03

    * 亨のお話なので当然なんですが…BL要素あります。 *




「おかえり!お兄ちゃん!」
「おお!元気だったか?」

祖父の七回忌の法事の為に半年振りに実家に帰って来た。
早々に堅苦しい法要は終わり厳かに 親戚一同で酒と料理を囲み
久しぶりの再会を楽しんでいるようだ。
「どうだい?刑事の仕事は?危ないのかい?」
「まあ…それなりにだ。」
「まったくお兄ちゃんが後を継がないからあたしが苦労すんじゃない。」
「それはスマナイと思っている。」
なんとも和やかなムードである。
「今何処に住んでるの?一度あたしも東京行きたい。」
「今は知り合いの所に居候中なのでな…それに真鍋は女が嫌いらしいしな。」
一応亨の事は理解している らしい。
「えーお兄ちゃん大丈夫なの?」
「えっ?」
妙に焦ってしまう…
「な…何がだ?」
「だって今男同士なんて当たり前じゃない?
その人だってそうなんじゃないの?お兄ちゃん狙われたりして?」
「何!?東京のモンはそうなんか?」
周りにいた叔父達がビックリしたように樹の方を振り返り 顔を覗き込んだ。
「なっ…そんなはず無かろう…!!至って普通の男だぞ!料理も上手だし頭も良い。」
そう言いながら何故か視線は宙を泳ぐ。
なんせつい先日亨と一線を越えてしまったばかりの樹でありました。
「ゆっくり出来るのかい?」
祖母が聞いて来た。
「明後日帰る。だから明日居候 させてもらってる真鍋を家に招待した。良かろう?」
「おおそうかい。それは楽しみだわ。」
どうやら櫻井家は根っからのおおらか家族らしい。

「…半年ぶりか…」

未だにそのままにされている自分の部屋の窓枠に腰を掛けてぼんやりと外を眺めていた。
何人かはまだ場所を移して飲み続けているらしい… 明日は真鍋が来る…
俺の法事と真鍋の高校の同級生に会いに行くのが重なって偶然にも同じ方面だった。
いつも世話になっているからと真鍋を此処に誘った。
きっと十分にもてなす事が出来るだろうと思っている。
明日が楽しみだ。

「ヘー…此処?」

案内されて辿り着いた樹の実家は話に聞いていた以上の 立派な老舗旅館だった。
大きなホテルとは違って平屋だけど木造づくりの立派な建物で何より奥行きがある。
どんだけ広いんだ…思わず樹をまじまじと見て しまった。
「…!?何だ?」
「いや…人は見掛けに寄らないなぁと思って…何で刑事なんてやってるの?継がないの?
まさか愛人の子供で疎まれてるとか?」
何故かとんでも無く失礼な事を言ってると思いつつでも言わずにはいられなかった。
「性に合わんのだ。旅館の経営など…」
よっぽど嫌なのか?物凄い嫌な顔だ。
「だろうね。」
樹に旅館の経営なんて無理だ…僕もそう思う。

「初めまして。」
樹の家族一同ににこやかな挨拶をした。
保護者相手は仕事で 慣れてる。
多少違うだろうがまあそんなに変わらないはず。
「まあ塾の先生ですか…」
「樹がいつもお世話になって。」
深々と頭を下げられた。
「いえ…そんな。」
本当は色々お世話しているがそんな事言える筈も無く…
「私達は仕事がありますのでお相手出来ませんが樹に任せますので
何なりと用を言い 付けて下さい。どうか泊まってゆっくりして行って下さい。」
「いえっ!!僕は夕方にでも…」
冗談じゃない…捕まってたまるか。

「真鍋っ!!」

いきなり樹が叫んだ。ビックリした。
「なっ…なに?」
「遠慮などするなっ!!今日は俺の客人なのだから泊まって行け!
明日一緒に 帰ろう!」
帰ろうって…小学生じゃあるまいし…
「でも…」
ジィーーっと樹が僕を睨んでる…これで帰ったら家で煩いんだろうな…
「わかったよ… お世話になるよ。」

負けた…時々僕は樹に負ける…出来の悪い生徒のクセに生意気だ。
家に帰ったらお仕置き決定だ!


