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「真白!」

「ん?」

「ちょっとここにおいで。」

「?」

ソファに座って真白を呼ぶ。
お互いもう後は寝るだけだ。

「なに?」
「真白に聞きたい事があるんだけど…」
「なに?」
「自分がここに半年しかいれないって…わかってるか?」
「うん。」
「それが1ヶ月後だって事も?」
「え?そうなの?」
「………真白…」

やっぱり思ってた通り…

「だってましろには関係ないもん。」
「どうして?」
「だってましろはずっとハルキのそばにいるから。」
「……今のままじゃ一緒にいれないって知らないのか?」

「……んっと…ましろのこの頭の耳としっぼがなくなればいいの。」

「どうすれば無くなるか真白は知ってるのか?」

「え…?」
「………」

「んっと……えっと……勝手になくなる…の?」

「はあ〜〜〜〜真白…ちゃんと話聞いて来たのか?」

「………」

俯いてフルフルと頭を振る。

「あのなその頭の耳と尻尾はただ待ってても無くならないんだぞ。」
「えーそうなの?」

「このままじゃ後1ヶ月したら真白は国に帰らなきゃいけなくなる…」

「え…?うそ…」

「ウソじゃない…」

「………や…やだ!!そんなのやだ!!ましろ帰りたくない!ずっとハルキと一緒にいる!!」

真白がオレの腕にしがみついた。

「やだよ!ましろずっとハルキのそばにいるの!!」
「真白…」
「ハルキ!!」

オレを見上げる真白の頬に涙が伝って流れた…

「真白…」

そんな真白の涙を親指で拭う。

「そんなにオレの傍にいたいのか?」
「……ハルキ…」
「ん?」
「………うん…」
「もう国に帰れないんだぞ?向こうに会いたい相手はいないのか?」
「そんな人いないよ…ましろあっちに帰ったら1人だもん…」
「1人なのか?」
「うん。」
「魔女に飼われてるんじゃないのか?」

「ましろには魔女はいないの…ずっと前からましろは1人だったよ…」

「真白…」

オレは真白を抱き寄せて……抱きしめる。

「ハルキ?」

「その耳と尻尾…無くしてやろうか?」

「え?ハルキ出来るの?」
「ああ…オレにしか出来ないんだってさ…」
「そうなの?」
「真白…」
「ん?」
「本当に後悔しないか?」
「え?こうかい?こうかいって?」
「後でしまったって…止めとけば良かったって思う事…」
「耳としっぽ無くなる事?」
「ああ…」
「だってあったらましろここに…ハルキのそばにいれないんでしょ?」
「ああ…」

「じゃあ後悔なんてしないよ!だってましろずっとハルキのそばにいたいから!!」

「………そっか…真白はずっと変わらないんだな…」
「え?」
「いや…」
「?」

ハルキが色んな事をましろに聞いてきて…ましろが返事をするたびににっこり笑うの…

最後にましろの頭をクシャクシャってして…

「おいで…」 って言った…




「………」

「?」

おいでって言ったハルキがお布団の上でちゃんと座ってましろを見てる。
ましろもちゃんと座ってハルキを見てる。

「ハルキ寝ないの?」
「寝るよ……でも今日は寝る前に話がある…」
「話?今日は話が多いね?」
「まあ…色々と…な…」
「顔赤いよハルキ?」
「いいから!」
「?」
「はー……まあいい…寝る。」
「うん。」


いつもと同じ様にハルキの首に腕を廻して抱き着いた。

いつもと同じ…あったかくて気持ちいいの…ホッとするんだ…ハルキ大好き ♪


でも…本当にあと少しでハルキと一緒にいれなくなっちゃうのかな…そんなの嫌…

ずっとハルキと一緒にいたいよ……あ!


「おやすみハルキ ♪ 」

いつもと同じ様にハルキのほっぺにおやすみのキスをしようと思ったら
ハルキがましろの方を向いたから口にキスしちゃった…

口にキスなんて…

「ハルキ?」
「真白…」
「ん?」

「これから起きる事…オレのする事…嫌がるなよ…」

「え?」

「真白にはもしかして辛い事かもしれないからさ…」
「つらいの?」
「んー真白次第かな…」
「ハルキがましろのためにしてくれるんでしょ?」
「まあ…そうなんだけど…」

「ならましろは大丈夫…がんばる。」

「頑張るか…そうだな…頑張ってもらわないといけないかもな…」

「ハルキ?」

ハルキがましろの上に来てましろを見下ろす。

「真白…」
「ん……」

え?!なんで?ハルキからましろにキスしてくれてる?

「…ふぁ…ん…ん……」

いいの?口にキスなんて…ハルキ…いつも嫌がるのに……

「……ハル…キ?」

離れたハルキを思わず見ちゃった……


そしたら…すっごくやさしい顔でましろのこと見てた……



真白にキスしたら真白が凄く驚いた顔で見てる…

だろな…口へのキスはオレがいつも拒んでたから……

それはオレがそのキスで理性がなくなりそうになるからで…自分の都合…

何でだか真白との口でのキスはオレの頭を真っ白にさせる…

真白が猫娘だからなのかと思ってたけど…

前同じ黒猫娘のキララと言う子ともキスをしたがその時はそんな事無かった…

やっぱり真白限定の現象らしい……



真白は…これからオレがする事を嫌がらずに…受け入れてくれるんだろうか…