70-1





覚悟を決めたなんて思ったけどあっという間にそんな決意はどこかに消えた。

「由貴…」
「……う…」
「肩の力…抜いて…」
「だ…だって…」

初めてなんだもん!

「仕方ないな…」
「?」

ペロン♪

「…ふにゃ!!アン……」

変な声が出て身体から力が抜けた…

「相変わらず唇が弱いな由貴は…くすっ…」
「………」

唇を舌で舐め上げられた!

「そんな顔しない…でも落ち着いただろ?」

落ち着くわけ無いでしょ〜!!ドキドキなんだから!

「ぅ…ン…」

ずっと…キスされる…意識がそっちに集中してる間にパジャマの上を脱がされて…
キャミソールを肩から脱がされた。

その事に気付いたのは惇哉さんの唇の感触と温度を自分の胸の素肌で感じたから…

「や…あ…」

裸の上半身を惇哉さんの唇が触れていく…
本当に…隅から隅まで…

「あ…」

もう…抵抗するのを諦めてたからいつの間にか離してくれた両手は枕とシーツを必死に掴んでた。

「ンッ……ハァ…ハァ…あっ…」

胸の先を惇哉さんが優しく舌の先で舐める…
片手は反対の胸を下から揉み上げては私の身体を滑って行く…

「ぅぁ……」

大きく のけ反ると惇哉さんの唇と舌が胸から這うように移動して私の首筋を通って耳たぶで止まる…

「由貴……」
「アンッ!」

耳たぶに掛かる息が私の背中をゾクリとさせる……

「由貴…」

惇哉さんの両腕が私を抱え込む様に抱きしめる。

「由貴…」
「な…に…」

うっすらと明けた目で目の前の惇哉さんを見つめた…

「今のうちに聞いておくけど…」
「?」
「そろそろなるだろ…」
「?」
何の事?

「アレだよアレ!」

「!!」

まさかこんな時にそんな事聞いてくるなんて…!!

「もう…なんで今そんな事聞くのよっ!」
「大事な事だろ!後3日って所か?」
「!!」

図星なのが頭に来る!!

「だったら…なんなのよ…」
「心置きなく由貴を抱ける ♪ 」

カア………!!

いきなり惇哉さんが起き上がって自分のパジャマの上着を脱いだ。
初めてでは無いけど…こんなに近くで…じっと惇哉さんの裸の上半身を見たのは初めてで…
目のやり場に困る。

「由貴……こっち向いて。」
「無…無理……」
「ホント初心だな…あ…そうだ由貴…」
さっきから何なのよ…
「なに?」
「多分ここまで初心なら間違いないと思うけど…」
「?」

「由貴ってオレが初めてだよな?」

「あっあっあっ…ああ当たり前でしょっっ!!」

「だよな ♪ 」

「何よ!バカにしてるの?この歳で初めてだから…」

「違うよ…逆…嬉しいんだ…由貴…」

「惇哉さん?」

「嬉しい……」

言いながら惇哉さんが私の上に覆い被さる…

だって…最初付き合ったのは高校生で…しかも1ヶ月…
そんなのでそこまで関係が進むはず無いし…
その後は誰とも付き合ってないから…必然的にこんな事は…

今日が…今夜が…惇哉さんが……初めてよ……

「んっ……」

由貴の身体をオレの身体で確かめる…
気ばっかり焦って…ついつい乱暴に…
せっかちになりそうな自分を何とか押さえて由貴の身体に優しく触れる…

ずっとこうしたかった…由貴…