06

  椎凪 : とある資産家の御当主様。数ある会社を取りまとめてるグループの経営者の1人。右京の知り合い。
   耀 : 右京の腹違いの妹。草g家に狙われていてずっと逃げ回っている。椎凪に捕まって監禁!そして結婚しました!






「…はぁ…はぁ…ん…はぁ…」

耀は普段幼いくせにオレに抱かれると時々妙に色っぽい時がある…
今もオレのベッドに押し倒して…言われた通りに下着無しの浴衣姿をオレの目の前に晒してる。
腰に巻いた浴衣の紐を中心に辛うじて身体を隠してる状態だ…

身体を隠す事を許さないオレの言う事を聞いて露わになった胸が
荒い息遣いと一緒に上下に揺れる…

立てた片膝が動く度に足の付け根の影が動く…

散々オレに身体中を弄られ…嬲られて…火照った顔と潤んだ瞳がオレを見つめてる…


ヤベー…無茶苦茶に抱いて…壊したい……

泣かせて…乱れさせて…声を聞きたい……



「あっ!あっ!!ンアっ!!!うっ!ああっ!!」


うつ伏せにして押さえ付けて加減無しで後ろから攻めた。

「ああ…やっ…やだ…あっ!あっ!あっ!!」

うつ伏せにされて…後ろから思い切り押し上げられる…
逃げようとしたら腰を強く掴まれて…余計激しくされた…
もうずっとシーツを掴んだまま耐えてる…

こうなるまでにもう何度も何度も頭を真っ白にさせられた…

頭も…身体も変になりそう…


「し…椎凪…お…お願い…もう…やめ…て…もう…無…理…!!」

泣きながらお願いした…
その瞬間そのまま抱き起こされて膝の上に座らされた…うそ…

「ハッ……アアッ!!んあっ!!!」

身体に電気が走ったみたいにビクンと痺れた!

肩と腰を押さえつけられて…深く深く椎凪がオレに入ってくる…

「…!!!!!………ぁ………」

大きく仰け反って…声も出ない…
それでも下から押し上げられ続けるから身体の奥では
今まで感じた事の無い疼きにも似た感覚が湧き上がってきて…
堪え切れなくて叫んでた……

「んあああああ………!!!!あっ…あっ………ん……」

椎凪に背中を向けたまま…手を伸ばして…椎凪の頭をぎゅっと抱きしめてた……
そうしないと耐えられない……

しばらくして…身体から力が抜けて…そのまま椎凪にぐったりと凭れ掛かる…
息を辛うじてつく事が出来て…浅い呼吸を繰り返して吸った…

「…ハァ……ハァ…ん…ハァ……」

「バテんな…まだこれからだぞ……」

耳元で囁かれた…

「……は…い……」

オレは朦朧とする意識の中で返事をする…


そんな乱暴で…強引な夜が…毎晩の様に訪れてる……



会社の自分の部屋で書類に目を通しながら頭では他の事を考えていた…
今までのオレからしてみたら仕事中に女の事を考えるなんて
天地がひっくり返るほど珍しいはずだ。
今芳樹に頭の中を覗かれたら大爆笑されるに決まってる…

最近…耀の態度がおかしい………


オレと一緒にいて溜息をつくようになったし…抱いても前ほど乱れなくなった…
他に好きな奴がいるとは思えない…オレ以外の男と接触させてないからだ。
オレの所に連れて来て一緒に暮らす様になってから約2ヶ月…

……!!…まさか………オレに飽きた!?