「えー進学塾の先生なんですか?ウソ!」

樹の妹が興味津々の眼差しで僕を見つめてる…
とりあえずロビーのソファに座って三人で話し込んでた。

「本当だぞ。しかも真鍋はそこのNo.1講師なのだ。」

「えー本当?じゃああたし勉強教えて貰ってもいいですか?
ちょっとだけ…駄目ですか?」
彼女は『櫻井 望美』高校三年生だそうだ。
「お兄ちゃんが刑事なんかなるからあたしが此処継ぐ羽目になって…
だから大学で経済学学ぼうと思ってるんだけど
何か勉強解らない所だらけで…」
「君は反対じゃなかったの?樹が刑事になるのに…」
何だかキョトンとされた。
「お兄ちゃんに旅館の経営なんて無理なの 分かってましたから。
仕方ないんですけどね…」
「出来た妹さんだ。」
真面目に関心してしまった。
「ただ…本当に家の事関心無さ過ぎて腹立つん ですよ。」
「別に…そんなに薄情では無いぞ…」
「樹は薄情とかじゃ無いよ。
周りが見えてないって言うかマイペースって言うか…
今で言う『KY』って ヤツじゃないの。」
「KY?何だそれは?」
「プッ!アハハハ…」
妹がいきなり笑い出した。
 「?」  「?」
「お兄ちゃんと一緒に暮らしてる なんてどんな人かと思ったら…
やだ…お兄ちゃんの事分かってるんですね。」
「判りたくてわかったわけじゃ無いんだけどね。」


「…でこう訳す。」
約束通り樹の妹の勉強を見てやってる所だ。
何だかんだと3教科ほど頼まれた。
「あ!そっかぁ。そこが違ってたのか!流石!それに教えるの上手ですね。」
「それで生活してるからね。」
「………」
彼女が黙って僕の顔をじっと見た。
「なに?」
「真鍋さんて綺麗な顔してるんですね…」
「そう?男だからそう言われても何とも言えないけどね…」
苦笑いで返した。
「女の人嫌いなんですよね?」
何でそんな事に?
「樹が言ってた?」
「はい…!あっ!ごめんなさい!あたしスッゴク失礼な事言ってますよね?」
「別に嫌いって訳じゃ無いんだけどね…どうも僕は女性とは合わないらしい…」
「じゃあやっぱり…男の人が?」
「………」
思わず黙って見つめてしまった。
「そう見える?」
「あ!ごめんなさい!またあたし失礼な事…」
樹のヤツ…一体どんな話したんだ…後で問い詰めてやる!
「あたしは平気ですか?お兄ちゃんの妹だから?」
「!……君は頑張ってるからね。そう言う子僕は 好きなんだよ。」
ニッコリと笑った。
「そうですか?うれしい!あたし勉強頑張ります!」
「うん。頑張って。」
「ハイッ!!ありがとうございます。」
何だか塾で教えてる気分になった。


「どうだ?真鍋寛いでるか?」

彼女が部屋を出た後温泉に浸かり帰って来た所だった。
「ああ…良いお湯だったよ。樹も一緒に入ればよかったのに。」
別に意味ありげに言った訳じゃないのに一気に樹が真っ赤になった。
あの晩から樹は時々そんな 反応をする様になった。
分かり易い。
僕は樹の実家の中の一室に案内された。
自宅なのにちゃんと造りは旅館の部屋と同じで客間としてもてなす為に
造られてるそうだ。
「…寛いで貰ってるなら結構だ……」
そう呟くと僕の傍に無言で立ってる。


「何?」
「真鍋の浴衣姿…初めて見たぞ…なかなか似合ってるな。」
僕から視線を外してる…何で?
「そう?浴衣なんて久しく着てなかったな。」
自分の姿を上から 見下ろしてそう言った。
「………」
また樹がはにかんだ様に立ってる。
「さっきから何?」
「いや…その…」
「だから何?」
急かす様に問い詰めた。

「あ…挨拶のキスを…もう久しくしていなかったと思ってな…」

樹が頭を掻きながらボソッと漏らした。
何だ…そんな事? 確かに丸二日してなかったか?

