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「ふっふ〜ん ♪ ♪ ♪ 」
「………」
惇哉さんがものすごく上機嫌。
「由貴と一緒に寝るなんて何日ぶりなんだー ♪ ♪ 」
「………」
「由っ貴ぃ〜 ♪ 」
「もうさっきからウルサイわよ…」
「さあ!寝るぞ!由貴!」
「ちょっ…」
グイッと腕を引っ張られて寝室に連れて行かれる…
「惇哉さん…」
「ん?」
「一緒に寝るだけよ…」
「わかってるよ ♪ 」
「ならいいけど…」
なんか怪しくて…
「由貴…」
「……何…」
ベッドで2人…足だけ布団に入った状態で惇哉さんが声を掛けて来た。
「大丈夫?」
「え?」
「アイツに…変な事されなかった…」
「…………」
そんな言葉だけで目頭が熱くなって…ポロリと涙が頬を伝って落ちた…
「あ…!!」
慌てて頬に手を当てて涙を拭った…
「やっぱり嫌な事されたんた…」
だってメガネも飛んでブラウスのボタンが何個かちぎれてたし…
際どい事はされて無かったみたいだけど…
「由貴…」
「う…」
泣いてる由貴を抱き寄せる…
「もう大丈夫だから…」
「うん…」
「大丈夫…」
言いながら頭を撫でた…
一緒にいたくて由貴をマネージャーにしたのに…こんな事になるなんて…
ごめん…由貴…
「ん!」
ペロリと由貴の涙を舐めた。
「こんなの…舐めなくて…いいのに…」
「由貴の辛かった事…オレが全部受け止める…」
「…………」
「だから気の済むまで泣いていいよ…」
「……そんなに…弱い…女じゃ…ありませんから!」
「素直じゃないなぁ…由貴は…」
「そんな事無いわよ…」
そう言ってちょっと拗ねた顔の由貴が可愛い…
「でも…そんな意地張ってる由貴が…オレは気に入ってるよ…」
「!!」
好きと言えないから…こんな言葉でもオレが由貴を好きだってわかってくれるかな…
「由貴…」
由貴の顎を軽く人差し指で持ち上げてそっとキスをした。
「もうキス…しすぎ…」
「だって何日分だと思ってる?」
「そんなの変…」
「そうかな?由貴はこの数日間オレとキスしたくなかった?」
「……別に…」
「ホント?」
「本当よ!」
ウソばっかり…そんなに焦ってすぐわかる…
「じゃあ…」
「まだ何か?」
「毎晩1人で寝て…寂しく無かった?」
「!!」
「オレは寂しくて寂しくて…由貴にずっとここに来て欲しいって思ってたよ…」
「本当子供みたい…」
「ちゅっ…」
優しく…由貴の頬にキスをした…
「眠れない?」
「…うん何でだろう…眠いのに…」
前と同じ…惇哉さんに抱きしめられながら横になってるのに…
「もしかしてオレの事意識してる?」
「!!」
抱きしめてる由貴の身体がピクンと動いた。
「してるんだ…」
「し…してないわよ!してたら一緒になんか寝れないし…キスなんてもっと出来ないわよ。」
「最初はしてなくても今はしてるとか?」
「してないってば!しつこい!」
「由貴…」
「なに?」
「オレだけを見てて…」
「……惇哉…さん…」
「オレだけを信じて…」
「…………」
「危なっかしいかもしれないけど…オレが見てるのは由貴だけだから…」
「惇哉さん……」
「信じて…」
惇哉さんの指が優しく私の唇を撫でるから…
「ンア…」
ダメ…私唇弱い…
「由貴…」
惇哉さんの唇がそっと私の唇に触れる…
何度も何度も啄ばむ様なキスを繰り返されて…
ペロリと舌先で唇を舐められた…
「あ…」
身体がピクンとなってそんな声が出る…
「由貴…可愛い…」
「可愛くなんか…ない…ん…」
それからまた…浅い息を繰り返すまで…
惇哉さんにずっとキスされ続けた…
いつの間にか眠ったらしい…目が覚めたら朝になってて…
前と同じ様に目の前に惇哉さんの寝顔があった……