そんな考えが一度思い浮かぶと頭の中から離れない……

ほぉ〜〜〜嘘だろ?オレが?飽きられる??へぇ〜〜〜〜ふふ…ふふふ……

気付くと持ってた書類を力一杯握りつぶしてた。



最近…椎凪の態度が変だ…
オレに対して何か冷たいし…いつもピリピリしてるし…
抱き方も前にも増して乱暴で…強引になった気がする……


オレ…嫌われちゃったのかな……どうしよう……




「元気がありませんね…どうかしましたか?」

オレに勉強を教えてくれている伊浬亜さんが優しくオレに聞く。
週に3日ほどオレに色々な事を教えてくれる。
今まで知らなかった事だらけで愉しいし知りたい事も増えた。

いつかこの勉強が椎凪の役立てばいいな…といつもそう思いながら勉強してる。

「え?……あ…ごめんなさい…」
オレは言われてハッと我に返る。
「いいんですよ。」

声も優しい…純日本人の顔立ちなのにどこか異国の国を思い出させる様な容姿で…
サラサラな長い黒髪には柔らかなウェーブがかかっててそれを後ろで一つに縛ってる…

「最近…何だか調子が悪くて……」
そう言って小さく溜息をついた…
「あら…それはいけませんね…大丈夫ですか?」
「風邪…ひいたのかな…熱があるわけじゃないんだけど…
ダルイって言うか…気分が悪いって言うか…なんか変なんだ…はぁ…」

また溜息をついちゃった…どうやらもう無意識でついてるらしい……

「今日は勉強止めましょう。」
ニッコリと笑っそう言った。オレはびっくりで…
「え!?でも…」
「ちょっと付き合って下さいな。」

そう言って連れて行かれたのは椎凪の屋敷の庭の奥でオレも
今まで来た事が無い場所だった。

大きな木が生い茂ってて…風で枝が揺れてサワサワと音がしてる……

「わあ…なんか気持ち良い…癒されるね…」
「でしょ?ここは私くしの秘密の場所なんですよ。」
「え?」
「慶彦さんも知らないと思いますわ…誰にも教えてないないんです。」

そう言って悪戯っぽく笑う…初めて見ちゃた…
伊浬亜さんは椎凪の幼なじみなんだって…子供の頃は良く一緒に遊んだらしい。
あの椎凪が遊んでる姿は想像つかないけど…

「でもそんな場所オレに教えていいの?」
「耀さんは特別です。2人だけの秘密の場所ですよ。」

シィ…って言う風に人差し指で口を塞ぐ。
そんな仕種も綺麗な人がすると様になるんだな……とシミジミ……

「ここでのお昼寝最高なんですよ。」
「え?」
「ちゃんと用意してきましたから。」
「いつの間に……」
確かに手提げを持ってたけど…まさかシートとマットが入っていようとは…びっくり!

「……でも…」
本当にいいのかな…
「騙されたと思って寝てみて下さい。気持ちいいですよ。」
「………はい…」

オレはコロンとマットの上に寝転んだ。
伊浬亜さんは寝転んだオレをニコニコ見ながら一緒にマットの上に座ってる。
丁度いい具合に葉っぱの影から日差しが入って来て…日の光がチカチカ…
葉っぱの音がサワサワ…カサカサ………って……

「……くぅ……」

あっという間に…眠りに落ちた…

「……………ピッ!」

耀が寝たのを確認すると手提げの中から携帯を取り出して掛けた。

「…慶彦さんですか?私くしです…いえ…あの…
彼女…最近調子が悪いと知っていましたか?……やはり…
気付いて無かったのですね……フゥ…」
まったく…と言いたげに溜息を洩らした。

「1度お医者様に診て貰った方が宜しいのではなかと思いますけど…
いえ…病気と言うか…とにかく早いうちに診て頂いて下さい。」





…………イライライライラ…

次の日…早速ウチ専属の病院でじっくりと診てもらう事になった…
応接室で1人待つオレはもうイライラの絶好調でさっきからタバコが何本も消化されていく。
そろそろ1時間経とうとして流石に限界だった。

がちゃ!

入り口のドアが開いた。

ガ タ ッ !!!

急いでタバコを揉み消して立ち上がった。
耀が医者と一緒に入って来た…心なしか俯き加減で暗い。

「どうだ!?大丈夫か!!」

慌てふためいてるオレを他所に耀は俯いて黙ったままだ……
そんな態度がオレを更に慌てさせる。

「何だ?!まさか重い病気かっ!!??嘘だろ!!」

耀の肩をぎゅっと掴んでそんな事を真面目に叫んだ。
普段のオレからは想像出来ない狼狽振りだ…もう手遅れなんて言われたら…オレは…

「あー…慶彦様…」
「ああ!?」
医者が呼び掛けるから思わず睨んだ……邪魔すんな!!