「何?キスしたいの?」

意地悪く聞いた…ちょっとした仕返しだ。

「うっ…いや…無理にとは…此処は真鍋の 家では無いしな…」
はー焦れったい!

「じゃあ…おいでよ…樹…」

「!!」

僕はその場から動かずに樹の目を見た。
樹が固まってる… ああ気分が良い。

「しないの?」

「…!!…」

その一言で決心がついたのか樹がソロソロと近付いて来た。
いつもしてる事なのに何で そんなに緊張してるんだか…
気にせずサッサとしてしまえば何て事も無いのに変に気にするから
余計ギコチなくなる。
樹にしては珍しい…そっと樹の顔が 近付いて来る…
後少しと言う所で樹が後ろに下がって頭を引いた。

「やはり…止めておこう…!!すまぬ!真鍋。」

はぁ?

「…嫌だと言う訳では無いのだ…何故か…その…何と言うか…」
とんでもなく慌てふためいてる。
プチリと頭の中で音がした。
「樹…君はいつもそうだね。 君の悪い癖だよ。」
腕を組んでズイッと樹に詰め寄った。
「悪い…癖…?」
思い当たらないと言った顔で僕を見つめながら後ずさる。
寝てないクセに 間抜けな顔だ。

「人を誘っといて相手をしないなんて失礼にも程があるよ!!しかも二度目だよ。樹!」

「ニ…二度目?」
じりじりとお互いに動き 続ける。
「してあげるよ。樹…僕が…ね!」
思いっきり見下した視線を浴びせて樹の顎をがっちりと掴んだ。
「真鍋…?」
お互いの唇が重なる瞬間襖が 開いた。
「失礼致します。…あら坊ちゃま!」
「や…あ…」
何だ…やあって?
いつの間にか樹は机を挟んで反対側にいた。素早い…生意気な!
「坊ちゃまもこちらで宜しいんですよね。お食事お持ちしましたので。」
「ああ…ありがとう…」

助かったね樹…僕は呆れた眼差しを樹に浴びせ続けていた。


食事は思いの外スムーズに進んだ。樹がいつもの樹に戻ったからか?
食べながら僕と慶彦の料理の方が美味しいと言った。
お世辞を言わない樹 だからきっと本心なんだろう。
でも旅館の息子としては失格だ。
板前の料理と素人の料理を比べて素人を褒めるなんて…
まあ…悪い気分はしないけどね。
場所のせいもあったのか樹は普段よりも饒舌だった。
そこで分かった。
樹の話し方は亡くなったおじいさんの影響らしい。
大ざっぱで余り周りの事を気に しないのもおじいさん譲りらしい…
一度会ってみたかった。

