッとそう言う事言わないっ!!メグっち!!」

「……………」

もう…私は何とも言えず……顔も上げられません…