「ご懐妊ですよ。」

「え?」

頭の中が真っ白だ…『ご懐妊』ってどう言う意味だったか…?

「ご懐妊…って…」
「はい。赤ちゃんです」

「 !!!! 」

……なっ…嘘だろ…っていや…それ狙ってたんだし…いや…でも…

「おめでとう御座います。今8週目です。予定日は来年の1月です。」

医者の言葉が頭の中で木霊する…
来年…子供が生まれる…オレの…子供…?

耀は相変わらず黙って俯いたままだ…




「まったく…自分で分からなかったのか?」

その日の夜…ベッドの中でオレの下にいる耀に呆れた顔で聞いてた。
もちろん2人共裸だ。

「だって…つわりなんて知らない…風邪だと思ってた…」

病院からずっと照れた様な顔をしてオレを見上げてそう言った。
「なんで調子悪いの言わない」
「だって…良く分からなかったから…少しくらいなら我慢できるし…あ…」
そう話す耀の頬と首筋に唇と舌を這わせた…
「我慢するな…お前ずっと溜息ついてただろ…」
「え?本当?全然…気がつかな…ん…ン…」
耀が喋ってる途中で舌を絡ませるキスをした…
「ったく…お陰でオレは要らぬ心配を……」
キスをしながらブツブツと呟いた。
「え?」
「いや…」
「あ…でも…オレの事…怒って…た?」
伺う様な顔でオレを見上げてる…そんな問い掛けにオレは心臓がドキリ…
「は?何で?」

「だって…何か…ずっと機嫌悪かったから…」

「………ぐっ!!!」

顔が一瞬引き攣ったが…耀に分からなかっただろうか…

「あーもういいだろう!とにかくガキが出来たんだから。」

言いながら閉じてた耀の脚の間にスルリと滑り込む。

「あ!…ちょっと待って!!」
「ん?何だ!?」
なんだ?拒むつもりか?そんなの許さ…

「あんまり…激しくしないで…赤ちゃんがびっくりしちゃう……」

真っ赤になりながらオレを見つめて真面目にそんな事を言う。

「………わかってる…心配すんな。」

出来る限り優しく言った……しかもこのオレが笑顔つきで!



「……あ…あん…ン……」

自分としては多少物足りなさも感じ無いわけじゃないが…
場合が場合だから仕方ない…



………赤ちゃんが…できた…オレと…椎凪の赤ちゃん……

椎凪は…喜んでくれてるのかな…?
喜んで…くれてるよね…?だって…草gとの繋がりの為の 『道具』 が…
増えたんだから……でも…この子は…この子の事は…

……愛して欲しいな……

     オレは…道具のままでも…かまわないから……


「!?…どうした?そんなに辛いはず無いだろ?」

見れば耀が涙を浮かべて…今にも零れ落ちそうだ…
今までみたいに攻めまくってるならわかるが…今日はいつもの3分の1程度だろ?
泣くほど攻めていないはず…なのに何で泣く?


「う……ひっく…」
ダメだ…涙が止まらない…
泣き止まなきゃ…椎凪が…変に思う……

「………嫌なのか?子供産むの?…オレの…子供だからか?」

「!!……ち…違う…!!」
「じゃあ…何でだ?」

「……う……愛…して……」
「…ん?」

「この子…だけは…愛してあげて……お願い…」

「 !!!! 」

「オレは…いいから…道具で…いいから…
でも…この子は…お願い…椎凪…お願いします……」

ポロポロと堪えてた涙が…耀の瞳から零れた……

ああ…そうか……そうだった…

「バカだな…言っただろ?お前は…オレの奥さんなんだって…」
「……!!!」
「もう…道具なんて思ってない…だから…泣くなよ…身体に障るぞ…」

言葉にして…耀には言った事が無かったな……

「…し…しい…な…本当?本当に?」
「ああ…このオレにこんな事言わせられるの…耀だけなんだぞ…
それがどれだけ貴重か…わかってんのか?」

「…うっ……ひっく…」

余計に涙が零れてるじゃねーか……まったく…

「生まれてくる子供の事は…愛してやるから…心配するな…大丈夫だから…」
「うん……ありが…と…椎…凪…」
「自分の子供なんだから当たり前だろ……」
「うん…」
「それに……」
「……それに??…ぐずっ…」