夜も更け当然の事ながらお互いの部屋で寝る事になった。
いつもは一つのベッドに寝てるなんて 口が裂けても言えない。

「おやすみ真鍋。」
「おやすみ樹。」

僕達は軽い…唇が触れるだけのキスをした。
樹の顔が一目でわかるほど安心した 顔になった。

舌を絡ませるキスはあの時だけしかしていない。
あんなキスをしたら…僕達はまた…身体を重ね合うんだろうか……


「 コンコン… 」

部屋に帰って布団の中でウトウトとしていると
部屋の入り口を叩く音がした。
「真鍋?」
何故かそう思った。だがそんなはずは 無いだろうと直ぐに思い直した。

「誰だ?」
扉に向かって声を掛けると返事も無く戸が開いた。

「帰ってらっしゃるって聞いて…我慢出来ずに 来てしまいました…」
「音羽…?」
静かに後ろ手に戸を閉めると優雅な身のこなしで俺の傍に歩いて来た。

音羽はいつからか俺の家に来る様になった 芸者だ。
歳は俺より3つ程年上で初めて会ったのは高二の時だった。
祖父に紹介され何故か俺は音羽に気に入られた。
ある晩今日の音羽の様に夜も更けた頃 静かに俺の部屋に入って来て
そのまま朝まで一緒にいた。
拒む理由も無かったし『重荷にはならない』と音羽は言った。
それからは時々音羽が俺の部屋に訪れた。
俺は女は音羽しか知らない…音羽に遠慮したわけでも無い…
他の女を知りたいと思わなかっただけだ。
今思うと何故音羽が俺の部屋に訪れる事が出来たのか…
きっと祖父が一枚かんでたに違いない…そんな祖父だった。

「お元気そうで何よりです。」
「音羽も元気そうだな。」
「はい。」
ニッコリ笑って 布団の上で
上半身だけ起こしてた俺に腕を廻して身体を預けて来た。
「音羽…」
少し戸惑った…頭の中で真鍋の顔が浮かんだ…
「樹さん…」
「ん…」

俺達は舌を絡ませるキスをいつまでも続ける…

酔いもあったのか馴染みの相手だからか…
いつもと同じ様に…俺と音羽は朝まで一緒にいた。


「あら?坊ちゃままだいらしてませんか?」
僕の部屋に朝食を運んで来た中居さんが部屋に入った途端中を見回してそう言った。
普通より早い 朝食にしてもらったから起きて来られなかったのか。
「じゃあ僕起こしてきます。」
そう言って教えて貰った樹の部屋に向かった。
ドアをノックした… 返事が無い…もう一度してみた。
「う…ん…」
たった今起きた気配がして微かに声が聞こえた。
「樹朝食来たよ。早く食べないと電車の時間に…」
ドアを開けながら声を掛けたんだが…途中で止まった。
「…真鍋?」
樹の寝ぼけた声がした。

真っ正面の床の上に布団があった。
樹の布団だ…ただ…寝てたのは樹だけじゃ無い…
かろうじて腕に掛かった女の浴衣は服の役目なんか果たしていないに等しい…
思いきり裸の身体があらわになってる。
樹はと言うとどう見ても裸だ。
肘だけで起き上がって今までで一番間抜けな顔で僕を見てる。

夕べあの後此処でどんな 事があったのか一目瞭然だ。
夕べの僕の部屋での樹は一体なんだったと怒りが込み上げて来た。
怒り?確かにムカついてる。

「おはよう樹。夕べは お疲れだったみたいだね。朝食は彼女と食べるといい。」

淡々と言ってやって思いきり乱暴にドアを閉めた。


それからキッカリ5分後樹が僕の部屋に 入って来た。
僕は見向きもしない。
なかなか僕の視界に入って来ない所を見ると入り口にでも突っ立っているのか。
それからまた5分後やっと樹が僕の目の 前に座った。
正座だ。僕は視線を合わせずに黙々と朝食を食べてる。
樹も横を向いたり下を向いたり…僕と視線を合わせない。
合わせられないと言った方が いいのか…合わせてみろ睨んでやる!
「食べないの?」
「あ…!いや…」
トロトロと箸を掴んだ。