「同じ様に……耀の事も…あ…愛してるから……」

「………!!!!……椎凪……」

「だああ〜〜っっ!!こそばゆいっっ!!ああ〜〜恥ずかしいったらありゃしねぇ!!」

「………!!」
うわぁ…椎凪顔が真っ赤だ…くすっ…可愛い……

「ああ…そうだ!」
「?」
「あの日…何で逃げ出さなかった?」
「え?」
「宣昭に連れてかれた日の朝だよ。足枷もドアの鍵も外しておいただろ?」
「……ワザと外してくれてたの?」
「ああ…あのまま逃げ出してたらまた足枷付けてしばらくあのマンションに置いとくつもりだった…」
「……そうだったんた……」
「何でだ?」

「………だって……」

「だって?」



     「オレ……椎凪の……奥さんだもん……」





「なぁ〜〜〜椎凪!いい加減教えてくれよぉ〜〜あの耀って子一体お前のなんなんだよ!」

あの日から2ヶ月近く…芳樹は海外に行っていたり仕事や私用で忙しく
椎凪とも会っていなかったので耀の事は何1つ教えてもらっていなかった。

「何だよ…久々に訪ねて来たと思ったらそれか?ウゼェな!!」
「あ!何だよその態度!!恩人に対してそんな態度許されんのか!!
大体あの時の礼もまだしてもらってねーぞ!!」
「もうあんまりにも過去の事で忘れた。邪魔だから帰れ!」
そう言って左手でシッシ!と言う手振りをした。

「!!!!ああっっ!!何だよっ!!!椎凪おまっ…!!
薬指に指輪なんか嵌めやがって…って事は?何かっ!?
お前っ!!結婚したのかぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

「うるせぇな…ああ…言ってなかったか?」

自分の左手の指輪をチラリと見て何事も無かったように呟いた。

「言って無かったじゃないだろーー!!どうしてそう言う大事な事を…お前は!!!
ってか相手誰だ?萌ちゃんじゃ無いよな??どこの会社の社長令嬢だよ!?」
「どれもハズレ。」
クスリと笑って答えてやった。
「じゃあ……あの子か?あの時の?」
「ああ…あの時はもう結婚してたけどな。」
「なにぃ〜〜〜!!あ!だからお前の兄貴あの子の事さらったのか?」
「ああ…」
「誰だよ?あの子…そんなすげぇ子には見えなかったぞ?ガキだったし…
でも…お前があんなガキと結婚するなんて…一体…あの子誰だ?」
「あいつはな…」
「待てっ!!やっぱいい…何だか怖えぇ!!」
「!?…そうか?じゃあこの話はお終いだ。」
「いやっ!!やっぱ教えろっ!!気になって夜も寝られん!!」

「ったく…どっちだよ。あいつは…耀は右京の腹違いの妹だ。」

「……え?」

「?…聞えなかったか?右京の…」

「なにぃ〜〜〜〜〜〜っっ!!右京ってあの草gの??」

「当たり前だろ。他に誰がいる?」
「ってお前…見つけ出したのか?」
「ああ…苦労したけどな…時間も金も掛かった。」

「でも…それじゃあお前…右京と義兄弟になったって事…か?」

「ああ…来年早々子供も生まれる。結婚祝いと出産祝い仕方なく貰ってやるから
せいぜい気持ちのこもったもん送って来い。」

「はぁ〜〜????お前……はぁ…ホント…お前って奴は……」

何故か芳樹がガックリと項垂れた。

「何だよ?喜んでくれないのかよ?」
「呆れてんだよ…そこまでするかよ…まったく…そりゃ兄貴も手を出すぜ…」

「ああ…言っとくけどな…芳樹。」
「ああ?」

「耀はオレのもんだから…今度気安く声掛けたら…殺すからな。」

「はぁ〜〜〜????何その横暴!?ふざけんなっ!だったら尚更俺に感謝しろってのっ!!」

「何の事だか??わからねぇな。」

「ふざけんなぁーーーっっ!!!!」