「最後の最後で最高のおもてなしありがとう。 感謝の気持ちが一杯で言葉も無いよ。」

もう少しでご飯が口に入りそうなまま樹の動きがギクリと止まった。

「帰ったら早速ベッドを買って他の部屋に 移って。
ああ違う…出ていって!!その方が簡単だね。」

「真鍋!!」

樹が両手をテーブルに着いてガハッと身体を立てた。
「なに?」
「あ…あれはだな…」
「別に樹が何処の女と何をしようが僕には関係無いし口出しする事じゃない。
君だって一人前の男だししかも此処は君の生まれ育った 土地で家だ。
だから彼女がいたって不思議じゃない。
久々の再会を喜んで愛し合うのに何も遠慮する事は無い。」
「………」
僕は瞬きもせずジッと樹を 真っ直ぐ見つめて話続けた。
樹はずっと無言…当然だ!今の所反論なんて許さない。
口を利いた途端 『黙れ!』 と命令してやる。

「ただ!時と場合を選べ!君は僕を自分の客人だと言った。
なのにあの醜態はなんだ?気を使って何事も無かった様に痕跡を消すのが
君のせめてもの僕に対する 礼儀だろ?
最もこんな時に女としたいと思った君を僕は軽蔑するけどね。
何でよりにもよって夕べなんだ。」

「……すまん…」

まるで痴話喧嘩だ… 何で僕がこんな文句を言ってるんだか…

「僕は頭の悪い奴は大嫌いだ。」

「それは…俺の事が嫌いと言う事か?」

今度は逆に樹が僕を瞬きも せづにジッと見つめてる。
真っ直ぐすぎて視線が痛いくらいだ…
「俺が嫌いと言う事か?」
もう一度聞いて来た。
「…………」
あまりに純粋な瞳で 見つめられて思わず黙ってしまった。

「いい訳では無いが…俺は音羽に求められると断る事が出来ん…
音羽は俺にとって初めての女で唯一人の女だ… 俺は音羽以外の女は知らん。
高校の時初めて音羽が俺の部屋に来た時話してくれた。
『自分は生きて行く為に不本意ながら好きでは無い男に抱かれなければならない』と…
『だからそれで辛くなってどうしても耐えられなくなった時俺に抱いて欲しい』と言った。
『俺の重荷にはならない』と…抱いてくれるだけでいいからと…
俺はその時ガキだったが音羽の辛さが判った…
だから俺は音羽を拒む事はしない。
いつまでこんな事が続くか判らんが今の所どうなるか俺にも判らん。
音羽とは 半年振りに会ったのだがな…」

樹がそのまま黙って…僕の言葉を待っている様だった。

あの女は樹に『癒し』を求めてる…
樹はそれを邪険にもせず その弱味に付け込みもせず…
意味も判らず癒し続けてるのか…

「樹は彼女の事が好きなの?」
単刀直入に聞いた。
「…?…うーむ…」
真剣に 考えてるらしい…
「好きとは…違う様な気がする…確かに嫌いでは無いが音羽には…その…」
「何?」
「…一緒に居るだけで恥ずかしいとか… 俺の事をどう思っているのかと
気にしたりとか…胸がドキドキすると言う事は無い…」
「はぁ?何それ?」

「何でもないっ!!そんな事よりさっきの 質問に答えていないぞ!真鍋っ!!
俺の事が嫌いなのか?」

今度は僕の横に移動して詰め寄って来た。
随分強気になったもんだ…どんな心境の変化だ。

「嫌い…って言ったらどうする?」

見下ろした眼差しで今度は僕が聞いた。

「………泣くかもしれん…」

「…まったく…子供じゃあるまいし…」
その答えが余りにも本音に聞えて思わず笑ってしまった。

「笑ったと言う事は俺の事は嫌いではないと言う事か?」

一気に樹の顔が明るくなった。
「まあ何とか及第点は取ったって事かな。」
「良く判らんがベッドは買わなくていいと言う事か?」
「そうだね…そうなるかな。」
「そうか!良かった… あっ!真鍋!」
「ん?」
不意に樹の顔が近付いた。




「おはよう。真鍋…」

そう言っていつものキスを樹は僕にした…
一瞬だったけど…樹の舌が僕の舌を絡めて離れていった…


その一連の動作はとてもしなやかで…軽やかで… いつも驚かされる…

       …そして君は猫のように僕の傍にいる…